桐谷広人さんの投資銘柄を徹底解説 ― 1000銘柄超を保有する「優待名人」の銘柄選びとポートフォリオのすべて

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本稿は、個人投資家・元プロ棋士の桐谷広人さん(1949年10月15日生まれ、2026年5月時点で76歳)が保有・推奨してきた投資銘柄について、可能な限り一次情報をもとに整理・分析した記事です。桐谷さんが保有する銘柄数は時期によって変動しますが、近年の各種報道では概ね900〜1800銘柄程度とされ、2025年時点の資産は約7億円とされています。記事中の株価・配当・優待内容は各取材時点の数値であり、最新の状況とは異なる場合があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。桐谷さんが各種メディアで語った一次情報を丁寧に読み解いて執筆しています。


  1. はじめに ― 「銘柄」という切り口で桐谷投資哲学を読み解く意味
  2. 第1章 桐谷流・銘柄選びの基本原則
    1. 1-1 黄金ルール「配当+優待利回り4%以上」
    2. 1-2 「自分にとって価値のある優待か」のチェック
    3. 1-3 連続増配株・累進配当株への注目
    4. 1-4 長期保有優遇制度の活用
    5. 1-5 「優待新設」発表後すぐは飛びつかない
    6. 1-6 暴落時こそ買いのチャンス
    7. 1-7 業種・規模の分散
    8. 1-8 持続性の判断
    9. 1-9 流動性とPER・PBRのチェック
  3. 第2章 2026年・桐谷さんが厳選した注目10銘柄
    1. 2-1 バイタルケーエスケー・ホールディングス(3151)
    2. 2-2 ユニプレス(5949)
    3. 2-3 クロスプラス(3320)
    4. 2-4 ミヨシ油脂(4404)
    5. 2-5 ヒマラヤ(7514)
    6. 2-6 平和(6412)
    7. 2-7 サックスバー・ホールディングス(9990)
    8. 2-8 property technologies(5527)
    9. 2-9 東京ソワール(8040)
    10. 2-10 ダイトーケミックス(4366)
    11. 2-11 桐谷さんの2026年銘柄選択の傾向
  4. 第3章 飲食系の桐谷ベスト銘柄
    1. 3-1 クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)
    2. 3-2 すかいらーくホールディングス(3197)
    3. 3-3 大戸屋ホールディングス(2705)
    4. 3-4 焼肉坂井ホールディングス(2694)
    5. 3-5 大庄(9979)
    6. 3-6 チムニー(3178)
    7. 3-7 コロワイド(7616)
    8. 3-8 コメダホールディングス(3543)
    9. 3-9 エー・ピーホールディングス(3175)
    10. 3-10 ガーデン(2179)
    11. 3-11 あじかん(2907)
    12. 3-12 ジャパンフードシステム(旧ハスキーフーズ系)など中小食品系
    13. 3-13 飲食系優待の活用テクニック
  5. 第4章 金券系銘柄 ― QUOカードや図書カードがもらえる王道銘柄
    1. 4-1 日産東京販売ホールディングス(8291)
    2. 4-2 ダイコク電機(6430)
    3. 4-3 京葉銀行(8544)
    4. 4-4 王子ホールディングス(3861)
    5. 4-5 AVANTIA(8904)
    6. 4-6 ムゲンエステート(3299)
    7. 4-7 ファーマライズホールディングス(2796)
    8. 4-8 フロイント産業(6312)
    9. 4-9 ビーアールホールディングス(1726)
    10. 4-10 ファースト住建(8917)
    11. 4-11 ナ・デックス(7435)
    12. 4-12 INPEX(1605)
    13. 4-13 東海カーボン(5301)
    14. 4-14 エクセディ(7278)
    15. 4-15 山喜(3598)
    16. 4-16 タカキュー(8166)
  6. 第5章 小売り・買物券系銘柄 ― 日用品から家電まで使える優待
    1. 5-1 ビックカメラ(3048)
    2. 5-2 エディオン(2730)
    3. 5-3 イオン(8267)
    4. 5-4 イオンモール(8905)
    5. 5-5 アルペン(3028)
    6. 5-6 マックハウス(7603)
    7. 5-7 ハピネス・アンド・ディ(3174)
    8. 5-8 キャンドゥ(2698)
    9. 5-9 バロックジャパンリミテッド(3548)
    10. 5-10 タカキュー(8166)
    11. 5-11 サックスバー・ホールディングス(9990)
    12. 5-12 西松屋チェーン(7545)
    13. 5-13 トリドールホールディングス(3397)
    14. 5-14 アスクル(2678)
  7. 第6章 食品・飲料・健康関連銘柄 ― 生活必需品の優待コレクション
    1. 6-1 雪国まいたけ(1375)
    2. 6-2 東邦銀行(8346)
    3. 6-3 AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)
    4. 6-4 サッポロホールディングス(2501)
    5. 6-5 アビスト(6087)
    6. 6-6 ドウシシャ(7483)
    7. 6-7 鳥越製粉(2009)
    8. 6-8 ミニストップ(9946)
    9. 6-9 篠崎屋(旧2926)
    10. 6-10 イオン(8267) / DM三井製糖ホールディングス(2109)
    11. 6-11 一正蒲鉾(2904)
    12. 6-12 ケンコーマヨネーズ(2915)
    13. 6-13 石井食品(2894)
    14. 6-14 マルイチ産商(8228)
  8. 第7章 旅行・レジャー・健康関連銘柄 ― 人生を楽しむための優待
    1. 7-1 日本航空(9201)
    2. 7-2 ANAホールディングス(9202)
    3. 7-3 飯田グループホールディングス(3291)
    4. 7-4 ルネサンス(2378)
    5. 7-5 ヒマラヤ(7514)
    6. 7-6 平和(6412)
    7. 7-7 第一交通産業(9035)
    8. 7-8 NTT(9432)
    9. 7-9 ソフトバンク(9434)
    10. 7-10 三菱商事(8058) ― 「隠れ優待」
  9. 第8章 連続増配・累進配当銘柄 ― 配当が育つ楽しみ
    1. 8-1 王子ホールディングス(3861)
    2. 8-2 飯田グループホールディングス(3291)
    3. 8-3 INPEX(1605)
    4. 8-4 日本曹達(4041)
    5. 8-5 三菱HCキャピタル(8593)
    6. 8-6 花王(4452)
    7. 8-7 サンドラッグ(9989)
    8. 8-8 イエローハット(9882)
    9. 8-9 スクロール(8005)
  10. 第9章 桐谷さんの「儲けた株」 ― 値上がりTOP5&代表的成功銘柄
    1. 9-1 テクノ菱和(1965)― 10年で約9倍
    2. 9-2 タマホーム(1419)― 約9倍の高値をつけた時期も
    3. 9-3 ソフト99コーポレーション(4464)― 2025年TOBで約4倍
    4. 9-4 マツモト(7901)
    5. 9-5 コメダホールディングス(3543)
    6. 9-6 ジャパンフード、一正蒲鉾、ケンコーマヨネーズ、石井食品(過去著書から)
    7. 9-7 ピーチジョン(旧7770、上場廃止)
  11. 第10章 桐谷さんの「損した株」と教訓
    1. 10-1 テクノロジーズ(5248)
    2. 10-2 学情(2301)
    3. 10-3 篠崎屋 ― 優待廃止のリスクの典型
    4. 10-4 リーマンショック時の信用取引
    5. 10-5 損した株から学べる教訓
  12. 第11章 IPO株への桐谷流アプローチ
    1. 11-1 桐谷さんのIPO投資基準
    2. 11-2 公募価格から半減した銘柄を拾うチャレンジ
    3. 11-3 コメダHD ― IPO即優待発表で買った成功例
  13. 第12章 2025年4月「関税ショック」で買った53銘柄
    1. 12-1 暴落の状況
    2. 12-2 桐谷さんの行動 ― 8営業日で53銘柄を購入
    3. 12-3 結果 ― 53銘柄中44銘柄が含み益に
    4. 12-4 桐谷流暴落投資の5つの心構え
  14. 第13章 桐谷さんが家族・友人と楽しむ優待
    1. 13-1 妹たちとの恒例食事会
    2. 13-2 妹たちと共有するヒマラヤ優待
    3. 13-3 友人との外食
    4. 13-4 X(旧Twitter)でファンとの交流
    5. 13-5 講演活動
  15. 第14章 銘柄選びの実践的アドバイス
    1. 14-1 初心者は「自分が使える優待」から
    2. 14-2 まず100株から始める
    3. 14-3 業種・地域・権利確定月を分散
    4. 14-4 桐谷さんの12ヶ月優待カレンダー(推奨銘柄例)
    5. 14-5 SBI証券の「企業スコア」を活用
    6. 14-6 「優待+配当」を一覧化して管理
    7. 14-7 暴落時に買えるよう「待機資金」を確保
    8. 14-8 NISA活用 ― 配当の高い優待株をNISA枠で
  16. 第15章 桐谷さんの保有銘柄を真似する際の注意点
    1. 15-1 株価・配当・優待は変化する
    2. 15-2 優待廃止リスクを必ず想定
    3. 15-3 桐谷さんと自分のライフスタイルの違い
    4. 15-4 「桐谷さんが買った」だけで買わない
    5. 15-5 分散の重要性
    6. 15-6 投資は自己責任
  17. 結びに ― 桐谷ポートフォリオから学べること
  18. 参考資料・主な一次情報源
    1. 桐谷広人さん本人の発言・著書
    2. インタビュー・連載記事(日本経済新聞)
    3. インタビュー・連載記事(ダイヤモンド・ザイ/ダイヤモンド・オンライン)
    4. 楽天証券「トウシル」連載
    5. All About/東証マネ部!/日興フロッギー等
    6. SBI証券/野村IR等
    7. テレビ番組・YouTube動画
    8. オリコンニュース等
    9. 経歴・人物背景
  19. 免責事項

