氷河期世代の「値上げラッシュ」サバイバル——物価上昇に負けない買い方の全技術

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はじめに——「同じものを買っているのに、出費が増えている」

スーパーの買い物。同じものを同じ量だけ買っているのに、レジの合計金額が去年より高い。卵が1パック200円→300円。食パンが130円→180円。バターが400円→500円。カップ麺が120円→160円。「何も贅沢していないのに、食費が上がっている」。これが「値上げラッシュ」の現実だ。

2022年以降、食品・日用品・光熱費の値上げが相次いでいる。手取り16万円は変わらないのに、物価だけが上がる。実質的な手取りが「目減り」している。16万円で買えるものが、1年前より少なくなっている。

「値上げは止められない」。個人の力で物価を下げることはできない。だが「値上げの影響を最小化する」ことはできる。買うものを変える。買い方を変える。買う場所を変える。この3つの「変える」で、値上げラッシュの中でも「生活の質を下げずにコストを抑える」ことが可能だ。

戦略1:「値上がりした商品」から「値上がりしていない代替品」に切り替える

すべての商品が同時に同じ率で値上がりするわけではない。「値上がりした商品」と「まだ値上がりしていない(または値上がり幅が小さい)商品」がある。値上がりした商品を避け、代替品に切り替える。

切り替え例1。卵(1パック200円→300円。50%値上がり)→豆腐(50円→60円。20%値上がり)。卵の代わりに豆腐でタンパク質を摂る。冷奴、麻婆豆腐、味噌汁の具。豆腐は卵より値上がり幅が小さい。

切り替え例2。食パン(130円→180円。38%値上がり)→パスタ(150円→160円。7%値上がり)。朝食の主食をパンからパスタに切り替える。「朝からパスタ?」と思うかもしれないが、ペペロンチーノやナポリタンは朝食でも十分美味い。パスタの値上がり幅はパンより小さい。

切り替え例3。バター(400円→500円。25%値上がり)→マーガリン(180円→200円。11%値上がり)。料理の風味は若干落ちるが、コストは半分以下。健康面でトランス脂肪酸が気になる場合は、オリーブオイル(値上がり幅が比較的小さい場合がある)に切り替える。

「値上がり率」を定期的にチェックし、「値上がり率が高い商品」を「値上がり率が低い代替品」に置き換える。これだけで、値上げの影響を20〜30%軽減できる。

戦略2:「PB商品」への切り替えを加速する

NB(ナショナルブランド)商品は値上げの影響を直接受ける。メーカーが原材料費の上昇分を価格に転嫁するからだ。一方、PB(プライベートブランド)商品は「小売チェーンが価格を決める」ため、値上げのタイミングや幅がNBより緩やかなことが多い。

「値上げ前はNBを買っていたが、値上げ後はPBに切り替える」。これで値上げの影響をかなり吸収できる。NB商品が200円→260円に値上がりしても、PB商品は150円→170円程度の値上がりに留まることがある。差額は90円→70円。切り替えるだけで90円の節約が70円に減るが、PBにしなければ260円を払っていた。PBで170円。差額90円。

戦略3:「まとめ買い」のタイミングを変える

値上げは「年に数回」のタイミングで実施される。食品メーカーの値上げは4月と10月に集中する傾向がある。「値上げ前」にまとめ買いすれば、値上げ後の価格を数ヶ月間回避できる。

まとめ買いすべきもの。保存が効く食品(パスタ、缶詰、調味料、乾物)。日用品(洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー)。これらは「値上げ前に3ヶ月分まとめ買い」すれば、値上げ後の3ヶ月間は旧価格で過ごせる。

まとめ買いの情報収集。「○月 値上げ 食品」で検索すれば、来月以降の値上げ予定が見つかる。帝国データバンクや各メディアが「値上げ品目一覧」を定期的に発表している。この情報をチェックし、「自分がよく買うものが値上げされるか」を確認する。値上げ対象なら、値上げ前にまとめ買い。

戦略4:「旬の食材」を中心に献立を組む

値上げラッシュの中でも「旬の食材」は比較的安い。旬の時期は供給量が多いため、価格が下がる。春のキャベツ、夏のトマト・きゅうり・なす、秋のさつまいも・きのこ、冬の白菜・大根。旬の食材を中心に献立を組めば、値上げの影響を受けにくい。

