はじめに——「新品」で買う必要があるものは意外と少ない
日常で使うもの。服、靴、本、家電、食器、カバン、時計、工具。これらを「すべて新品」で買っている人は、確実に損をしている。中古品でも十分に使えるものが大半だからだ。新品5000円の本が、メルカリで500円で売られている。新品3万円のジャケットが、セカンドストリートで3000円で売られている。新品と中古の機能は同じ。見た目もほぼ同じ。違うのは「前の持ち主がいたかどうか」だけだ。
「中古品は抵抗がある」という人もいる。だが手取り16万円の生活では、「抵抗」に数千円〜数万円のプレミアムを払う余裕はない。抵抗を乗り越えれば、年間数万円の節約になる。乗り越えなければ、年間数万円を「新品プレミアム」として失い続ける。
このガイドでは、フリマアプリ(メルカリ)と中古品ショップの「賢い使い方」を解説する。「買う」側と「売る」側、両方の活用法を示す。月5000円の「得」を目指す。
「買う」側の活用——新品より8割安く手に入れる
中古品で買うべきもの。本(新品の50〜80%オフ。1冊1500円の本がメルカリで300〜500円)。服(ユニクロの中古品がメルカリで300〜1000円。セカンドストリートで100〜500円)。家電の小物(電気ケトル、アイロン、扇風機。新品の半額〜3分の1)。家具(棚、デスク、椅子。新品の3分の1〜5分の1。ジモティーなら無料のこともある)。ゲームソフト(新品6000円→中古2000〜3000円。ブックオフやメルカリ)。
中古品で買わないほうがいいもの。下着・靴下(衛生上の理由)。マットレス・枕(衛生上の理由+へたり具合がわからない)。化粧品・食品(使用期限・衛生面のリスク)。バッテリー内蔵の家電(バッテリーの劣化がわからない。スマートフォン、ノートパソコンは要注意)。安全に関わるもの(ヘルメット、チャイルドシート。前の使用状況がわからないとリスクがある)。
メルカリで「安く買う」5つのコツ
コツ1は「検索の精度を上げる」。「Tシャツ 黒 L メンズ」のように、サイズ・色・性別を具体的に入力して検索する。検索結果を「価格の安い順」にソートすれば、最安の出品がすぐに見つかる。
コツ2は「値下げ交渉する」。メルカリでは値下げ交渉(オファー)が一般的。出品価格の10〜20%オフを目安に交渉する。「1000円のものを800円にしてもらえませんか」程度の交渉は、出品者も「売れないよりまし」と考えて応じてくれることが多い。ただし過度な値下げ(半額以下を要求する等)はマナー違反。
コツ3は「出品されたばかりの商品を狙う」。出品されてから時間が経った商品は、出品者が「早く売りたい」と思っている。だが出品直後の商品は、まだ値下げに応じにくい。「出品から1〜2週間経った商品」が値下げ交渉に応じやすいタイミング。
コツ4は「まとめ買いで送料を節約する」。同じ出品者から複数の商品を買う場合、「まとめて購入するので送料分を値引きしてもらえませんか」と交渉する。出品者にとっても、まとめて発送すれば送料が1回分で済むのでメリットがある。
コツ5は「季節外れのものを買う」。冬にTシャツを買う。夏にコートを買う。季節外れの商品は需要が少ないため、価格が下がる。来シーズンまで保管しておけば、安く手に入れた商品をジャストタイミングで使える。
「売る」側の活用——不用品を現金化する
一人暮らしの部屋には「使っていないが捨てるのはもったいない」ものが眠っている。読み終わった本。着なくなった服。使わなくなった家電。これらをメルカリで売れば、現金に変わる。
売れやすいもの。本(特にビジネス書、自己啓発書、資格のテキスト)。ブランド品(ユニクロ以上のブランドなら値がつく)。家電(動作する状態であれば)。ゲームソフト・DVD。化粧品(未使用・未開封のもの)。
売りにくいもの。ノーブランドの服(値がつきにくい。出品しても売れない)。破損した家電。大型家具(送料が高くなるため利益が出にくい。ジモティーで無料出品するほうが処分しやすい)。
メルカリで「高く売る」5つのコツ
コツ1は「写真を明るく撮る」。暗い写真は印象が悪い。自然光の下で撮影する。窓際に商品を置き、スマートフォンで撮る。背景は白い壁か白い紙。商品が映えるシンプルな背景。写真は4〜10枚。全体、アップ、タグ(ブランド表記)、傷や汚れがある場合はその部分も撮る。
コツ2は「商品説明を丁寧に書く」。ブランド名、サイズ、色、素材、使用頻度、傷や汚れの有無。情報が多いほど、買い手は安心して購入できる。「ユニクロのTシャツ、Lサイズ、黒、コットン100%、3回着用、目立つ汚れなし」。この程度の情報で十分。
