個人投資家が複数企業の大株主となっている例

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個人投資家が大株主となっている銘柄の傾向

・トヨタ自動車やソフトバンクGなど超大型株は皆無で、小型株が極めて多い。

株式投資というとトヨタ自動車やソフトバンクGに投資することをイメージする人が多いですが、こちらに出てくるような個人投資家はあまり名前が知られていない銘柄に投資しているケースが多いです。時価総額で言うと、数十兆円の企業に投資するか、数十億から数百億円の企業に投資するかの違いです。トヨタ自動車の時価総額は約26兆円、ソフトバンクGは約20兆円です。仮に時価総額が200億円の銘柄に投資したとすると、その差は100倍以上です。横綱と幕下、象と蟻くらいの差があるような違いです。

なぜここに載っているような個人投資家は小型株に投資するのでしょうか?

・トヨタ自動車をウォッチしているアナリスト(プロ)はたくさんいるが、時価数百億円の小型株をウォッチしているようなプロは少ない。

トヨタ自動車を分析しているアナリストは世界中に数十人はいるでしょう。優秀な頭脳を持ち、多額の資金を投じて世界中からあらゆる情報を集めてトヨタ自動車の一挙手一投足を観察しているはずです。情報面で個人がプロに敵うはずがありません。

しかし、時価総額数十億から300億円程度の小型銘柄を分析するアナリストは皆無です。なぜなら、プロにとって採算に合わないからです。何兆円ものプロの資金が流入すれば、時価総額がせいぜい300億円の小型株を大量に買い付けることは困難です。小型株は売買が少ないので、プロ自らの買いで値段が吊り上がり買付値段が大きく上昇してしまいます。反対に売却するときは、売買が少ないので値段が暴落してしまいます。池の中のクジラのような状態になってしまい、身動きがとれなくなります。ですから、プロが小型株を買い付けることは困難です。また、トヨタ株で損失を出したと言えば、会社の中で言い訳が立ちますが、名前が知られていない銘柄を売買して損失を出したとすると、社内での立場が危うくなります。ですから、小型株を専門にするプロは皆無なのです。

そこで、情報のゆがみが生じやすくなります。トヨタ自動車が画期的な新商品を出せば、株価にその情報はすぐに反映されるでしょう。しかし、時価総額数十億円の小企業が画期的の新商品を出してもすぐには情報が広まらないはずです。株価に情報がすぐには織り込まれないのです。そこで、小型銘柄をじっくりと分析することで、株で利益を上げるチャンスが出てくるわけです。プロと真正面で真正面で戦っても勝ち目はありませんが、プロが手を出せないような状況で情報を分析すれば、個人投資家でも勝機があります。敢えて、プロと戦いを挑まない戦略をとっているのが上記の個人投資家なのだと思います。

・小型株は成長の余地が大きい

トヨタ自動車が今後、株価を2倍にするためには単純に考えれば車を2倍売らなければいけません。ライバル企業が多い中でシェアを2倍にすることは極めて困難ですし、市場が成長しているとしても車を現在の2倍売ることは大変です。仮に、時価総額数十億円の企業が画期的な自動車を販売したら、成長率は青天井です。当然株価も大きく上昇するでしょう。成長余地が大きいため、小型株で極めて大きなリターンを得るチャンスがあります。

・投資資金が大きいため、意図せずに大株主になった

トヨタ自動車に1億円投資しても、それほど大きなインパクトはありませんが、時価総額数十億円の銘柄に1億円投資すれば意図せずに会社四季報に載ってしまうほどのインパクトがあることは考えられます。

大口個人投資家をチェックすることのメリット

大口の個人投資家にはそれぞれの思惑があるはずです。いくらになったら株式を売ろうとか、どのぐらいの企業規模まで投資先が成長したら株式を売却しようなどです。もしかしたら、配当金が目当てかもしれません。単にある時点で株式を大量に保有していたとしても、それだけでは何が目的なのかは分かりづらいでしょう。その場合は、何年分かに渡り、大口個人投資家の動きを調べていくことで新しい視点が見えるかもしれません。例えば、配当金目当ての人は頻繁に売買しないでしょうし、値幅取りが目当てならかなり大きく株式の保有比率が変動するはずです。株主の保有比率がどのように変動しているかから株式の保有目的を類推することも可能です。

こうして類推した銘柄のなかから、宝石の原石が見つかる可能性は十分にありえます。例えば、今は注目されていなくても今後の成長が期待できる銘柄や、財務内容がよく今後株価水準の訂正が期待できるような銘柄などです。

大口個人投資家を真似することのリスク

機関投資家には様々な投資ルールがあります。倒産する可能性の高い低位株には投資できなかったり、時価総額があまりにも小さい銘柄には投資できないなど表には出ませんが様々な束縛があります。なぜかというと、投資銀行や生命保険会社、大手銀行など機関投資家は自ら投資をする場合もありますが、他人からお金を預かって運用する場合が多い為、損をした場合に言い訳が必要なのです。かっこよく言えば受託者責任であり、有体に言えば保身の為にさまざまな内規があります。皆が名前を知っているような大型株で損しても利益関係者は文句が言いにくいですが、誰も名前を知らない小型株で損をすれば顧客から文句が殺到するのは目に見えています。だからこそ機関投資家は小型株には手を出しにくいのです。機関投資家は横綱のように正面切っての勝負は得意ですが、奇抜な戦法やこまめな動きが苦手です。

一方、個人投資家には機関投資家のような内規はなく、自分の思ったように投資をすることが出来ます。例えば、大化けするような要素のある銘柄をリスクを取り投資することが可能です。独自の調査で情報を調べて誰も注目しないような小企業が大企業に変貌するまで長期保有することも可能です。いわば、横綱が正面切っての戦いには強いのに対し、個人投資家は自由自在に動けることが強みです。

機関投資家が小企業が大企業まで長期保有することはまず無理です。もし小企業を買って利益が増えてきても顧客から売却するように催促が来て大きく利益を得る前に売却してしまうことが関の山でしょう。その点、個人投資家は投資期間も自由に選べます。デイトレーダーのように瞬時に取引し小さな利益を積み重ねることも自由ですし、長期間持ち続けることで大きな利益を得ることも可能です。

ただし、上記に挙げた大口個人投資家もどのような思惑を持って保有しているかは、直接会うことができたとしても知ることは難しいでしょう。もしかしたら、一時的に利ザヤ稼ぎで持っているだけかもしれないし、長期投資で大きな成長を狙っているかもしれないからです。安易に大口個人投資家が保有している銘柄を真似して売り買いすると損失を出す可能性があります。ただし、その投資家の動きは株式の持ち株比率や、売買による持ち株比率の変動によりある程度分析できる可能性はありますので、会社四季報や金融庁への大量保有報告書などを分析することが有益でしょう。

個人投資家が複数企業の大株主となっている例

2020年現在、個人投資家が大株主になっている例を探してみました。大株主として明らかになっている銘柄だけで、数億円から数十億円の価値はあると思われます。渋い銘柄を選んでいる方が多いというのが感想です。会社四季報や大量保有報告書に載るという夢を叶えた方たちの銘柄選びがどんなものか参考になればと思います。

内藤征吾、水元公仁(個人投資家)

吉岡裕之、吉田知広(個人投資家)

若杉精三郎、岩崎泰次(個人投資家)

山下良久、吉川直樹(個人投資家)

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