就職氷河期世代の清掃・警備・マンション管理系資格で60代以降も働ける完全ガイド【年金だけでは足りない老後を「働いて補う」ための資格戦略】

この記事は約6分で読めます。

就職氷河期世代の清掃・警備・マンション管理系資格で60代以降も働ける完全ガイド【年金だけでは足りない老後を「働いて補う」ための資格戦略】

はじめに——「65歳以降も働かなければならない」現実

氷河期世代の多くは、年金だけでは生活が成り立たない。月7万円の年金で、家賃、食費、光熱費、医療費を賄えるか。賄えない。FPに相談したら沈黙された話は、別のエッセイで書いた。

年金で足りない分は、働いて稼ぐしかない。65歳以降も、70歳以降も、体が動く限り働く。この前提に立ったとき、「60代70代でもできる仕事」「高齢でも採用される仕事」を知っておく必要がある。

清掃、警備、マンション管理。これら三つの分野は、高齢者の雇用率が高い。60代はもちろん、70代でも現役で働いている人がいる。体力的な負担が比較的軽く、資格を持っていれば採用されやすい。このガイドでは、この三分野の資格と就職事情を解説する。

清掃業界の資格と就職事情

ビル清掃、オフィス清掃、ホテル清掃、病院清掃。清掃の仕事は、目立たないが社会に不可欠だ。求人は常にある。年齢制限は非常に緩く、70代でも採用されるケースがある。

清掃業界で有用な資格として「ビルクリーニング技能士」がある。国家資格であり、1級・2級・3級がある。3級は実務経験不要で受験可能。学科試験と実技試験がある。合格率は3級で60〜70%。受験料は学科3000円、実技29900円(実技は高い)。この資格を持っていると、清掃会社での採用が有利になり、時給も上がる傾向がある。

もう一つの有用な資格は「清掃作業監督者」。建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)に基づく資格で、ビルの清掃業務を監督する立場に必要。講習を受けて取得する。受講費用は約3万円。この資格があれば、現場スタッフではなく監督者としてのキャリアが開ける。体力が落ちても、監督者として働き続けられる。

清掃の仕事の時給は、1000〜1300円が相場。正社員の場合は月給16〜22万円。高収入ではないが、年金と合わせれば生活が成り立つ水準だ。勤務時間は早朝(6〜9時)や夜間(18〜21時)のパートが多く、日中は自由に使える。年金を受給しながら、早朝に3時間清掃の仕事をする、というスタイルが高齢者に多い。

警備業界の資格と就職事情

警備員。施設警備、交通誘導、イベント警備、機械警備。警備業界は慢性的な人手不足であり、高齢者の採用に積極的だ。厚生労働省の統計によると、警備員の平均年齢は50代後半。60代の警備員も珍しくない。

警備の仕事を始めるには、まず「新任教育」を受ける必要がある。警備業法に基づき、警備員として働く前に30時間以上の教育を受けることが義務づけられている。この教育は警備会社が実施し、費用は会社負担のことが多い。つまり入社すれば、無料で教育を受けられる。

警備業界でキャリアアップするための資格として「警備員指導教育責任者」と「機械警備業務管理者」がある。これらは警備会社の管理職ポジションに必要な資格だ。取得するには、まず「警備業務検定」(施設警備業務検定、交通誘導警備業務検定など)に合格する必要がある。検定は1級と2級があり、2級は経験を問わず受験可能。合格率は60〜80%。

警備業務検定2級を持っていると、現場のリーダーとして時給が上がる。時給の上乗せは100〜300円程度。また、検定合格者は法律上「有資格者配置義務」の対象であり、資格保有者がいなければ現場を運営できない。つまり、資格を持っているだけで「必要とされる人材」になれる。

警備員の時給は、施設警備で1100〜1400円、交通誘導で1200〜1500円。夜勤は割増があり、1500〜2000円になることもある。正社員の場合は月給18〜25万円。年収では250〜350万円程度。年金と合わせれば、月の生活費を十分にカバーできる。

マンション管理の資格と就職事情

マンション管理員(管理人)。マンションの清掃、設備点検、居住者対応、来客対応を行う仕事。一棟のマンションに常駐し、建物の管理を担う。勤務時間は9時〜17時が一般的で、夜間の勤務は基本的にない。体力的な負担が軽く、高齢者に人気のある職種だ。

