氷河期世代の「服の買い方」完全ガイド——ユニクロとしまむらで年間1万円以下に抑える方法
はじめに——「何を着ればいいかわからない」問題
45歳独身男性の「服」問題は二つある。一つは「お金がないから服にかけられない」。もう一つは「何を着ればいいかわからない」。ファッション誌を読んでも、モデルの服は高すぎて参考にならない。街を歩く同年代の男性を見ても、自分とは違う世界の住人に見える。結果、何年も同じ服を着続け、ヨレヨレのTシャツとくたびれたジーンズが「制服」になっている。
だが「清潔感」のエッセイ(独身04)で書いた通り、服装は社会生活における最低限のマナーだ。ヨレヨレの服は「だらしない印象」を与え、職場での評価にも影響しうる。「おしゃれ」になる必要はない。「清潔で、サイズが合っている、無難な服」を着ていればいい。それだけで十分だ。
このガイドでは、年間1万円以下で「清潔で無難な服装」を維持する方法を解説する。おしゃれではないが、恥ずかしくはない。これが目標だ。
服の「必要最小限」を定義する
まず、45歳独身男性に必要な服の「最小構成」を定義する。職種は派遣社員(オフィスカジュアルまたは作業着が支給される場合を想定)。
トップス(上着)。Tシャツまたはポロシャツ5枚(平日の出勤用5日分)。休日用は兼用でOK。冬はTシャツの上に着るフリースまたはスウェット2枚。
ボトムス(ズボン)。チノパンまたはジーンズ3本。うち2本が通勤用、1本が休日・予備用。
アウター(上着)。春秋用の薄手のジャケットまたはパーカー1枚。冬用のダウンジャケットまたはコート1枚。
下着・靴下。パンツ7枚(毎日替える)。靴下7足。インナー(肌着)5枚。
靴。通勤用1足。スニーカー(休日用)1足。
この構成で、1週間分の着回しが可能。必要な枚数は合計約30点前後。多く感じるかもしれないが、一気に買い替える必要はない。ダメになったものから順次買い替える。
ユニクロとしまむらの「使い分け」
低コストで服を揃えるなら、ユニクロとしまむらが二大巨頭だ。ワークマンも加えて三大巨頭。それぞれの「得意分野」を使い分ける。
ユニクロの得意分野。インナー(エアリズム、ヒートテック)、パンツ(下着)、靴下、無地のTシャツ、フリース、ダウンジャケット。品質が安定しており、サイズ展開が豊富。セール品なら1枚500〜990円で手に入る。
しまむらの得意分野。ボトムス(チノパン、ジーンズ)、トップス(シャツ、ポロシャツ)、パジャマ。ユニクロより安い場合が多い。ボトムスは1本1500〜2000円。トップスは1枚500〜1000円。
ワークマンの得意分野。アウター(防寒着、撥水ジャケット)、作業用パンツ、靴。機能性が高く、価格が安い。防寒ジャケットが2000〜3000円で買える。耐久性も高い。「作業着ブランド」のイメージがあるが、最近はカジュアル路線の商品も多い。
年間の被服費シミュレーション
服は毎年全部買い替えるのではなく、「ダメになったものから順次」買い替える。年間で買い替えが必要になる量をシミュレーションする。
Tシャツ2枚(500円×2=1000円。ヨレてきたものを交換)。ボトムス1本(1500円。膝が出てきたら交換)。パンツ3枚(300円×3=900円。ゴムが伸びたら交換)。靴下3足(300円×3=900円。穴が空いたら交換)。インナー2枚(500円×2=1000円。首回りが伸びたら交換)。アウター(2〜3年に1回購入。年間按分で1000〜1500円)。靴(1〜2年に1回購入。年間按分で1500〜3000円)。
合計:7800〜9800円。1万円以下。月あたり650〜820円。
月650〜820円で「清潔で無難な服装」が維持できる。もやし22〜27袋分。発泡酒5〜6本分。服にかけるお金は、もやし炒めや発泡酒と同じ「生存のための出費」だ。
服を「長持ちさせる」テクニック
安い服を長持ちさせることで、年間の被服費をさらに抑えられる。
テクニック1は「洗濯ネットを使う」こと。Tシャツやインナーを洗濯ネットに入れて洗うと、摩擦による傷みが減り、寿命が延びる。100均で110円のネットが、服の寿命を2〜3倍に延ばす。