はじめに ― 「銘柄」という切り口で桐谷投資哲学を読み解く意味

桐谷広人さんという個人投資家を一言で表現するなら、「日本一の優待コレクター」でしょう。その保有銘柄数は時期によって変動しますが、近年は1000銘柄前後、多い時期では1800銘柄にも達するとされています。日本の上場企業数は約4000社ほどですから、桐谷さんは日本のすべての上場企業の4分の1から半分近くを保有していることになります。これは個人投資家として、間違いなく「日本一」と呼んでいい規模感です。

しかし、ここで興味深いのは、桐谷さんの銘柄選びが決して「手当たり次第」ではないということです。むしろ極めて緻密で、明確なルールに基づいた選別が行われています。1000銘柄あっても、そのすべてに「配当+優待利回り4%以上」「割安水準」「業績の安定性」といった条件が貫かれているのです。

本稿では、桐谷さんの投資銘柄について、可能な限り具体的に踏み込んで解説します。「桐谷さんがどんな銘柄を選んでいるのか」「どんな業種を好むのか」「どの銘柄で儲け、どの銘柄で損したのか」「2026年の最新推奨銘柄は何か」「過去10年で値上がりした桐谷さんの代表的な保有銘柄は何か」 ― これらを、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、楽天証券「トウシル」、SBI証券、日本経済新聞、All About、東証マネ部、桐谷さんご本人のX(旧Twitter)公式アカウントなど、複数の一次情報源から収集した情報を整理して、お伝えしていきます。

まず本稿の構成をお示しします。

第1章では、桐谷さんの銘柄選びの基本原則を整理します。配当+優待利回り4%以上の黄金ルールから、長期保有優遇、連続増配株重視まで、銘柄を選ぶ際の判断基準を詳しく見ていきます。

第2章では、桐谷さんが2026年に厳選した注目10銘柄を、楽天証券「トウシル」のYouTube動画情報をもとに、それぞれ詳しく解説します。バイタルケーエスケーHLDG、ユニプレス、クロスプラス、ミヨシ油脂、ヒマラヤ、平和、サックスバーHLDG、property technologies、東京ソワール、ダイトーケミックスの10銘柄です。

第3章から第8章では、ジャンル別(飲食系、金券系、小売り・買物券系、食品・飲料、旅行・レジャー、連続増配株など)に、桐谷さんが実際に保有・推奨している代表的な銘柄を整理していきます。クリエイト・レストランツHDから、ビックカメラ、エディオン、コメダHD、イオン、JALまで、合計100銘柄以上に触れていきます。

第9章では、桐谷さんが過去10年で大きく値上がりさせた「儲けた株TOP5」を見ていきます。テクノ菱和は600円→5800円と10年で約9倍、タマホームは2015年の533円から約9倍の高値をつけた時期がありました。

第10章では、逆に「損した株」も正直に取り上げます。投資の世界で勝ち続けるためには、損した経験こそ重要だからです。

第11章ではIPO株への桐谷流アプローチ、第12章では2025年4月の「トランプ・ショック」(関税ショック)時に桐谷さんが買った53銘柄の話、第13章では桐谷さんが家族や友人と楽しむ優待ライフ、第14章では銘柄選びの実践的アドバイス、第15章では桐谷さんの保有銘柄を真似する際の注意点を整理します。

それでは早速、桐谷哲学の銘柄選びの基本原則から見ていきましょう。


第1章 桐谷流・銘柄選びの基本原則

1-1 黄金ルール「配当+優待利回り4%以上」

桐谷さんの銘柄選びの根本ルールは、書籍『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門 改訂版』(ダイヤモンド社、2023年)でも繰り返し強調されているように、「配当と株主優待を合わせた総合利回りが4%以上」というものです。

たとえば、ある会社の株価が400円で、年間配当が1株10円、優待が100株で1000円相当の食事券だとしましょう。優待を1株あたりに換算すると10円ですから、配当10円+優待10円=20円が1年間で得られる金額です。これを株価400円で割ると、20÷400で5%。これが「総合利回り」となり、桐谷さんの基準である4%以上をクリアしているので「合格」となります。

このルールがなぜ重要かというと、桐谷さんがダイヤモンド・ザイのインタビューで語っているように、「利回りが高い=株価が安い」からです。総合利回り4%以上ということは、それだけ株価が割安水準にあることを意味します。逆に言えば、株価が上がれば利回りは下がるので、4%を下回るような銘柄は、もはや「割安」とは言えないと桐谷さんは判断するわけです。

ただし、桐谷さんはこのルールに「但し書き」もつけています。ダイヤモンド・ザイの2025年の取材によれば、利回りが10%を超えるような異常に高い優待には警戒を発しています。「優待が長続きしなそうな株も散見されます。10%超など利回りが高すぎる優待は、一時的な人気取りの可能性もあります。無配なら特に注意です。株主還元の順番として、まず配当を出したうえで優待も提供するのが健全だと思います。無配なら、購入を見送るのが無難です」というのが桐谷さんの考えです。

つまり、4%以上であれば合格ですが、「高すぎるのも危険」「無配で優待だけは要注意」というのが、桐谷さんが30年以上の投資経験で学んできた、利回りに対するバランス感覚なのです。

1-2 「自分にとって価値のある優待か」のチェック

数字の上で4%以上をクリアしても、桐谷さんはもう一つの条件を確認します。それは「優待の中身が自分にとって価値があるか」ということです。

ダイヤモンド・ザイの記事で桐谷さんは、「いくら利回りが高くても、自分にとって価値がない優待だと意味がありません。優待の中身も重視して」と注意を促しています。

たとえば、特定地域でしか使えない優待券、自分の生活圏に店舗がない優待、自分の趣味とまったく合わない商品 ― こうした優待は、利回り計算上はメリットがあっても、実際には「使い切れない」ので価値が出ません。

