就職氷河期世代の「自転車通勤」完全ガイド——交通費を0円にしながら健康も手に入れる全知識と注意点

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就職氷河期世代の「自転車通勤」完全ガイド——交通費を0円にしながら健康も手に入れる全知識と注意点

はじめに——交通費は「第二の家賃」

毎月の交通費はいくらか。定期代が月1万円なら、年間12万円。月1万5000円なら年間18万円。10年間で120万〜180万円。この金額を見ると、交通費は「第二の家賃」と呼ぶにふさわしい。家賃5万円に交通費1万円を足せば、住まいと移動だけで月6万円。手取り16万円の37.5%が、住と移動に消えている。

この交通費をゼロにできたらどうか。月1万円の節約。年間12万円。NISAの年間積立額の大半を賄える金額だ。交通費をゼロにする方法——それが自転車通勤だ。

「自転車通勤なんて現実的じゃない」と思う人もいるだろう。確かに、片道20km以上の長距離通勤なら自転車は厳しい。だが片道5〜10kmなら、自転車で20〜40分。電車通勤と大差ない(乗り換え待ちや駅までの徒歩を含めれば)。このガイドでは、自転車通勤を始めるための全知識を解説する。

自転車通勤のメリット

メリット1は「交通費がゼロになる」こと。最大のメリット。定期代が不要。ICカードのチャージも不要。自転車さえあれば、移動コストはゼロだ(厳密にはメンテナンス費用がかかるが、年間数千円程度)。

メリット2は「健康になる」こと。自転車通勤は有酸素運動だ。片道30分の自転車通勤を毎日続ければ、1日1時間の運動量。運動不足が解消され、体重が減り、体力がつく。ジムに通う費用(月5000〜1万円)も不要になる。交通費ゼロ+ジム代ゼロ=月1万5000円以上の節約。

メリット3は「時間の節約になる場合がある」こと。電車通勤で片道40分(駅まで徒歩10分+電車20分+駅から徒歩10分)かかるところが、自転車なら片道30分で済むことがある。乗り換え待ちや混雑のストレスもない。

メリット4は「精神的なリフレッシュ」。自転車で風を切って走ることは、気分転換になる。満員電車の圧迫感から解放される。朝の新鮮な空気を吸いながら通勤すると、仕事前に頭がクリアになる。

メリット5は「災害時の移動手段」。地震や台風で電車が止まったとき、自転車があれば移動できる。東日本大震災のとき、首都圏の鉄道が止まり、多くの人が帰宅困難者になった。自転車通勤者は自力で帰宅できた。

自転車通勤のデメリットと対策

デメリット1は「天候に左右される」こと。雨の日、雪の日、強風の日は自転車通勤が困難。対策として、雨の日だけ電車を使う「ハイブリッド通勤」がある。月に20日出勤のうち、15日は自転車、5日は電車。定期券は買わず、5日分のICカード代(往復500円×5日=2500円程度)だけ負担する。定期券1万円に比べれば、2500円は4分の1。

デメリット2は「汗をかく」こと。夏場は特に、到着時に汗だくになる。対策として、職場に着替えを置いておく。速乾性のインナーを着る。到着後に汗拭きシートで体を拭く。職場にシャワーがあればベストだが、なくても汗拭きシートと着替えで対応可能。

デメリット3は「事故のリスク」こと。自転車は交通事故のリスクがある。対策として、ヘルメットの着用(2023年4月から努力義務化)、交通ルールの遵守(車道の左側通行、信号遵守、夜間のライト点灯)、自転車保険への加入(月額150〜300円程度で加入できる)が必要。自転車保険は、自分のケガだけでなく、相手にケガを負わせた場合の賠償もカバーする。加入は必須と考えるべきだ。

デメリット4は「駐輪場の確保」。職場の近くに駐輪場がない場合がある。月極の駐輪場は月1000〜3000円程度。無料の駐輪場があるかどうかは事前に確認する。職場に駐輪スペースがあればベスト。

自転車の選び方——中古で十分

通勤用の自転車は、新品を買う必要はない。中古で十分だ。

リサイクルショップやネットの中古販売(ジモティー、メルカリ)で、通勤用のシティサイクル(ママチャリ)が3000〜8000円で手に入る。新品のシティサイクルは1〜3万円。中古なら3分の1以下。