テクニック2は「干し方に気をつける」こと。Tシャツを肩の部分でハンガーにかけると、肩にハンガーの跡がつく。裾からハンガーに通すか、ピンチハンガー(洗濯バサミ付きのハンガー)で裾を挟んで逆さに干す。
テクニック3は「すぐに洗う」こと。汗や皮脂が付いたまま放置すると、黄ばみや臭いの原因になる。着た服はその日のうちに洗濯カゴに入れ、2日以内に洗う。
テクニック4は「ローテーションで着る」こと。同じ服を毎日着ると、特定の服だけ早く劣化する。5枚のTシャツを均等にローテーションすれば、1枚あたりの着用回数が減り、すべてが均等に長持ちする。
「清潔感」のための服装ルール
おしゃれのルールは複雑だが、「清潔感」のルールはシンプル。5つだけ。
ルール1は「サイズを合わせる」。大きすぎる服はだらしなく見える。小さすぎる服は窮屈に見える。試着して、「ちょうどいい」サイズを選ぶ。ユニクロは試着室があるので、必ず試着する。
ルール2は「色は3色以内」。全身の色を3色以内に収める。最も簡単な組み合わせは「白×黒×グレー」または「紺×白×グレー」。これらの「無彩色+紺」の組み合わせは、どんな体型でも失敗しにくい。
ルール3は「シワのない服を着る」。シワシワの服は「だらしない」印象の最大の原因。ノーアイロンの素材を選ぶか、洗濯後にハンガーに吊るしてシワを伸ばす。
ルール4は「毛玉・黄ばみ・色褪せは買い替えのサイン」。毛玉が目立つフリース、首回りが黄ばんだTシャツ、色が褪せたジーンズ。これらは「寿命」を迎えている。寿命を迎えた服を着続けると、清潔感が損なわれる。寿命が来たら躊躇なく買い替える。
ルール5は「靴を清潔に保つ」。服がどんなに清潔でも、靴が汚れていると台無し。通勤用の靴は週に1回は濡れタオルで拭く。スニーカーは月に1回洗う。靴底がすり減ったら買い替える。
「セール」と「値引き品」の活用
ユニクロは年に数回、大型セールを行う。感謝祭(11月)、創業祭(6月)。これらのセール期間中は、定番商品が30〜50%オフになる。まとめ買いのチャンス。年に2回のセールで、半年分の服を買い替える。
しまむらは常時値引き品がある。ワゴンセール、処分品。定価でも安いが、値引き品ならさらに安い。「ぶらぶら見て、安いものがあれば買う」スタイル。
古着屋(セカンドストリート、ブックオフの衣料品コーナー等)も選択肢。ユニクロの中古品が100〜300円で手に入ることがある。状態の良い中古品なら、新品と遜色ない。「他人が着たものは嫌だ」という抵抗感がなければ、古着は最強のコスパだ。
「服に興味がない」でいい
45歳独身男性が「服に興味がない」のは、恥ずかしいことではない。服は「自分を表現する手段」であると同時に「社会生活を送るための道具」でもある。道具として機能していれば十分。清潔で、サイズが合っていて、穴が空いていない。これだけで「道具」としては合格だ。
おしゃれに興味があれば楽しめばいい。興味がなければ「制服化」すればいい。毎日同じパターンの服を着る。考える時間がゼロ。朝の支度が3分短縮される。3分の短縮は年間18時間。18時間は散歩90回分。服に悩む時間を散歩に充てるほうが、人生の質は上がる。
まとめ——年間1万円で「恥ずかしくない服装」は維持できる
年間1万円以下。月650〜820円。この金額で、「清潔で無難な服装」は維持できる。ユニクロのセールでTシャツを買い、しまむらでチノパンを買い、ワークマンで防寒着を買う。洗濯ネットで長持ちさせ、サイズの合った服を着る。おしゃれではないが、恥ずかしくない。恥ずかしくなければ、社会生活は問題なく送れる。
服は「生きるための道具」であり、「自己表現のキャンバス」である必要はない。道具として最低限の機能を果たしていればいい。最低限の機能は、月650円で手に入る。650円は発泡酒5本分。発泡酒5本を飲む自分を包む服が、清潔であること。それで十分だ。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