コツ3は「相場を確認してから値段をつける」。同じ商品がメルカリでいくらで売れているか(「売り切れ」の商品の価格を参考にする)。相場より高すぎれば売れない。安すぎれば損する。相場の5〜10%安い価格をつけると、早く売れる。
コツ4は「出品のタイミングを選ぶ」。メルカリのユーザーが最もアクティブな時間帯は「夜20〜23時」と「日曜日」。この時間帯に出品すれば、より多くの人の目に触れる。平日の昼間に出品しても、タイムラインに埋もれてしまう。
コツ5は「発送を早くする」。購入されたら、翌日〜2日以内に発送する。発送が早い出品者は「良い出品者」として評価が上がり、次の出品でも売れやすくなる。発送はコンビニから。メルカリ便(匿名配送)を使えば、住所を知られずに発送できる。
月5000円「得する」シミュレーション
「買う」側で月2000〜3000円の節約。本2冊を新品ではなく中古で買う(差額1000〜2000円)。服1枚を新品ではなく中古で買う(差額1000〜2000円。毎月買うわけではないが、2〜3ヶ月に1回の購入を月あたりに均すと月500〜1000円)。合計月2000〜3000円。
「売る」側で月2000〜3000円の収入。読み終わった本を月2〜3冊売る(1冊300〜500円=月600〜1500円)。着なくなった服を月1〜2枚売る(1枚500〜1000円=月500〜2000円)。合計月1100〜3500円。
買いと売りの合計。月3100〜6500円。目標の月5000円は達成圏内。年間37200〜78000円。NISAに月5000円追加で積立すれば、20年×年利5%で約206万円。メルカリの活用だけで、20年後に206万円の資産が生まれる可能性。
「中古品ショップ」も併用する
メルカリだけでなく、実店舗の中古品ショップも活用する。
ブックオフ。本の中古専門店。文庫本110円〜。単行本220円〜。ビジネス書が110〜330円で手に入ることもある。「110円コーナー」は宝の山。図書館に行けない場合の代替として最適。
セカンドストリート。衣料品・ファッション小物の中古チェーン。ユニクロの中古品が100〜500円で手に入る。ジーンズ500〜1000円。コート1000〜3000円。新品の3分の1〜5分の1。
ハードオフ。家電・楽器・ゲームの中古チェーン。「ジャンク品コーナー」には100〜500円の掘り出し物がある。動作未確認品もあるので、購入は自己責任。家電は「動作確認済み」のものを選ぶ。
ジモティー。地元の不用品掲示板。家具、家電、自転車。「0円(取りに来てくれる方)」の出品が多い。大型家具(棚、テーブル、椅子)を無料で手に入れられることがある。引っ越しのときに活用すれば、家具代が大幅に節約できる。
「中古品への抵抗」を乗り越える方法
「他人が使ったものは嫌だ」。この感覚は理解できる。だが冷静に考えてほしい。図書館の本は「何百人もの他人が触った本」だ。ホテルのベッドは「何千人もの他人が寝たベッド」だ。電車の吊り革は「何万人もの他人が握った吊り革」だ。日常的に「他人が使ったもの」に触れているのに、中古品だけ「嫌だ」と感じるのは、一貫性がない。
抵抗を乗り越えるコツ。まず「本」から始める。本は他人の手垢がついていても、内容は新品と同じ。中古の本を1冊買って読んでみる。読み終わったら、「新品と何が違ったか」を考える。何も違わない。内容は同じ。得られた知識は同じ。違うのは値段だけ。新品1500円と中古300円。差額の1200円が浮いた。浮いた1200円でもう1冊中古の本が4冊買える。本を1冊読んで「中古でも問題ない」と実感すれば、服や家電にも手を広げやすくなる。
まとめ——「新品へのこだわり」を捨てれば月5000円浮く
新品へのこだわりは「プレミアム料金」だ。同じ機能、同じ品質の商品に「新品である」というだけで割増を払っている。手取り16万円の生活で、プレミアム料金を払う余裕はない。プレミアムを捨てれば、月5000円が浮く。浮いた5000円はNISAに入れる。20年後に206万円。
「新品を買ったほうがいいもの」と「中古で十分なもの」を区別する。下着・靴下・タオルは新品。本・服・家電は中古。この区別ができれば、「必要なものに必要な分だけ」お金を使う生活が実現する。無駄がなくなれば、生活が軽くなる。軽くなれば、お金が貯まる。
今日、メルカリのアプリをインストールしてみてほしい。「ユニクロ Tシャツ L」と検索する。300円の出品を見つける。「新品と何が違うんだろう」と考える。答えは「値段だけ」。その「値段だけ」の差が、20年後の206万円になる。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