桐谷さん自身は1000銘柄以上を保有しているため、ほとんどの優待は何らかの形で活用できますが、初心者にはまず「自分の生活で確実に使える優待」から始めることを勧めています。QUOカード、図書カード、デジタルギフトなどの「金券系」は、誰にとっても価値があるので使い勝手が良く、人気が高いカテゴリーです。

1-3 連続増配株・累進配当株への注目

近年、桐谷さんが特に注目しているのが「連続増配株」と「累進配当株」です。日経新聞2025年2月の記事で、桐谷さんは「連続増配ができる会社は財務面でも安心です。その上、優待制度もあるとなれば、個人株主を重視しているということ。長く持てる会社であると言えます」と語っています。

連続増配株とは、毎年配当を増やしている企業の株式です。日経新聞の連載によれば、桐谷さんは「日経連続増配株指数」(70の連続増配銘柄から構成)の中から、優待制度があり、かつ配当+優待の総合利回りが4%以上のものを投資対象として選んでいるそうです。

累進配当株とは、業績に関わらず配当を下げない方針を掲げる企業の株式です。SBI証券のウェブサイトで桐谷さんは王子ホールディングス(3861)について、「累進配当は会社の業績に関係なく、配当を下げないというもので、これからも高配当が続くであろうと思われる銘柄」と紹介しています。

連続増配や累進配当を採用する企業は、配当を維持・増加させる財務的な余裕があり、株主還元への意識が高いと考えられます。優待制度を併用している企業であれば、なおさら「個人株主を大切にする会社」と評価できます。

1-4 長期保有優遇制度の活用

桐谷さんが銘柄選びで重視するもう一つの要素が、「長期保有優遇制度」の有無です。

近年、優待タダ取り(権利確定日だけ株を保有して優待をもらう短期トレード)を防ぐため、優待取得に「保有年数の条件」を付ける企業が増えています。日経新聞の連載で桐谷さんは「徐々に『保有年数の条件付き』が一般的になっていくのかもしれません」と述べています。

長期保有優遇のある銘柄は、たとえば「100株を1年以上保有」「200株を3年以上保有」といった条件をクリアすると、優待がもらえる、あるいは優待内容がランクアップします。日経新聞2025年2月の記事では「3年以上の保有で一気に優待内容を増やす会社が多いですね。長期優遇制度の有無はあらかじめ確かめておきましょう」と桐谷さんは語っています。

たとえば、後で詳述するエディオン(2730)は、3段階の長期優遇制度があり、桐谷さんはダイヤモンド・ザイの取材で「100株を3年持てば総合利回りが約5%まで上昇する」と高く評価しています。

1-5 「優待新設」発表後すぐは飛びつかない

桐谷さんがダイヤモンド・ザイの記事で繰り返し述べているのは、「優待新設や拡充の発表直後には飛びつかない」という姿勢です。

優待新設や拡充の発表があると、その材料で株価が跳ね上がります。すると、計算上の利回りは下がってしまい、せっかくの優待のメリットが薄れてしまうのです。

桐谷さんは「私は株価が落ち着くのを待って、4%以上の合計利回りになったら買います」と語っています。これは投資家にとって重要な心得です。新設発表で買われすぎた株は、しばらくすると材料出尽くしで下落することが多く、そのタイミングを冷静に待つことが、桐谷流の銘柄選びの肝なのです。

1-6 暴落時こそ買いのチャンス

桐谷さんは「とにかく安いときに買う」を徹底しています。ダイヤモンド・ザイの2025年12月の取材では、「暴落はバーゲンセールのようなもの。40年以上、株式投資を行っていますが、とにかく安いときに株を買うことが経済的だけでなく、精神的にもいちばん望ましいと考えています」と語っています。

具体的な戦術として、桐谷さんは「年初来安値や上場来安値の少し下に指値を入れる」というやり方を取っています。これにより、暴落時にも狙った株を冷静に拾うことができます。

2025年4月の「トランプ・ショック」(関税発表による市場急落)の時、桐谷さんは4月2日から11日までの8営業日でなんと53銘柄を購入。そのうち44銘柄が含み益となり、結果的に絶好の買い場となりました(ダイヤモンド・ザイ2026年2月号より)。

1-7 業種・規模の分散

桐谷さんは1000銘柄以上に分散していますが、これは単なる「数の自慢」ではなく、リスク管理の意味があります。ダイヤモンド・ザイのインタビューで桐谷さんは、「何か一つの銘柄や業界に集中させずに幅広く買っていると、暴落時に下がるものがあっても、一方で上がるものもあります。トータルで大損することは避けられる」と語っています。

桐谷さんの銘柄を業種別に見ると、本当に多岐にわたります。小売、外食、金融、不動産、エネルギー、製造業、IT、サービス業、医薬、農業関連、建設、運輸、メディアなど、ほぼあらゆる業種に投資しています。プライム市場の超大型株から、スタンダード・グロース市場の中堅・新興企業まで、企業規模も問いません。

1-8 持続性の判断

桐谷さんが最終的に重視するのが、「その優待は持続するか」「その配当は続けられるか」という持続性の判断です。

具体的には、

  • 業績が安定しているか(営業利益率、自己資本比率、有利子負債)
  • 過去に減配や優待廃止の実績がないか
  • 配当性向は健全な範囲か(あまりに高すぎる配当性向は要警戒)
  • 優待制度の改悪歴はないか

こうした観点でチェックします。桐谷さんがSBI証券で紹介している銘柄スコアリングの活用法では、「企業スコア総合の数値を見て買い時を決める」というアプローチも取り入れているそうです。

1-9 流動性とPER・PBRのチェック

桐谷哲学が「総合利回り4%」だけに依拠しているわけではなく、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)といった割安度指標もチェックしています。書籍『桐谷さんの株入門 改訂版』でも、PERは「会社が稼ぐ利益に対して株価が何倍か」という指標として、PBRは「会社の資産から見て株価が何倍か」「1倍が目安」として説明されています。

理論的には、PERが業界平均より低く、PBRが1倍前後ないしそれ以下の銘柄は割安と判断できます。桐谷さんは「総合利回り4%以上」というシンプルな基準を前面に出していますが、その背景では、こうした指標も併用して判断しているのです。

これらの基本原則を頭に入れたうえで、次章からは桐谷さんが実際に選んでいる具体的な銘柄を見ていきましょう。


第2章 2026年・桐谷さんが厳選した注目10銘柄

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で2026年1月1日に公開された「株主優待名人・桐谷さんが厳選『2026年に注目の10銘柄』」のYouTube動画と記事から、桐谷さんが2026年に注目する10銘柄を、それぞれ詳しく解説していきます。なお、株価データは2025年12月24日の終値時点のものです。

2-1 バイタルケーエスケー・ホールディングス(3151)

バイタルケーエスケー・ホールディングスは、医薬品卸の中堅企業です。桐谷さんがこの銘柄を挙げたきっかけは、楽天証券「トウシル」のインタビューで明かしていますが、なんと「優待の申し込みをうっかり忘れてしまったのに、ウーロン茶のセットを届けてくれた」という、企業の細やかな対応に感動したエピソードだそうです。

株価は2025年12月24日終値で1287円。配当利回りは桐谷さんの調査時点で5.28%とされ、新NISAで買えばそれだけで十分な利回りが得られる水準です。

優待は1000株からもらえる仕組みになっています。桐谷さんは「まずは100株を買って様子を見て、資金ができるたびに少しずつ買い増して1000株を目指すという戦略もアリですね」と勧めています。配当だけでも5%超の高利回りで、優待を目指して長期で積み立てていける銘柄として、桐谷さんの2026年トップに挙げられたのは納得です。