通勤距離が5km以上なら、クロスバイクがおすすめ。シティサイクルより軽く、スピードが出る。中古のクロスバイクは1〜3万円程度。新品は3〜8万円。

最低限必要な装備。ライト(夜間走行時に必須。100均で110円〜)。鍵(ワイヤーロック。100均で110円〜)。ヘルメット(2000〜5000円)。空気入れ(1000〜2000円)。自転車保険(月150〜300円)。

初期費用の合計。中古自転車5000円+ライト110円+鍵110円+ヘルメット3000円+空気入れ1000円=約9220円。1万円以内で自転車通勤を始められる。定期代1万円の1ヶ月分で初期費用が回収でき、2ヶ月目からは純粋な節約になる。

通勤手当の扱い——受け取っている場合の注意点

会社から通勤手当を受け取っている場合、自転車通勤に切り替えると通勤手当がなくなる可能性がある。就業規則で「公共交通機関の定期代を支給する」と定められている場合、自転車通勤に変更すると通勤手当の対象外になることがある。

一方、自転車通勤でも通勤手当(駐輪場代、自転車保険代など)が支給される会社もある。会社の人事担当に確認してから切り替える。

通勤手当がなくなっても、定期代の実費がゼロになるなら、結果的には同じ(むしろ手当<定期代なら得する場合もある)。自分のケースで計算してから判断する。

派遣社員の場合、通勤交通費は派遣会社が実費支給するケースが多い。自転車通勤に切り替えると交通費の支給がゼロになるが、自分で交通費を負担する必要もなくなるので、損得はイーブンだ。

自転車通勤のルート選び

安全で快適な通勤ルートを選ぶことが、自転車通勤を続けるための鍵だ。

ポイント1は「交通量の少ない道を選ぶ」こと。幹線道路は車の交通量が多く危険。裏道、住宅街の道、自転車専用レーンがある道を優先的に選ぶ。Googleマップの「自転車」モードでルートを検索すると、自転車に適したルートが表示される。

ポイント2は「坂の少ないルートを選ぶ」こと。坂道が多いと体力を消耗する。平坦なルートを選べば、疲労が少なく快適に通勤できる。川沿いの道は平坦で走りやすいことが多い。

ポイント3は「途中にコンビニやトイレがあるルートを選ぶ」こと。緊急時(パンク、体調不良)に駆け込める場所があると安心。

ポイント4は「実際に走ってみる」こと。休日に一度、実際に通勤ルートを走ってみる。所要時間、坂の有無、交通量、路面の状態を確認する。走ってみて「これなら毎日続けられる」と思えたら、平日の通勤に切り替える。

自転車通勤の季節別対策

春と秋は自転車通勤のベストシーズンだ。気温が快適で、汗もかきにくい。問題は夏と冬。

夏の対策。速乾性のインナーを着る。到着後に着替える。日焼け止めを塗る。水分補給用の水筒を自転車のホルダーに入れる。出発時間を早めて、気温が上がる前に到着する。

冬の対策。防寒着(ウインドブレーカー、手袋、ネックウォーマー)を着用する。走り始めは寒いが、5分もすれば体が温まる。厚着しすぎると汗をかくので、「少し寒い」くらいの服装が適切。路面凍結時は自転車を使わず電車で通勤する。

雨の日の対策。レインコート(上下セパレートタイプ。2000〜3000円)を着用する。ポンチョタイプは風でめくれるので、セパレートタイプのほうが安全。視界が悪くなるので、速度を落として慎重に走る。雨が強い日や台風の日は、無理せず電車を使う。安全第一。

まとめ——自転車は「節約マシーン」であり「健康マシーン」

自転車通勤は、交通費ゼロ、運動不足解消、時間短縮、精神的リフレッシュの四つを同時に実現する。月1万円の定期代が0円に。年間12万円の節約。10年で120万円。この金額が、ペダルを漕ぐだけで生まれる。

初期費用は1万円以内。回収期間は1ヶ月。リターン率は年1200%。これほどリターンの大きい「投資」は、他にはない。

自転車通勤に切り替えるかどうか、一度検討してみてほしい。片道10km以内なら現実的だ。まずは休日に通勤ルートを走ってみる。走ってみて「いけそうだ」と感じたら、翌週から実践する。実践してみて「きつい」と感じたら、週3日だけ自転車にする。週3日でも、月の交通費は半分以下に。

ペダルを漕ぐたびに、お金が貯まり、体が引き締まる。自転車は「節約マシーン」であり「健康マシーン」だ。両方を同時に手に入れられる乗り物は、自転車だけだ。

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