マンション管理員に必要な資格はないが、「管理業務主任者」の資格を持っていると就職で有利になる。管理業務主任者は国家資格で、マンション管理組合との契約時に「重要事項の説明」を行うことができる。合格率は20〜25%。学習時間は300〜500時間。受験料は8900円。

管理業務主任者は難関だが、「マンション管理士」ほどは難しくない(マンション管理士の合格率は8〜9%)。管理業務主任者を持っていれば、マンション管理会社への就職で明確に有利になる。管理員だけでなく、フロント業務(管理組合との折衝、修繕計画の立案など)にもキャリアの幅が広がる。

資格がなくても管理員として採用されるケースは多い。マンション管理会社は、管理員の人手不足に悩んでいる。「清掃ができる」「コミュニケーションが丁寧」「トラブル対応ができる」。これらの基本的なスキルがあれば、無資格でも採用される。

マンション管理員の時給は、1000〜1300円が相場。正社員(フルタイム)の場合は月給16〜22万円。パートタイム(週3〜4日)の場合は月8〜12万円。年金と合わせれば十分な収入になる。

マンション管理員のメリットは「安定性」と「働きやすさ」だ。マンションがなくならない限り、管理員の仕事はなくならない。勤務時間が規則的で、夜間勤務がない。体力的な負担が軽い。天候に左右されない(屋内作業が中心)。60代70代でも無理なく続けられる。

三分野の比較まとめ

清掃・警備・マンション管理の三分野を比較する。

「入りやすさ」では清掃が最も入りやすい。資格なしでも採用される。次が警備。新任教育は会社が実施するので、入社のハードルは低い。マンション管理は、管理員としてなら資格不要だが、求人数が清掃・警備より少ない。

「給与」では警備がやや高い。特に夜勤のある施設警備は時給が高い。清掃とマンション管理は同水準。

「体力的な負担」ではマンション管理が最も軽い。清掃は体を動かすが、重いものを持つことは少ない。警備は立ち仕事が多い(施設警備は立哨がある)。

「長く働ける年齢」では三分野とも70代まで可能。ただし体力の低下に伴い、清掃は60代後半以降きつくなることがある。マンション管理は70代でも続けやすい。

「キャリアアップ」では警備が最も明確。検定に合格すれば時給が上がり、管理職への道が開ける。清掃もビルクリーニング技能士を取ればステップアップできる。マンション管理は管理業務主任者を取ればフロント業務に移行できる。

今から準備しておくこと

60代以降に備えて、今からできる準備がある。

準備1は「資格を取っておく」こと。ビルクリーニング技能士3級、警備業務検定2級、管理業務主任者。これらの資格を40代50代のうちに取っておけば、60代で就職するときに即戦力として評価される。

準備2は「健康を維持すること」。60代70代で働くためには、体が動く必要がある。清掃も警備もマンション管理も、最低限の体力が求められる。今のうちから散歩や軽い運動を習慣にしておく。

準備3は「コミュニケーション能力を維持すること」。マンション管理員は居住者とのコミュニケーションが仕事の中心だ。警備員も来訪者とのやり取りがある。人と話す機会が少ない一人暮らしの氷河期世代は、意識的に「人と話す場」を作っておくことが重要だ。

準備4は「情報を集めておく」こと。清掃、警備、マンション管理の求人情報、資格の受験情報、業界の動向。これらの情報を、60代になってから慌てて集めるのではなく、今のうちからアンテナを張っておく。このガイドがその第一歩になれば幸いだ。

まとめ——「60代以降の仕事」を今から考える意味

60代以降の仕事を40代50代で考えるのは、早すぎるだろうか。早すぎない。年金の見込額が月7万円しかないことを知っている氷河期世代にとって、「65歳以降も働く」のはほぼ確定事項だ。確定事項に対して準備するのは、早すぎることはない。

清掃、警備、マンション管理。どれも華やかな仕事ではない。だが「華やかさ」と「安定性」はトレードオフの関係にあることが多い。華やかではないが、確実にある仕事。確実にあるから、安心できる。安心できるから、老後の不安が少し和らぐ。

「60代になってから考えればいい」ではなく、「今から知っておく」。知識は場所を取らない。お金もかからない。知識を持っておくだけで、将来の選択肢が一つ増える。選択肢が一つ増えることの価値を、氷河期世代は身をもって知っている。

タイトルとURLをコピーしました