医薬品卸というのは地味な業種ですが、超高齢化社会の日本では安定した需要が見込め、不況にも強い守りのセクターです。配当も安定しており、優待をもらえる1000株まで買い増していけば、十分な長期投資先になるというのが桐谷さんの読みでしょう。

2-2 ユニプレス(5949)

ユニプレスは自動車車体プレス部品大手で、特に日産系の主要サプライヤーとして知られます。株価は2025年12月24日終値で1179円、配当利回りは5.09%と、それだけでも非常に魅力的です。

桐谷さんがこの銘柄を高く評価する理由は、その長期保有優遇の仕組みにあります。100株以上300株未満の場合、初年度は優待がありませんが、1年以上2年未満で1000ポイント、2年以上3年未満で2000ポイント、3年以上で3000ポイントと、保有期間に応じて優待が増えていきます。

ポイントの交換先にはQUOカードがあり、桐谷さんは500株ほど保有しているとのことで、1000円のQUOカードを5枚もらっていると語っています。「QUOカードの優待はコンビニで使えばいろいろな商品が買えるので、かなり優れていると思います」と評価しています。

ユニプレスの100株は11万円台と、それほど大きな投資金額ではありません。配当利回り5%超で、長期保有でQUOカードがもらえるという二段構えの利益が、桐谷さんの2026年推奨銘柄に選ばれた理由です。

2-3 クロスプラス(3320)

クロスプラスは婦人服の製造・卸大手で、量販店向けではトップ級の存在です。株価は1316円、配当利回りは3.5%です。配当だけで見れば桐谷流の4%基準には届きませんが、優待を加えると一気にお得度が上がります。

クロスプラスの優待は、保有した初年度から「オンラインストアクーポン券」がもらえます。100株以上500株未満で3000円、2年以上継続保有でクーポン券が2000円増額されて5000円になります。桐谷さんは「私は5000円分のクーポン券をもらっています」と語っており、長期保有していることがわかります。

このクーポン券の魅力は、「バーゲン品にも使える」点です。桐谷さんが楽天証券のインタビューで明かしているエピソードでは、6000円のネックレスが半額になっているのを、3000円のクーポン券だけで購入したことがあるそうです。また締め切り直前にオンラインで購入する商品を選んでいた時、男性用商品が少なかったので「尿漏れパンツ3枚と普通のパンツ1枚を4900円くらいで購入」したというユーモア溢れる話も語っています。

ダイヤモンド・ザイの記事によれば、抽選で10人に30万円の旅行券が当たる珍しい優待品もあるとのことで、これも個人投資家に人気の理由です。配当と優待を合わせると総合利回りは2年以上保有で6.73%、抽選優待まで含めれば最大利回りは15%にもなり得る、極めてお得な銘柄です。

2-4 ミヨシ油脂(4404)

ミヨシ油脂は、天然油脂を原料とした食用油脂、工業用油脂、種脂肪酸、化成品、環境関連製品などを製造・販売する企業です。株価は2345円、配当金は2025年12月期予想で100円、配当利回り4.20〜4.26%の高配当銘柄です。

この銘柄の興味深い点は、桐谷さんがインタビューで明かしているように、2025年11月に優待拡充が発表されたことです。それまでは100株以上保有で1000円分のQUOカードがもらえる優待でしたが、新たに300株以上500株未満を3年以上保有で3000円分、500株以上を3年以上保有で5000円分のQUOカードがもらえるようになりました。

桐谷さんが楽天証券「トウシル」のインタビューで語っているところによれば、以前ある企画でミヨシ油脂の優待を紹介しようとしたところ、企業側から「まだ載せないでほしい」と言われたそうです。桐谷さんは「優待が廃止されるのか」と心配していたそうですが、結果は拡充だったとのこと。これは企業が新しい優待制度の発表前に、情報を慎重に扱っていたことを示すエピソードです。

桐谷さんが「ミヨシ油脂はいろいろな指標を見ても非常に割安だとされているため、自信を持っておすすめできる銘柄」と評価しているのも見逃せません。配当利回り4%超に加え、長期保有で優待が大幅に拡充される、割安水準のバリュー株。これは桐谷哲学の真髄を体現する銘柄選択と言えるでしょう。

2-5 ヒマラヤ(7514)

ヒマラヤはスポーツ用品店「ヒマラヤ」を全国展開する企業です。株価は845円、配当26円で利回りは3.08%です。

優待は2月末と8月末の年2回、100株以上500株未満で1000ポイント(または1000円分の買い物券)、500株以上2000株未満で3000ポイントです。桐谷さんは「100株の方がお得ですね」と分析しています。理由は、100株で年間2000ポイント(2回×1000ポイント)に対して、500株では年間6000ポイント(2回×3000ポイント)と、5倍の株数で3倍の優待にしかならないからです。100株あたりの優待利回りで比較すると、100株保有の方が有利になります。

ヒマラヤは桐谷さんの妹さんたちも保有しているそうで、家族で優待を活用している銘柄でもあります。桐谷さんが2025年11月に語ったエピソードでは、11月末で期限が切れる券があったため、妹の分と合わせて6000円分を集めて木場まで電車で買い物に行き、6000円分の券とdポイントなどを使って6160円の服を「1円も使わずに買えた」とのこと。

桐谷さんが「健康維持のためにスポーツを奨励する」観点からも、スポーツ用品店の優待は理にかなった選択です。

2-6 平和(6412)

平和はパチンコ機・パチスロ機の製造販売を主力とする企業ですが、桐谷さんが注目するのは別の事業です。平和の傘下には、大手ゴルフ場運営会社のPGM(パシフィックゴルフマネージメント)があります。

優待は、PGM運営のゴルフ場で使える優待券が中心です。ゴルフを趣味とする個人投資家にとっては、優待券でゴルフがお得にプレーできる、極めて魅力的な銘柄です。

桐谷さんご本人もゴルフを楽しまれているそうで、この銘柄は「外せない」鉄板銘柄として2026年の注目10銘柄に入れています。

2-7 サックスバー・ホールディングス(9990)

サックスバー・ホールディングスは、全国のショッピングモールなどでよく見かける「Sac’s Bar」をはじめとするカバン・バッグ専門店チェーンを展開する企業です。

優待は、自社グループ店舗で使える優待買物券(1000円~)が定番です。実用的なカバンやバッグをお得に購入できる優待は、桐谷さんの「実際に使える優待」の基準を満たしています。

カバンというのは、ビジネスでもプライベートでも誰もが使う必需品です。優待券でお得に新調できるのは、生活上の実用性が高い銘柄と言えるでしょう。

2-8 property technologies(5527)

property technologiesは、AI技術を活用した中古住宅再生ビジネスなどを展開する比較的新しい企業です。プロパティテクノロジーズと呼ばれます。

桐谷さんがこの銘柄を挙げたのは、「プレミアム優待倶楽部」を導入していることが大きいです。プレミアム優待倶楽部とは、株主にポイントを付与し、そのポイントで様々な商品やサービスと交換できる仕組みです。これを導入する企業は、優待利回りが高くなる傾向があり、桐谷さんも注目しています。

新しい企業ゆえに業績の安定性は今後の課題ですが、桐谷流の「分散投資の一角」として、こうした成長性のあるテクノロジー企業も組み入れているのが、桐谷ポートフォリオの懐の深さを物語っています。

2-9 東京ソワール(8040)