「旬の食材カレンダー」を冷蔵庫に貼る。「今月の安い野菜」を確認し、その野菜を中心にメニューを考える。「白菜が安い→白菜の浅漬け、白菜と豚バラの重ね蒸し、白菜の味噌汁」。旬の食材は「安い」だけでなく「美味い」。安くて美味い。最高のコスパ。

戦略5:「業務スーパー」「ディスカウントストア」を活用する

通常のスーパーより価格が安い「業務スーパー」「ドン・キホーテ」「ロピア」「オーケーストア」。これらの「ディスカウント系スーパー」は、値上げラッシュの中でも「他店より安い価格」を維持していることが多い。仕入れルートや経営方針が異なるためだ。

業務スーパーの強み。大容量パック(パスタ1kg150円、冷凍野菜500g150円、鶏むね肉2kg800円)。通常のスーパーの半額以下のことも。「量が多い」のが難点だが、一人暮らしでも「冷凍保存」すれば問題ない。

「メインのスーパー+業務スーパー」の二刀流。日常の生鮮食品は近所のスーパー、保存が効く食品(パスタ、冷凍食品、缶詰、調味料)は月1回の業務スーパーで大量購入。この二刀流で、値上げの影響を30〜50%吸収できる。

戦略6:「値上げされにくい食品」を主食にする

値上げされにくい食品がある。もやし。もやしは工場で水耕栽培されるため、天候や国際相場の影響を受けにくい。30年前から30〜40円/袋。値上がりしていない数少ない食品。もやしは氷河期世代の「最後の砦」だ。

豆腐。大豆製品は値上がりしているが、豆腐は「1丁40〜60円」と依然として安い。納豆も3パック100円前後で安定している。大豆製品は「値上がりに強い」カテゴリ。

米。米は国内で自給できる食品であり、国際相場の影響を受けにくい。5kgで2000〜2500円。1食あたり約37.5円。パンより安い場合が多い。「米を主食にする」ことは、値上げラッシュ時代の最も基本的な防御策。

戦略7:「光熱費の値上げ」への対策

食品だけでなく、電気代・ガス代も値上がりしている。電気代は2022年以降、30〜50%上昇した地域もある。

対策1は「電力会社の乗り換え」。電力自由化で安いプランに切り替え。値上げ幅が小さい電力会社を選ぶ。比較サイトで確認。対策2は「節電の徹底」。LED照明、待機電力カット、エアコン温度調整。別の記事(節約新規32「電気毛布で冬を越す」)で解説した通り。対策3は「ガス代の節約」。シャワー時間短縮、火加減の調整。対策4は「政府の電気・ガス代補助の確認」。政府が電気・ガス代の補助金を出している場合がある。「電気代 補助金」で検索し、自動適用か申請が必要かを確認。

「値上げラッシュ」を乗り越えた先に何があるか

値上げラッシュは「一時的」なものか「恒常的」なものか。残念ながら、一度上がった物価は「下がりにくい」。インフレは「新しい日常」になる可能性がある。つまり「値上げ前の生活に戻る」のではなく「値上げ後の生活に適応する」必要がある。

適応の方法は、この記事で示した7つの戦略だ。代替品への切り替え、PB化、まとめ買い、旬の食材、ディスカウントストア、値上がりしにくい食品、光熱費対策。これらを「一時的な対策」ではなく「恒常的な生活スタイル」として定着させる。

値上げラッシュを乗り越えた先に何があるか。「どんな物価水準でも生きていける力」がある。この力は、一度身につけば一生使える。物価がさらに上がっても、「対応する方法」を知っている。知っていれば、恐れる必要がない。

まとめ——「値上がりしたものは買わない」が最強の対策

値上げへの最も根本的な対策は「値上がりしたものを買わない」ことだ。卵が50%値上がりしたなら、卵の代わりに豆腐を買う。パンが38%値上がりしたなら、パスタを買う。「値上がりした商品から、値上がりしていない代替品にシフトする」。この柔軟な買い方が、値上げラッシュを生き延びる最強のサバイバル術だ。

氷河期世代は「変化への適応」の達人だ。30以上の職場に適応してきた。100社の不採用に適応してきた。手取り16万円の生活に適応してきた。物価の上昇に適応するのは、これらに比べれば「小さな変化」だ。もやし炒めを食べ続ける限り、値上げラッシュには負けない。もやしだけは値上がりしない。もやしは最強。

このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

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