就職氷河期世代の「引っ越し後の初期費用」を半額以下にする完全ガイド——家具家電・カーテン・生活用品を限界まで安く揃える方法
はじめに——引っ越し直後は「金が消える季節」
引っ越しの費用を抑える方法は、住まいガイドの別記事で詳しく書いた。敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し業者代をいかに削減するか。だが引っ越し費用を抑えても、入居後にさらにお金がかかる。家具、家電、カーテン、日用品。新居で生活を始めるために必要なものを揃える「初期費用」だ。
すべて新品で揃えると、冷蔵庫3〜5万円、洗濯機3〜5万円、電子レンジ1〜2万円、炊飯器5000〜1万円、照明器具3000〜5000円、カーテン5000〜1万円、寝具1〜2万円、その他日用品1〜2万円。合計15〜25万円。これが引っ越し費用(敷金礼金等)に上乗せされる。合計40〜50万円。貯金50万円の人間にとって、全財産が消し飛ぶ。
だが初期費用は、知識と工夫で半額以下に抑えられる。このガイドでは、家具家電から日用品まで、初期費用を限界まで安く揃える方法を解説する。
家電を安く揃える——中古・レンタル・無料譲渡
家電は初期費用の最大の構成要素だ。新品で揃えると10〜15万円かかるが、中古や無料譲渡を活用すれば、3分の1以下に抑えられる。
方法1は「リサイクルショップで中古家電を買う」こと。セカンドストリート、ハードオフ、トレジャーファクトリーなどのリサイクルショップでは、冷蔵庫が8000〜15000円、洗濯機が8000〜15000円、電子レンジが3000〜5000円で購入できる。新品の3分の1程度の価格だ。リサイクルショップの家電は、動作確認済みのものが多い。保証期間(3ヶ月〜6ヶ月)がつく店もある。保証がある店を選べば、安心だ。
方法2は「ジモティーで無料の家電をもらう」こと。ジモティーは地域密着型の掲示板サービスで、「不要になった家電を無料で譲ります」という投稿が多数ある。冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ。引っ越しや買い替えで不要になった家電を、0円で手に入れられる。自分で取りに行く必要があるが、タダで家電が手に入るなら手間は惜しくない。ただし動作確認は自分でする必要がある。保証もない。リスクはあるが、0円のリターンは大きい。
方法3は「家電レンタルを利用する」こと。冷蔵庫・洗濯機・電子レンジの3点セットを月額3000〜5000円でレンタルするサービスがある。かして!どっとこむ、CLAS、subsclifeなど。初期費用をゼロに抑えたい場合に有効。ただし長期的にはレンタル料の総額が購入費を上回るので、1年以上住む予定なら購入のほうが安い。「短期間の仮住まい」や「お金が貯まるまでのつなぎ」として利用するのが合理的だ。
方法4は「家電量販店のアウトレット品・展示品を狙う」こと。型落ちモデルや展示品処分の家電は、新品の半額以下で買えることがある。ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズデンキのアウトレットコーナーをチェック。展示品は傷や汚れがある場合があるが、機能は新品と同じ。値引き交渉に応じてくれることもある。
家具を安く揃える
家具は「なくても生きていける」ものが多い。優先順位をつけて、本当に必要なものだけを揃える。
最優先は「寝具」。布団またはマットレス。ニトリの敷布団セット(敷布団+掛布団+枕)が5000〜8000円。アイリスオーヤマの布団セットも同程度。これがなければ寝られないので、最優先で購入する。
次に「カーテン」。プライバシーと断熱のために必要。ニトリの既製カーテンが1窓分2000〜4000円。100均の突っ張り棒+布で代用すれば数百円。見た目は劣るが、機能は果たす。
テーブル、椅子、棚は「なくてもいい」。床に座って食事すればテーブルは不要。カラーボックス(1000〜2000円)が棚の代わりになる。椅子はカラーボックスに座布団を載せれば代用可能。最初から完璧に揃える必要はない。生活しながら、必要なものを少しずつ買い足す。
家具もリサイクルショップやジモティーで安く手に入る。テーブル500〜2000円、カラーボックス300〜500円、椅子500〜1500円。新品のIKEAやニトリよりさらに安い。
日用品を100均で揃える
新居で必要な日用品のほとんどは、100均で揃えられる。以下にリストを示す。
キッチン用品。包丁、まな板、フライパン(小型なら100均にある)、鍋(小型)、菜箸、お玉、計量カップ、食器(茶碗、皿、コップ)、箸、スポンジ、洗剤。すべて100均で揃えると、合計1500〜2000円程度。
バス・トイレ用品。シャンプー(小型)、ボディソープ(小型)、タオル、バスマット、トイレブラシ、トイレットペーパーホルダー。合計800〜1200円程度。
掃除用品。ほうき、ちりとり、雑巾、スプレーボトル、重曹、クエン酸。合計500〜800円程度。掃除機は当面なくてもいい。ほうきと雑巾で十分。掃除機が必要になったら、リサイクルショップで2000〜3000円の中古品を買う。
収納用品。カゴ、ケース、S字フック、突っ張り棒。合計500〜1000円程度。
100均の日用品の合計は3000〜5000円程度。新品のホームセンターで同等のものを揃えると1〜2万円かかることを考えると、5分の1以下のコストだ。
初期費用シミュレーション——最小化パターン
ここまでの方法を組み合わせた場合の初期費用をシミュレーションする。
家電。冷蔵庫(ジモティーで無料)0円、洗濯機(リサイクルショップ)10000円、電子レンジ(リサイクルショップ)3000円、炊飯器(リサイクルショップ)2000円。合計15000円。
家具。布団セット(ニトリ)5000円、カーテン(100均の突っ張り棒+布)500円、カラーボックス(ホームセンター)1500円。合計7000円。
日用品。100均で一括購入。合計4000円。
照明器具。LEDシーリングライト(リサイクルショップ)1500円。
初期費用合計。15000円+7000円+4000円+1500円=27500円。
新品で全部揃えた場合の15〜25万円と比較すると、27500円は5分の1〜9分の1。差額は12〜22万円。この差額は、知識と行動の差だ。知っている人は3万円で生活を始め、知らない人は25万円を使う。知識があれば20万円が浮く。浮いた20万円はNISAに入れるなり、緊急時の備えにするなり、自由に使える。
「最初から完璧を目指さない」という原則
新居の初期費用を抑える最大のコツは、「最初から完璧を目指さない」ことだ。
新居に引っ越すと、「あれも必要、これも必要」と買い物リストが膨らむ。テレビ台、ラグ、ゴミ箱、ドライヤー、アイロン、ミラー、時計。これらは「あれば便利」だが「なくても死なない」ものだ。
最初は「なくても死なない」ものは買わない。最低限——寝る場所(布団)、食べる道具(鍋と箸と皿)、洗う道具(洗濯機とスポンジ)——だけ揃えて生活を始める。1週間、2週間と住んでみて、「これがないと不便だ」と実感したものだけを、順次購入する。
この「実感駆動型の購入」をすれば、不要なものを買わずに済む。買わなければ出費は増えない。結果として、初期費用が最小限に抑えられる。
「とりあえず住んでみる」。この姿勢が、初期費用を半額以下にする最も重要な心構えだ。