東京ソワールは、礼服・フォーマルウェアの大手企業です。優待は自社製品の購入優待券などがあります。

冠婚葬祭で必要となる礼服やフォーマルウェアは、年齢を重ねるほど着用機会が増えるアイテムです。シニア層の桐谷さんにとって、こうした実用品の優待は使い勝手が良いのでしょう。

2-10 ダイトーケミックス(4366)

ダイトーケミックスは、写真感光材料、医薬品中間体、電子材料などの化学品メーカーです。半導体関連としても注目される企業で、BtoBの事業が中心ですが、QUOカード優待などを実施しています。

個人投資家からの底堅い人気を維持しており、桐谷さんも「割安なBtoB化学メーカー+QUOカード優待」という組み合わせを評価しています。

2-11 桐谷さんの2026年銘柄選択の傾向

以上の10銘柄を眺めると、いくつかの興味深い特徴が見えてきます。

第一に、誰もが知っている「超大型株」はほぼ含まれていません。バイタルケーエスケーHLDG、ユニプレス、クロスプラス、ミヨシ油脂、ダイトーケミックスなど、業種では一定の存在感があるものの、一般の消費者には馴染みが薄い「中堅企業」「BtoB企業」が中心です。

第二に、配当利回りが3〜5%程度の「中配当〜高配当」銘柄が並んでいます。極端な高配当(10%超)はなく、現実的に持続可能な配当水準の銘柄ばかりです。

第三に、優待が「QUOカード」「買い物券」「クーポン券」「ポイント」など、「金券系」が多くを占めています。これは桐谷さんが「実用性」を重視している証拠です。

第四に、長期保有優遇のある銘柄が複数含まれています。ユニプレス、ミヨシ油脂、クロスプラスなど、長く持てば持つほどお得度が増す仕組みが組み込まれています。

第五に、property technologiesのような新しい企業から、東京ソワールのような伝統的な企業まで、企業の新旧を問わず選んでいます。

これらの選択基準は、桐谷哲学の核心 ―「割安・高利回り・分散・長期」― を見事に体現しています。


第3章 飲食系の桐谷ベスト銘柄

桐谷さんは、ご自身が日本経済新聞のコラムで「私が保有している銘柄の株主優待で、QUOカードと並んで数が多いジャンルが『飲食系』です」と語っているほど、飲食系の優待銘柄を多数保有しています。本章では、桐谷さんが愛用する飲食系優待銘柄を順次紹介していきます。

3-1 クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)

クリエイト・レストランツ・ホールディングス(以下、クリレス)は、桐谷さんが繰り返しトップ推奨する飲食系優待の代名詞的存在です。日本経済新聞、ダイヤモンド・ザイ、All About、桐谷さんのX投稿など、ありとあらゆるメディアで言及されています。

クリレスは、和食、洋食、中華、パン屋まで、約1100店舗以上の飲食店ブランドを傘下に持つ巨大外食グループです。傘下には「磯丸水産」「かごの屋」「きづなすし」「しゃぶ菜」「サンジェルマン(パン屋)」など多彩なブランドが展開されています。

優待は、自社グループ店舗で使える食事券で、保有株数と保有期間に応じて金額が変わります。100株保有で年間4000円分(500円券×8枚)の食事券がもらえます。配当と合わせた総合利回りは4%前後で、桐谷流の基準を満たしています。

優待券の魅力は、専用アプリでバーコードを読み込んで使える点と、紙の優待券としても使える点の両方をサポートしていることです。1円単位で食事の支払いに充当でき、一度で使い切れなかった残りは次回以降に持ち越せます。

桐谷さんがダイヤモンド・ザイで語っている活用例は次のようなものです。和食店「しゃぶ菜」でしゃぶしゃぶを楽しむ、「かごの屋」で和食をいただく、「きづなすし」で寿司を堪能する、パン屋「サンジェルマン」でパンを買う。

桐谷さんは「全国各地で食事券が使える」「講演などで地方に行った際にも、使えるお店が多くて重宝しています」と評価しています。また「株価も右肩上がりが続いており、優待と値上がり益を両取りできています」とも語っています。

桐谷さんが2025年5月にX(旧Twitter)で投稿したエピソードも有名です。雨の中、カッパを着て自転車で「かごの屋練馬区役所前店」に行き、上撰すき焼き天ぷら1980円を優待券4枚(20円のおつりはもらえないけど)で食べたと報告。ファンから「このクオリティで1980円は安い」「胃袋まだまだ若いですね」と反応がありました(オリコンニュース2025年5月12日)。

3-2 すかいらーくホールディングス(3197)

すかいらーくホールディングスは、ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉、夢庵、ステーキガストなどを運営する大手外食チェーンです。桐谷さんが「店舗が多いので使いやすいです」と野村インベスター・リレーションズで評価する定番銘柄です。

すかいらーくの優待は、電子優待カード(旧紙の食事優待券から移行)での提供になっており、傘下の店舗で広く使えます。100株保有で年間優待がもらえ、株数が増えれば優待額もアップします。

桐谷さんは日本経済新聞の連載で、「ステーキガスト」によく行くと明かしています。「実はステーキはあまり得意ではないのですが、同店にはカレーやサラダ、パンなどが食べ放題のメニュー『単品健康サラダバーフルセット』があって、私はそれで十分に満足できます。料金も800円台半ば(60歳以上対象の5%引きを適用)と、安くていいですね」と語っています。

また、「バーミヤン」の中華丼とギョーザもよく食べるそうで、「ギョーザは、注文時にクーポンを使うとお得」とのこと。優待券だけでなく、クーポンも併用するというのが、桐谷さんらしい徹底ぶりです。

桐谷さんは1000株保有しており、年3万4000円分の優待カードをもらっています。家族との食事にも活用しており、近年は1月半ばに妹たちやめいと「しゃぶ葉」でしゃぶしゃぶの食べ放題を楽しむのが恒例だそうです(日経新聞2025年6月)。

3-3 大戸屋ホールディングス(2705)

大戸屋ホールディングスは「大戸屋ごはん処」を展開する定食チェーンで、コロワイドの傘下に入っています。

桐谷さんは日経新聞のコラムで、お気に入りメニューとして「すけそう鱈と野菜の黒酢あん」を挙げています。「魚と野菜を一緒に食べられるのがいいところです。大戸屋はコロワイドの傘下に入って、食事の提供が以前より早くなったように感じます」とコメントしています。

健康を意識する桐谷さんにとって、定食という栄養バランスの取れた食事を優待で楽しめる大戸屋は、生活実用度の高い銘柄です。

3-4 焼肉坂井ホールディングス(2694)

焼肉坂井ホールディングスは、焼肉店「炭火焼肉酒家 牛角」をはじめとする多様な飲食店ブランドを展開しています(同社は時期によって商号変更があったため、最新の社名・銘柄コードは公式情報をご確認ください)。

桐谷さんは日経新聞の連載で、クリエイト・レストランツ・ホールディングス、すかいらーくホールディングス、大戸屋ホールディングスと並んで、「優待を特に気に入っている銘柄」として焼肉坂井ホールディングスを挙げています。「どれも、自宅から自転車で気軽に行ける範囲に優待券を使えるお店があります」とも語っており、生活圏での使い勝手が選定基準になっていることがわかります。

3-5 大庄(9979)

大庄は「庄や」「やるき茶屋」「日本海庄や」「築地日本海」「歌うんだ村」などを展開する大手居酒屋チェーンです。

桐谷さんが2025年5月にXで投稿した内容によれば、「新宿へ自転車で行く時は、2つ以上の用事を絡めて行きますが、月曜日は大庄の優待券を使うためだけに自転車で新宿へ行ってきました。多くの株は30年前に比べてかなり上昇していますが、大庄は珍しく下がっている株」と報告。「今、配当と優待の総合利回りは7%」と紹介し、「築地日本海でお寿司を。優待で元は取っているかな」と投稿しています(オリコンニュース2025年5月14日)。

