小売業投資のポイント

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まずは売り上げを増やせているかをチェック

小売業の基本は、うまく経営できている店舗を素早く移植していくことです。儲かっている経営システムを多店舗に移植して、どんどん売上高を増やしていくことが必要です。購買や調達、総務など間接部門の経費を削減しつつ、店舗をいかに早く出店して、利益を上げていけるかが大切なポイントです。10店舗しかない小売業者でも1000店舗ある小売業者でも、間接部門の固定費が店舗数ほどは増えませんので、店舗数をいかに同業他社よりも迅速に増やしていけるかが勝負です。ただし、競争力のない店舗や赤字を垂れ流すだけの店舗をいくら作っても小売業者が破綻するだけですので、実際に小売業者の店舗に足を運んでみて、店舗の雰囲気を体験してみることも必要です。一顧客として、店を見て魅力があるかどうかチェックして、いいモノを安く売っている、ここにしかないものを売っているなど、この店を応援してもいいなと思ったら投資を検討してもよいでしょう。

小売業の根幹は経営ノウハウにあるので、1店舗が傾きだしたら、それは全店舗が傾きだしていることを示しているかもしれません。ある店舗だけが不振であるということは、競争力が高い小売業者ではあまりないことだからです。もし、近所に投資企業が出店している小売店があったとして、その店の活気がないとしたら、全店の競争力がなくなっているのかもしれません。そうした店が出店を急拡大させているとしたら、危険な兆候です。売り上げは一時的に増えるかもしれませんが、いずれは破綻するでしょう。

小売業を業態とする会社では、「全店売上高の対前年比」とは別に、「既存店舗売上高の対前年比」を開示している場合があります。新規店舗は、様子見の新規顧客が入ってくるので実力以上の数値が出ます。1年後に「既存店舗」になった際には、顧客はその店舗の常連さんが多くなっているはずです。新規店舗では店舗の実力は測れませんが、既存店舗であれば店舗自体の実力が分かります。もし、既存店舗の売上高が減少していれば、それは小売業者自体の実力が低下していることを示している可能性が大きくなります。ぜひ、全店売上高をチェックするだけではなく、既存店舗のみでの売上高もチェックしてみてください。

 

コストを削減しているかをチェック

また、店舗数が増えれば、仕入れ先からの調達条件を小売店に有利にすることが可能になります。大量購入による値引きで、売上原価を低下させることができれば、利益は増加します。コストを削減していることをチェックするためには、売上高に対する営業利益率を調べると良いでしょう。例えば100億円の売上高で5億円の営業利益があった企業が、5年後に200億円の売上高で12億円の営業利益になっていれば、営業利益率は大きく伸びていることになりますので、コストの削減がされていることが推定されます。単年度ではわかりつらいことなので、5年単位の売上高と営業利益の関係を比較したほうが分かりやすいです。

 

売掛金と棚卸資産のチェック

企業が倒産するときは、赤字になったから倒産するのではありません。手持ちのキャッシュが足りなくなるから倒産します。例えば、ある企業が100億円の利益を帳簿上で上げていても、今日の100万円の支払いができなければ破綻します。また、小売業は手持ちの資金を仕入れに使って、顧客に販売し、回収するまでが1サイクルですので、販売できたとしても売掛金を回収できなければ、利益どころではなく損失になってしまいます。顧客からはなるべく早く売掛金を回収する必要があります。いつもニコニコ現金払いで支払ってもらえればいいのですが、売掛金が発生しまう場合には相手企業が信用できる会社が確認しておく必要があります。売掛金があまりにも多い小売業者の場合は、信用できない会社にも無理して販売している可能性があるので、注意が必要です。一般的には、売掛金が売上の3か月を超えたら危険水準と言われますが、妥当な水準は業態により異なります。食品スーパーであれば、顧客と現金でやり取りする場合が多いですが、業務用の商品の場合は掛取引となる場合があるからです。

また、棚卸資産もチェックが必要です。商品を売る為には適正な在庫が必要です。もし、顧客が必要とする商品の在庫がなければ売り上げの機会損失になりますし、顧客の信頼が失われます。ただし、多すぎる在庫は、その小売業者の不振を示している可能性があります。売れ残りの在庫がたまり、棚卸資産という形で残っているという可能性が十分にあり得ます。また、棚卸資産がいつまでも滞留し続けると資金効率が悪くなりますし、最終的に特別損失として計上しなければいけないかもしれません。

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