ネットネット株

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ネットネット株とは

株子さん
株子さん

ネットネット株ってインターネット関連の株ですか?

株師匠
株師匠

インターネット関連の株ではなく、会社の資産価値と株価を比較すると激安の株式のことだよ。

 

 

ネットネット株とは、世界的投資家であるウォーレン・バフェット氏の師匠にあたる、ベンジャミン・グレアム氏が提唱した銘柄投資手法です。資産価値に注目して投資する、バリュー投資の一種です。派手には儲からないが、確実性は高い。そういう意味を込めて、グレアム氏はこうしたネットネット株への投資をシケモク投資と呼びました。シケモクとは、地面に落ちている湿ったタバコの吸殻です。拾って吸えば、大して美味ではないが一服は確実にできるという意味です。

参考記事:バリューとグロース

ネットネット株の算定方式

グレアム氏は、徹底的に保守的な投資家でしたので、投資対象の会社が保有する資産のうち、現金や優良な債券・有価証券など価値が確実なものしか本当の”資産”とみなしませんでした。

例えば、売掛金は資産の一種ですが、売掛金を回収するまでの間に相手の企業が倒産してしまえば、価値はほぼゼロです。また、在庫商品も資産ですが、流行の終わったような不良在庫であれば、在庫商品の価値はほぼゼロです。徹底的に不確実なものを取り除いて株式の本質価値を算定するのです。さらには、計算違いや不確実な要素を考慮して、掛け目を入れます。

それが下記に示す、66.7%(≒三分の二)です。
ネットネット株とは、
時価総額 > (正味流動資産 – 負債総額) ×66.7%
である株を言います。

ネットネット株とは、ある銘柄が株価に対し資産価値があり超激安ということです。例えば、株価が1000円なのに、1株当たり現金が3000円あり、1株当たり負債は1000円しかないような銘柄をイメージしてください。現金で負債を全部返したとして、1株あたり2000円が手元に残ります。なんと、1000円支払うと、2000円手に入るというスゴイ投資手法です。

株子さん
株子さん

うーん、いまいちピンとこないです。

株師匠
株師匠

1000円の財布を買ったら、財布の中に2000円入っていたというイメージだよ。

 

ネットネット株投資の問題点

もっとも現実はこんなに単純ではなく、
1.簡単に企業は解散できない
企業には、従業員がいる為、退職金を支払う必要がありますので、理論上の利益は実現することが困難です。

2.市場が割安さに気が付かない
株式市場の値付けは常には正しいとは限りません。むしろ、常に間違っているといってもいいでしょう。割安であると理論上は分かっていても、市場が様々な理由でこうした激安銘柄を無視し続けるようなことはよくあります。こうした現象のことをバリュートラップを言います。

3.財務諸表を読むためにはある程度のスキルが必要
グレアム氏には、自身の投資手法を記した”証券分析”という著作がありますが、大著であり、ある程度の会計知識を前提としているため、会計知識のない人には難しい書籍です。このような知識を前提に投資をしなければならないことは大変な困難です。
などの問題があります。

株子さん
株子さん

この投資手法は、なかなか難しそうですね・・・。

株師匠
株師匠

会社の価値より株価が低い銘柄を探す、という考え方さえわかれば大丈夫だよ。

言い換えれば、1000円で2000円の価値があるものを買おうということなんだ。

その後のネットネット株

そして、市場が「この銘柄は割安」と気が付いて、割安さが解消してしまえば、それ以上儲けることは難しくなります。つまりは、市場のゆがみを捉えた手法であるため、常に次の投資手法を探し続けなけばならないという欠点があります。グレアム氏の弟子であるウォーレン・バフェット氏はこの問題に気付き、師匠が編み出した投資への考え方を踏まえつつ、永続的に儲けを生み出し続けるような企業をそこそこの値段で買うという方針に変更していきます。

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