割安性を見極める

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資産面と収益面から割安性を見極める

株式を評価する基準としては、2種類あります。
資産価値と収益価値です。
代表的な指標として、PBRが資産価値、PERが収益価値を示す代表的指標として用いられます。
PBRとPERの両者で見て割安であるという銘柄が望ましいのは当然ですが、そうした銘柄は普段はあまりありません。
片方だけから見て割安という銘柄は、普段の状況でもありますが、資産価値・収益価値の両者が割安な銘柄は暴落時でないとなかなかお目にかかれません。
株式の割安さに注目して投資する場合は、資産価値と収益価値のどちらに注目して投資するかをきちんと決めておくべきです。
なぜなら、資産価値と収益価値の性質は大きく異なるからです。
 資産価値は、企業が保有しているキャッシュや不動産、有価証券等の資産から負債を引いたものであり価値が現時点である程度はっきりしているものです。
収益が今後余り変化しなくても、1株あたり資産が株価に比べて割安であると市場が認識すれば、株価はいずれ値上がりしていくはずです。
ただし、大赤字を垂れ流している企業の場合は、資産価値は減っていくので、留意が必要です。
いくら現時点でキャッシュ等の資産があっても赤字を垂れ流していれば、資産が枯渇するのは目に見えています。
このように、資産株の場合は、収益が大赤字でない銘柄を選び、割安さが見直されることをじっくりと待つことが大切です。
 収益価値は、資産価値とは異なり、見通しがつけにくいものです。
例えば、ある企業の10年後の収益が正確にいくらになるなど誰にも分かりません。
1年後の収益予想、それも会社側が出している予想でさえ、しょっちゅう上方修正や下方修正をしているのです。
分かるのは、せいぜい利益が増えるか減るかくらいでしょう。
資産価値は現時点で価値がある程度分かりますが、収益価値は不確定なものがあります。

資産バリュー株の選び方

 資産バリュー株を見つける上で、最も基本的な指標はPBR(株価純資産倍率)です。
株主の持分である純資産が株価に対してどのくらいの比率であるか示す指標です。
一般的には、PBRが1倍を割れると割安といわれていますが、不況期には東証1部上場の優良企業の中にもPBRが1倍どころか0.5倍になる企業も多数存在するのであてにはなりません。
また、倒産寸前の株式になると株価が暴落するため、見かけの純資産に対し株価が非常に安くなり、PBRは0.1倍を割り込むこともよくあります。
ですから、PBRだけで資産バリュー株かどうかを見分けるのは、困難です。
特に赤字を垂れ流している企業のPBRは、あまり役に立ちません。
その他で一般的に用いられる指標は、ネットキャッシュです。
ネットキャッシュとは、現預金+有価証券-有利子負債で表され、企業が容易に使える資産を表します。
ネットキャッシュが時価総額と比べて割安なら、企業を完全に買収したときに換金性の高い資産だけで企業買収資金をまかなうことができる計算になります。
しかし、事業がまともでネットキャッシュが豊富な企業は普段はなかなか存在しないので、そのような企業を見かけたら、チャンスかもしれません。

収益バリュー株の選び方

 収益バリュー株を見つける上で基本的な指標がPER(株価収益率)です。
株価÷一株あたり収益で計算されます。
PERは、株価が一株あたり収益の何倍であるかを表し、PERが高いほど市場から高く評価されているとされます。
例えば、一株当たり利益が100円の銘柄があったとして、市場がPER10倍が妥当であると評価すると株価は1000円になります。
市場がPER20倍が妥当と評価すると株価は2000円になります。
つまり、収益自体が変わらなくても、株価が大きく変動することはありえるのです。
しかも、妥当PERがいくつかであるかというのは市況によって大きく異なり、複数の要因から妥当PERが決まる事から、PERがいくつであると割安であるとは一概にはいえないのです。

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