転職先として気を付けるべき中小企業の特徴9選
中小企業には多くの魅力がありますが、入社する前に慎重に検討すべき特定の警告サインや懸念点があります。以下に、入社を避けるべき中小企業の典型的な特徴を挙げます。
不安定な財務状況や業績
企業の財務状況が不安定であるか、または経営が危うい状態にある場合、長期的な雇用の安定性が懸念されます。経営の透明性が低い、または財務報告が不明確な企業もリスクが高いです。従業員の給与は当然ですが会社の利益から支出されるので、会社が儲かっていなければ給料は上がらず、下手をすると給料がもらえないまま倒産という最悪の結末を迎える破目になります。
企業が手元資金を豊富に持っていれば、業績が悪くてもしばらくは従業員に給与を支払うことはできるかもしれません。しかし、会社が儲からず資金流出が続けば銀行からも見放され、いずれは倒産の憂き目を見ることになります。
見た目の高待遇や求人広告のうたい文句に踊らされる前に、まずは企業がちゃんと給料を支払い続けてくれるかどうか確認しましょう。上場企業であれば情報開示がきちんとされている企業がほとんどでインターネットで財務状況や収益状況も簡単に分かります。中小企業は非上場企業がほとんどなので、信用情報機関のデータベースを使うことも一つの手です。帝国データバンクや東京商工リサーチなど信用情報機関の情報を見れば、中小企業でもある程度経営状況を把握することが可能です。利用料は数千円程度と少々値段が張りますが、給料未払いや失業のリスクを考えれば安いものです。
高い従業員の離職率
常に従業員が入れ替わっている、または従業員の離職率が異常に高い企業は、労働環境や経営に問題がある可能性が高いです。業績に見合った給料がきちんと支払われて、居心地の良い企業ならばわざわざ転職する人はよほどの変わり者か上昇志向が強い人です。業界にもよりますが、従業員の離職率があまりにも高い企業は、従業員が会社を見放して他の企業に転職している可能性が大きいです。わざわざ転職の手間やリスクを背負ってまで会社を離れなければならないということは余程その企業に問題があると考えることが妥当でしょう。
社員のネガティブな口コミ
現在または過去の社員からのネガティブな口コミが多い企業は注意が必要です。特に、労働条件、経営陣の質、ワークライフバランスに関する否定的なコメントは重要な警告信号です。近年では、大規模な従業員の口コミサイトが複数あり、現在在籍中の社員や退職後の社員の口コミを見ることが出来ます。給与や労働条件、社内環境など外部からは分かりづらい情報もこうした口コミサイトには記載されているので参考にすることも一つの手段です。求人サイトでは美辞麗句で労働条件をごまかせても実態はひどいということは良くあることです。ただし、退職後の社員の場合は会社に良い感情を持っていない場合も少なくないので、様々な情報を総合して分析しましょう。
不明確なビジョンや方向性
企業が明確なビジョンや事業戦略を持っていない、またはそれが頻繁に変わる場合、長期的な成功の可能性が低いと考えられます。上層部がきちんとした考え方を社員に示せない為、社員が何を目標にして行動したらよいのかはっきりしない為、組織として体を成していない可能性も考えられます。企業が何を目標にしているのか上層部が自分の言葉で述べることが出来ない企業は迷走し、いずれは沈む運命にあるでしょう。
権力集中
経営層が全ての決定をコントロールし、従業員に自由度や独立性を与えない企業は、イノベーションや従業員の満足度が低い傾向があります。確かに、有能な社長がすべてを取り仕切ることも、創業期などある時期においては必要かもしれませんが、企業が成長し組織が大きくなってきたら権力を分散してリスク分散をすることが定石です。理由もなく、権力欲のまま社長が権力を握りづけている企業は後継者も育たないですし、風通しも悪くなります。
適切な福利厚生の欠如
競争力のある給与や健康保険、退職金制度などの基本的な福利厚生が提供されていない場合、従業員に対する投資が不十分であることを示しています。よくあるパターンが利益が出ると上層部やその取り巻きだけが利益を独占して浪費してしまうパターンです。社員のおかげで利益が出せたのに、そんなことは全く意に介さず、良いところだけ上層部が持って行ってしまうことはダメな中小企業あるあるです。
プロフェッショナリズムの欠如
職場でのプロフェッショナリズムや礼儀が欠けている、または労働法規を遵守していない企業は問題がある可能性が高いです。雇用主と従業員は本来対等の立場ですが、雇ってやるという立場の企業はまだまだ数多く存在します。また、労働基準法の基本を知らなかったり、知っていても平気で無視するような会社は社会の敵ですので、労働力を提供するのは控えましょう。
コミュニケーションの不足
コミュニケーションが不透明であったり、上層部からの情報が不足している場合、組織全体の効率や士気に悪影響を及ぼす可能性があります。よくあることが社長がゴルフや遊興にふけり、現場に全く現れないというパターンです。現場を知らずしてどうやって利益を上げることができるのでしょうか?
成長と発展の機会の欠如
個人の成長やキャリア発展の機会が限られている企業では、長期的なキャリア形成が難しいかもしれません。ずーっと同じ仕事ばかりやらされて、給料も上がらなかったら嫌ですよね。少しくらい希望があってこそやる気がでます。
まとめ
中小企業への入社を検討する際は、これらのポイントを念頭に置き、可能な限り詳細なリサーチを行うことが重要です。インターネット上の評判、面接時の印象、情報公開の程度などを総合的に評価し、自分のキャリア目標や価値観に合った企業かどうかを慎重に判断することが求められます。