ここで興味深いのは、桐谷さんが「下がっている株」を「総合利回りが上がっているチャンス」と捉えていることです。多くの投資家が「下がっている=売り」と判断するところを、桐谷さんは「下がっている=利回り上昇=買い増し候補」と読み替えています。

大庄の優待は、保有株数に応じて自社グループ店舗で使える食事優待券、または地方特産品のセットを選べる仕組みです。日経新聞のコラムでも桐谷さんは、「大庄やチムニーも、もらえる優待の金額が大きめで、3〜4人やそれ以上でも手軽に使えるお店が多いのが便利」と評価しています。

3-6 チムニー(3178)

チムニーは「はなの舞」「魚星」などを展開する居酒屋チェーンです。優待は自社グループ店舗で使える食事優待券で、もんじゃ焼きなどいろんな業態があります。

桐谷さんは日経新聞で、「大庄やチムニーも、もらえる優待の金額が大きめで、3〜4人やそれ以上でも手軽に使えるお店が多いのが便利です」と語り、家族や友人との食事に活用していることを明かしています。

3-7 コロワイド(7616)

コロワイドは「カッパ寿司」「ステーキ宮」「甘太郎」「北海道」など多数の飲食ブランドを展開する大手企業です。

桐谷さんが日経新聞のコラムで明かしている興味深いエピソードがあります。2011年秋、ある投資セミナーに参加した後、講師の人などと2次会に行こうという話になりました。当時の桐谷さんはリーマンショックの影響でお金が厳しかったのですが、たまたま近くにコロワイドの優待券が使える居酒屋がありました。そのおかげで2次会を断らずに済んだのです。

そして、その2次会での会話をきっかけに、講師の人とのつながりで、毎日放送の「銭ナール」というバラエティ番組に初めて出演。これがその後のテレビ・雑誌での活躍につながりました。

桐谷さんは「今の私があるのも、その時に優待券を持っていたおかげと言えますね」と振り返っています。コロワイドの優待は、桐谷さんの人生を変えるきっかけになった、特別な思い入れのある銘柄なのです。

3-8 コメダホールディングス(3543)

コメダホールディングスは、シニア層に人気の喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」を全国展開する企業です。

桐谷さんが2025年4月にX(オリコンニュース2026年4月25日)で報告したエピソードは秀逸です。「コメダホールディングス(コメダ珈琲)は2016年に上場(公募1960円)と同時に、株主優待を発表。私は、その直後に1850円で100株買って、ずっと株主優待ポイントをいただいてます。今は3030円。優待を頂きながら含み益」

つまり、桐谷さんは2016年の上場直後に100株を18万5000円で購入し、約10年で株価は1.6倍以上に上昇。さらにその間、毎年優待を受け取り続けています。「優待を頂きながら含み益」とは、桐谷流投資の理想形を体現する一文です。

コメダの優待は、自社専用プリペイドカード「KOMECA」へのチャージで、コメダ珈琲店全店で使えます。桐谷さんは丸井中野店で「まんぷくプレート、エビフライ」を食べたエピソードも投稿しています。

3-9 エー・ピーホールディングス(3175)

エー・ピーホールディングスは「塚田農場」「四十八漁場」などを展開する居酒屋チェーンです。ダイヤモンド・ザイ2026年2月の記事で、桐谷さんが「長期保有する推し優待株」として紹介しました。

エー・ピーホールディングスの優待利回りは6%超と高水準で、桐谷さんの基準を大きく上回ります。

3-10 ガーデン(2179)

ガーデンはラーメン・うどんチェーンを展開する企業です。ダイヤモンド・ザイ2026年2月の記事で、桐谷さんが「高配当な優待株」として推奨しました。

優待は、自社店舗で使える「ラーメン・うどん無料券」で、100株保有で1枚もらえます。半年以上継続保有すると2枚に増加(基準日は2月末と8月末の年2回なので、最大で年4枚)。半年以上継続保有した場合の配当+株主優待利回りは約6%です。

桐谷さんのコメントは、「値段は関係なく、好きなラーメンやうどんを何でも食べられるのがいいですね。私は先日、家系ラーメンをいただきました」。ラーメンを「無料で」食べられるという、シンプルかつ強力な優待です。

3-11 あじかん(2907)

あじかんは寿司ネタの巻物・ロール商品やごぼう茶などの食品メーカーです。ダイヤモンド・ザイ2026年2月の記事で、桐谷さんが推奨しています。

配当利回り3.8%、3月末に権利確定する食品系優待です。

3-12 ジャパンフードシステム(旧ハスキーフーズ系)など中小食品系

桐谷さんの過去の著書『桐谷さんのもっと儲かる株主優待生活 NISA対応版』のAmazonレビューで紹介されているエピソードによれば、桐谷さんが推奨した銘柄のジャパンフードが「480円から790円」に上昇するなど、過去にも食品系の中小型株で大きな値上がりを実現したケースが多数あります。

桐谷さんの飲食系投資の強みは、「自分が実際に通えるエリアの店舗で使える優待を中心に保有する」ことで、「使い切る確実性」を上げている点にあります。

3-13 飲食系優待の活用テクニック

桐谷さんは日経新聞などで、飲食系優待の活用テクニックも紹介しています。

  1. 食事優待券のお釣りは出ない場合が多いので、券の金額に近い注文をする
  2. 1回で使える券数に制限がある店もあるので、事前確認
  3. 期限の近いものから優先的に使う
  4. 家族や友人との食事にまとめて使う

桐谷さんがクリエイト・レストランツの優待券で「お釣りの20円は貰えないけど優待券4枚使える」と効率を計算しているのも、こうしたテクニックの実例です。


第4章 金券系銘柄 ― QUOカードや図書カードがもらえる王道銘柄

桐谷さんが「QUOカードと並んで数が多い」と語る「金券系」優待は、生活実用度の高さから、桐谷さんの中核的なポートフォリオの一角を占めています。

4-1 日産東京販売ホールディングス(8291)

日産東京販売ホールディングスは、日産系の最大手ディーラーです。ダイヤモンド・ザイの2026年の記事で、桐谷さんが「NISA活用術」と合わせて推奨した銘柄です。

配当利回りは5.24%とかなりの高水準で、DOE(株主資本配当率)を導入して安定配当を実施しているため、安心感があります。

優待は「オリジナルQUOカード」で、500株以上の株主が対象。保有株数によって金額が増えていき、5000株以上保有する場合は、2年以上継続保有するとさらに金額がアップします。

桐谷さんは「株価は500円台。下がったら買い増ししていくのもいいでしょう」とコメントしています。100株単位での買い増しで500株までステップアップしていけば、優待ももらえるという、初心者にも入りやすい銘柄です。

4-2 ダイコク電機(6430)

ダイコク電機はパチンコ産業向けの電子機器メーカーです。同じくダイヤモンド・ザイ2026年の記事で桐谷さんが推奨しました。

配当利回りは4%超と高水準。優待はQUOカードで、100株の保有からもらえます。保有株数と継続保有期間に応じて金額が増え、長期保有の優遇は「1年以上」「3年以上」の2段階で変化します。配当+株主優待利回りは4.4%です。

4-3 京葉銀行(8544)

京葉銀行は千葉県の地方銀行です。ダイヤモンド・ザイの2024年4月の記事で、桐谷さんが2023年に200株保有していたものを年初来安値更新時に500株まで買い増したエピソードが紹介されています。

優待は500株以上でQUOカードがもらえる仕組み。桐谷さんは「QUOカードなどの株主優待がもらえる株数が500株以上だから」買い増ししたと語っています。買い増し直後に株価が反転し、「2023年の底値付近を当てた形」になったとのことです。

