PSR(Price Sales Ratio)
PSR=時価総額÷売上高
PSRとは、Price Sales Ratioの略です。PERの代用の指標として用いられます。
ただし、PSRは利益の出ていない企業に対して用いられることが多いのです。
利益がない企業はあっても。売上高のない企業はありえないからです。
特に。ITバブルの時代のような、企業とは名ばかりの銘柄を評価する際に用いられました。
IT企業が成長し、今後利益が出ることを前提とした指標だったのです。
はっきりいって、あまり役に立つ指標とは言えないようです。
よく言われますが、新しい指標が出てきたときには気をつけたほうが良いということです。
余りにも高騰した株価を正当化するために用いられることが多いからです。
利益の出ていない企業は投資に値しません。
ですから、銘柄分析で”PSRで見て割安”といった表記があれば疑ってかかるべきでしょう。
一時的な落ち込みで売上高が減少して売上高の回復が予想されるような場合や、鉄鋼業など景気敏感株に投資する場合には役に立つ可能性はあります。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
PCFR=株価÷一株あたり営業キャッシュフロー
PCFRは、株価キャッシュフロー倍率のことで、PERでは株価を一株あたり利益で割るところを一株あたりキャッシュフローで割ります。
企業の財務諸表は、多少は資産や利益の操作がされています。
操作といっても、企業の裁量である程度恣意的な部分が入ってしまうという意味です。
その点、営業キャッシュフローは、本業で1年間に稼いだキャッシュの額を表し、会計操作の影響を受けにくいという特徴があります。
しかし、営業キャッシュフローが企業活動により大きく変動する場合があります。
この場合は、営業キャッシュフローのどの項目が営業キャッシュフローをを大きく変化させたのか調べる必要があります。
PER(株価収益率)
PER=株価÷一株あたり利益
PERは、株式投資で用いられる指標の中では、ポピュラーなものです。例えば、1000円の株の1株あたり利益が50円だとするとPERは20倍になります。
PERが意味するところは、現状の利益が続いた場合、何年間で元がとれるかということです。
PERを使う上で注意しなければならない点もあります。
第一に、特別利益や特別損失のせいで本業とは無関係に一株当たり利益が変動し、その結果PERも変動してしまうという点です。
第二に、PERだけでは将来における一株当たり利益に変動が反映されないという点です。
一株当たり利益の増加が将来想定されるならば、PERは多少高くても正当化されます。利益成長力の大きな成長株のPERは多少高くても、将来性を考慮すれば割安となることもあります。
PEGレシオ
PEGレシオ=PER÷一株あたり利益の成長率
低PERの銘柄のリターンが高PERのリターンに比べて高いのは、様々な研究結果から明らかになっていますが、ただPERが低いだけでは成長性を考慮しているとは言えません。
PEGレシオの考え方から言えば、成長率が5パーセントのA株がPER5倍だとして、成長率20%でPER10倍のB株の方が成長性を考慮すれば割安だといえます。
PEGレシオはおおむね1~2の間にあり、2以上だと割高、1以下だと割安だといわれています。
PEGレシオの計算式
A株 PER5倍÷1株あたり利益成長率5%=1
B株 PER10倍÷1株あたり利益成長率20%=0.5
ですから、PEGレシオの観点から見ると、B株のほうが割安だということになります。
ただし、一株あたり利益成長率をどのくらいと見積もるかにより、PEGレシオは大きく異なってきます。
将来予想の1株当たり利益成長率を用いる場合、予想するアナリストの影響を大きく受けてしまいます。
一方、過去の一株あたり利益成長率から今後の成長率を予想する場合、今後も過去の成長率を維持できるのかという問題が生じます。