株式の流動性
株式には、よく売買されている銘柄とあまり売買されていない銘柄があります 。
東証1部に上場されている銘柄は、秒単位で売買が成立していますが、地方や二部上場の無名銘柄だと1週間に1回程度しか売買が成立しないこともあります。
もし機関投資家が流動性の少ない無名銘柄を成り行きで売買すると、機関投資家自身の注文で値がどんどん上がってしまいますし、売却するときも機関投資家自身の注文で値がどんどん下がってしまいます。
指値で売買した場合は、株式の売買に非常に長い期間がかかってしまいます。
ですから機関投資家は無名銘柄がどんなに素晴らしくても投資することが非常に難しいのです。
ですから、流動性の乏しい市場にはまだ価値が広く知られていない株式がある可能性が高いのです。
ただし、流動性の乏しい市場では、売り板と買い板の差が非常に大きいことがあります。
例えば、100円で売りたい人がいるとして、90円でならば買うという人がいるのが現状です。
このように大きな差額が生じるのも流動性の乏し い市場の特徴です。
つまり、買いにくく売りにくい市場なのです。
このような 難点があるとしても無名銘柄には投資する価値がある銘柄が存在するので調べてみる価値があるでしょう。
株価の安値圏・高値圏での特徴
株価の安値圏での特徴としては、誰も株式に対して興味を持たないということです。
雑誌では日経平均が3000円割れをするなどのほとんどありえないような特集が組まれたりします。
株価の安値圏で投資しようとする人は、危険極まりない行為をしようとしていると忠告されるかもしれません。
皆が株式を購入することに恐怖感を抱いていることがこの時期の特徴です。
その結果、株式は異常なまでの安値を付けることがあります。
株価の高値圏での特徴としては、皆が株式に対して興味を持つということです。
日経平均が10万円にまで到達するような見通しの記事が雑誌に掲載されることもあります。
皆がこの繁栄は永遠に続くような感覚を持ち、株式の話題はパーティで人気を博します。その結果、株式はどのような投資指標を持ってしても正当化できないような高値まで上り詰めます。
当然ですが、株式の売買を行う上で重要なことは、安い所を買って高い所で売ることです。
安値圏・高値圏では人の逆を行くような行動が必要とされることがあるので、他人の意見に左右されやすく自分自身の相場感が持てない人は株式投資を止めたほうが良いでしょう。
ビジネスの寿命
ビジネスには寿命というものがあります。
例えば、IT関連やハイテク関連ビジネスはあっという間に陳腐化してしまい寿命は短いですが、食品関連は人間が食べる以上は続くビジネスです。
寿命が短いビジネスしかない企業の場合、次の新しいビジネスを常に探し続けなければなりません。
当然、研究開発費用など事業立ち上げに莫大な費用が必要です。
しかも、新しいビジネスは常には成功すると限りませんので、新ビジネスの開拓に失敗したら企業が破綻することにもつながりかねません。
現在は有力企業でも、変化が起きれば今後も有力企業であり続ける保証はありません。一方、陳腐化しにくいビジネスの場合、そのビジネスでの競争力や収益力を伸ばすことに資源を用いることができます。 また、ビジネスに変化が起きにくいので、一度構築した競争上の優位を崩すことは難しくなります。
大口取引先
取引先のなかに大口のものがあるときは注意が必要です。
例えば、売上の5割を特定の企業との取引に依存していた場合、その企業との取引が終了したら、売上が一気に5割落込んでしまうことになるからです。
また、そうした弱みがあることから価格交渉でも強気にでることができないため、収益性が低くなる可能性があります。
こうした事例は、大企業が大株主の子会社に特によく見られます。
いわゆる親子上場という状態です。
業種としては大手電機メーカーや大手自動車メーカーの子会社に取引先の一極集中が多いようです。ですから、ある程度分散された売上構成になっている企業に投資したほうが安全でしょう。
カタリスト
カタリストとは、株価が変動する要因となるような触媒のことをいいます。
材料ともいいます。
画期的な新製品の発売、規制の変化、TOBなどがあります。
カタリストが発生すると、株価は大きく変動する場合があります。
カタリストが発生しやすい銘柄というものは、存在します。
例えば、新技術の開発に熱心な企業は画期的な新製品を発売する可能性は高いでしょうし、株式の本質価値に比べて株価が非常に低い位置にとどまっている銘柄はTOBをかけられる可能性が高いでしょう。
しかし、いつそれらのカタリストが発生するかはわかりません。
あまり、カタリストに関しては当てにしないほうがよさそうです。