4-4 王子ホールディングス(3861)

王子ホールディングスは、パルプ・紙の最大手企業です。SBI証券のサイトで桐谷さんが紹介しています。

優待はカタログギフトで、4180円相当の自社グループ製品カタログギフト券がもらえます(1000株保有から)。継続保有条件があり、配当利回りは4.54%。

桐谷さんは「累進配当」を高く評価しており、王子HDは「日経累進高配当株指数」の採用銘柄でもあります。桐谷さんのコメントは「累進配当は会社の業績に関係なく、配当を下げないというもので、これからも高配当が続くであろうと思われる銘柄」「主にボックスティシュを選んでいますが、トイレットペーパーやキッチンペーパーなど様々な組み合わせがあります」。

1000株保有は約79万円と大きな金額になりますが、「まずは100株買って資金に余裕ができれば買い増ししていく」のがおすすめとのこと。

4-5 AVANTIA(8904)

AVANTIAは戸建住宅の分譲・販売を手がける不動産企業です。All Aboutの2025年7月の記事で桐谷さんが推奨しました。

株価は1株当たり約800円、配当利回りは約4.7%。1年以上の継続保有が条件で、1000円分のQUOカードがもらえるため、総合利回りは5%以上になります。

桐谷さんは「100株1年以上保有でQUOカード1000円分がもらえ、総合利回りは約6%」と日経新聞でも紹介しています。

4-6 ムゲンエステート(3299)

ムゲンエステートは中古不動産再販事業を手がける不動産企業です。日経新聞で桐谷さんが紹介しています。

100株1年以上保有でQUOカード1000円分がもらえる優待で、総合利回りは6%近くある高利回り銘柄です。

4-7 ファーマライズホールディングス(2796)

ファーマライズホールディングスは保険調剤薬局を全国展開する企業です。日経新聞の連載で桐谷さんが紹介しています。

100株1年以上保有で3つの優待品から1つを選択できる優待です。選択肢には自社商品券2500円分があり、桐谷さんがこれで買い物をしたところ「楽天ポイントが付き、優待券の買い物でもポイントが付くと知って驚きました」と語っています。優待+ポイントの二重取りができる、お得な銘柄です。

4-8 フロイント産業(6312)

フロイント産業は製薬・食品向け製造機械メーカーです。日経新聞で桐谷さんが紹介しています。

100株1年以上でQUOカード1000円分がもらえる優待で、3年以上持てばQUOカードが2000円分になる長期保有優遇制度があります。

4-9 ビーアールホールディングス(1726)

ビーアールホールディングスは建設業の企業です。日経新聞で桐谷さんが紹介しています。

100株を1年以上保有でQUOカード500円分が年2回もらえます。株価が300円台のため投資額は3万円ほど。少ない投資額で優待をもらえる上に、総合利回りは6%超と高利回りです。

4-10 ファースト住建(8917)

ファースト住建は分譲住宅メーカーです。ダイヤモンド・ザイ2025年12月の記事で、桐谷さんが「3月&4月の株主優待株」として推奨しました。

QUOカードがもらえる優待で、10年以上も非減配の安定した配当銘柄でもあります。

4-11 ナ・デックス(7435)

ナ・デックスは産業機器の専門商社です。ダイヤモンド・ザイの2026年5月の記事で、創立7○周年(公開資料による)の記念株主優待として、QUOカード優待を実施し、配当+優待利回りが5.9%になることが紹介されています。

4-12 INPEX(1605)

INPEXは日本最大のエネルギー会社で、原油・天然ガスの探鉱・開発・生産を手がけます。日経新聞で桐谷さんが紹介した銘柄です。

優待を取得するには400株を1年以上保有する必要があります。配当利回りが4%以上と高いので、配当を受け取りながら徐々に買い増して400株保有にする作戦もあり。ちなみに2年以上、3年以上の長期保有優遇制度もあります。

400株保有で「INPEXオリジナルカレンダー」や、5年以上保有でカタログギフトがもらえるなど、長期保有メリットが大きい銘柄です。

4-13 東海カーボン(5301)

東海カーボンは炭素製品メーカーです。日経新聞で桐谷さんが紹介しています。

1000株保有は初年度からカタログギフトの優待をもらえますが、100株でも1年以上保有すれば2000円相当のカタログギフトがもらえます。「2年ほど前にそのことに気が付き、株主になりました」と桐谷さん。3年以上保有すれば3000円相当カタログにランクアップします。

4-14 エクセディ(7278)

エクセディは自動車部品メーカーで、トランスミッション部品が主力です。日経新聞で桐谷さんが紹介しています。

配当利回りだけで約5%と高利回り。100株を1年以上持てば3000円相当のオリジナルギフトがもらえ、総合利回りは6%超です。

4-15 山喜(3598)

山喜はワイシャツの製造・販売企業です。楽天証券のYouTube動画で桐谷さんが推奨しました。

ワイシャツやアンダーウェアの優待があり、初心者向けの「高配当+優待」総利回り銘柄として紹介されています。

4-16 タカキュー(8166)

タカキューは紳士服・婦人服専門店です。同じく楽天証券のYouTube動画で桐谷さんが推奨しています。

優待でスーツや衣料品をお得に購入できます。


第5章 小売り・買物券系銘柄 ― 日用品から家電まで使える優待

桐谷さんが日々の買い物で活用する小売り系の優待は、生活の質に直結する重要なカテゴリーです。

5-1 ビックカメラ(3048)

ビックカメラは家電量販店大手です。桐谷さんが繰り返し推奨し、ダイヤモンド・ザイの2026年1月の記事でも「桐谷さんの投資判断が買いのおすすめ優待株」として紹介されました。

優待は、ビックカメラ・ソフマップ・コジマで使える年間3000円相当(2月に2000円分、8月に1000円分)の優待買物割引券です。実店舗だけでなく「ビックカメラ.com」「ソフマップドットコム」「楽天ビック」「ソフマップ楽天市場店」「ソフマップPayPayモール店」などのインターネット通販サイトでも使えます。

桐谷さんのコメントは「長期優遇の利回り上昇が魅力。買い物券は子会社のコジマの店頭でも使えます」。100株保有で長期優遇があり、2年以上保有すると総合利回りが4%を超えるとのことです。さらに、200株以上を保有している株主にはQUOカード(2000円相当)が追加でもらえる仕組みもあります。

家電だけでなく、日用品も取り扱っているため、使い勝手は抜群です。桐谷さんが「非常に使い勝手が良く、おすすめしたい銘柄」と評価する理由がわかります。

5-2 エディオン(2730)

エディオンは中部地方を地盤とする家電量販店大手で、関西や四国にも店舗を持ちます。ダイヤモンド・ザイ2026年1月の記事で、桐谷さんがビックカメラと並んで推奨しました。

エディオンの優待は、ギフトカード(自社のEdiOnギフトカードや各種電子マネー、QUOカードPayなど)で、初年度からもらえる点が大きな特徴です。3段階の長期保有優遇があります。

桐谷さんのコメントは、「最近は、1年以上などの継続保有を必須にしている株主優待株も多いですが、エディオンの株主優待は初年度からもらえて、3段階の長期優遇が大きな魅力。100株を3年持てば総合利回りが約5%まで上昇するので、長期保有する楽しみがあります。私は秋葉原の店舗で炊飯器やテレビを買いました。乾電池などの小物類も揃っていますよ」。

野村インベスター・リレーションズのサイトで桐谷さんは「エディオン(2730)のギフトカードでは、糖質カットの電気炊飯器を買いました」とも語っており、健康志向の高い桐谷さんが、優待を健康的な生活グッズの購入にも活用していることがわかります。

5-3 イオン(8267)

イオンは小売最大手のイオングループの中核企業です。

優待は「オーナーズカード」と呼ばれる仕組みで、イオン店舗での買い物金額に応じて、年2回キャッシュバックされます。100株保有で3%、500株で4%、1000株で5%、3000株で7%という、保有株数によってキャッシュバック率が高くなる仕組みです。

これは事実上の「永久優待」とも呼ばれる仕組みで、毎日の食料品や日用品の買い物でキャッシュバックを受けられるため、生活実用度が極めて高い銘柄です。

5-4 イオンモール(8905)

イオンモール(イオングループの不動産・モール運営会社)も桐谷さんが推奨する銘柄です。

All Aboutのインタビューで桐谷さんは、「イオンモール(8905)は、100株で20万円ぐらいになりますが、配当利回りが約2.5%あります。また、100株以上の保有でイオンギフトカード(3000円分)がもらえ、『まいばすけっと』などのイオングループのお店で1円単位で使えます。優待と合わせた総合利回りは、約4%になるので良い銘柄だと思います」と評価しています。

5-5 アルペン(3028)

アルペンはスポーツ用品の大手チェーンです。ダイヤモンド・オンラインの記事で桐谷さんは、「私の大のお気に入り」と紹介しています。

100株で500円の商品券が4枚もらえます。桐谷さんが特に活用しているのは、埼玉県川口市にあった「アウトレット店」(後に別業態に変更)。優待券が使えるうえに驚異の割引率で、「1万円以上するアディダスのスニーカーが980円とか、3150円のニット帽が98円」というレベルの掘り出し物があったといいます。

5-6 マックハウス(7603)

マックハウスはカジュアル衣料品の専門チェーンです。ダイヤモンド・オンラインの記事で桐谷さんが紹介しています。

優待は1000円の優待券が年2回もらえます。「しょっちゅうバーゲンをやっていて、500円のマスクが100円。ズボンも定価の10分の1で買いました」と桐谷さんは語っています。

5-7 ハピネス・アンド・ディ(3174)

ハピネス・アンド・ディはアクセサリーや時計の販売を行う企業です。桐谷さんが夏場の優待消化のために、東京・中野の自宅から埼玉県川口市まで自転車で1時間かけて買い物に行く、ある意味「桐谷自転車生活の象徴」的な銘柄です。

100株で約7万3000円、配当利回りは約2%程度。8月には実店舗で使える2000円分の買い物券と10%割引券、2月には優待商品と10%割引券がもらえます。

東京23区内に店舗がないため、桐谷さんは自転車でイオンモール川口の「ブランドショップハピネス」まで買い物に行きます。日経新聞のコラムによれば、2年前の8月には腕時計、カップ、小銭入れを優待券で購入したとのこと。

5-8 キャンドゥ(2698)

キャンドゥは100円ショップチェーンです。ダイヤモンド・オンラインの記事で桐谷さんが紹介しています。

優待は100円の買物券が20枚(合計2000円相当)。桐谷さんは「『マル得2倍』というパッケージが時々売り出されるので、それをすかさず狙います。金額据え置きで中身が2倍になるんです。絶対オトクですよ」と紹介しています。

100円ショップの優待は、日用品全般に使えるため、生活費の節約に直結します。

5-9 バロックジャパンリミテッド(3548)

バロックジャパンリミテッドは「MOUSSY」「SLY」など若年女性向けアパレル店を展開する企業です。

All Aboutのインタビューで桐谷さんは、「主に若者向けのカジュアルファッションを手掛けているバロックジャパンリミテッドは、100株で7万~8万円ほどで、配当利回りは約4%です。さらに、2000円分のクーポン券が年2回もらえるため、総合利回りは約10%になります。このクーポン券は、同社が運営する店舗や通販サイトで使うことができ、送料も無料です」と評価しています。

総合利回り10%という高水準は、桐谷哲学の基準である4%を大きく上回ります。ダイヤモンド・ザイ2025年11月の記事でも、「配当+優待利回り=10%超」として2026年の1月&2月の権利確定銘柄の中でトップ推奨されています。

5-10 タカキュー(8166)

紳士服・婦人服の専門店チェーンです。優待でスーツなどをお得に買えます。

5-11 サックスバー・ホールディングス(9990)

第2章でも触れたサックスバー・ホールディングスは、カバン・バッグ専門店です。実用的なカバンを優待でお得にゲットできます。

5-12 西松屋チェーン(7545)

西松屋チェーンは子供服・ベビー用品の専門チェーンです。お子さんやお孫さんがいる家庭に人気の優待を出しています。桐谷さん自身は独身ですが、家族や友人へのプレゼント用として活用するケースもあります。

5-13 トリドールホールディングス(3397)

トリドールホールディングスは「丸亀製麺」「コナズ珈琲」などを展開する外食企業です。優待は自社店舗で使える優待割引券で、丸亀製麺ファンに人気です。

5-14 アスクル(2678)

アスクルはオフィス用品通販大手です。優待で割引券などがもらえます。


第6章 食品・飲料・健康関連銘柄 ― 生活必需品の優待コレクション

桐谷さんは食生活の多くを優待品で賄っているため、食品関連の優待銘柄も多数保有しています。

6-1 雪国まいたけ(1375)

雪国まいたけは、まいたけ・きのこ類の生産・販売で国内最大手の企業です。

日経新聞の連載で桐谷さんは、「6カ月以上保有で自社製品セットがもらえます。3つぐらいの製品セットから好きなものを選べる優待です。配当と優待を合わせた総合利回りが6%ほどあり、私の銘柄選びの基準である総合利回り4%以上をクリアして合格です」と紹介しています。

きのこは栄養価が高く健康的な食材なので、桐谷さんの「健康志向」とも合致しています。

6-2 東邦銀行(8346)

東邦銀行は福島県の地方銀行です。

日経新聞のコラムで桐谷さんが「ブドウの優待品では最も素晴らしい」と絶賛しているのが、東邦銀行の優待カタログです。1000株以上を5年以上保有すると届く5000円相当の優待カタログで、福島県産の豪華なブドウのセット(数量限定)が選べます。

「品物が実際に届くのは9月下旬以降ですが、近年は10月ごろまで暑い日が続きますから、冷やしてさっぱりと食べられるブドウはうれしいです」とコメントしています。複数の品種が入っているのも魅力で、桐谷さんは毎年楽しみにしているそうです。

6-3 AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)

AFC-HDアムスライフサイエンスは健康食品メーカーです。

日経新聞のコラムで桐谷さんは、「夏バテ対策の健康食品として私が時々飲んでいるのが『生ローヤルゼリー』」と紹介しています。これはAFC-HDの優待カタログで選んだものだそうです。

6-4 サッポロホールディングス(2501)

サッポロホールディングスは、サッポロビール、エビスビール、ヱビスなどで知られる総合ビールメーカーです。

桐谷さんの夏場の優待生活で活躍するのが、サッポロHDの優待でもらえる缶ビールです。日経新聞のコラムで桐谷さんも、「サッポロホールディングスからは缶ビール」と紹介しています。

6-5 アビスト(6087)

アビストは設計・開発の人材サービス会社ですが、優待で「水素水」を提供していることで知られます。

桐谷さんが日経新聞のコラムで明かしているところによれば、「アビストの水はパウチ入りで、外出時の水分補給にも便利です」とのこと。自転車で都内を走り回る桐谷さんにとって、優待でもらえる飲料水は実用性が高いです。

6-6 ドウシシャ(7483)

ドウシシャは家庭用品の卸売会社で、「ピーコック魔法瓶」「ハリオ」などのブランドを扱います。優待で「そうめん」などの食品もカタログから選べます。

夏に食べる機会が多いそうめんを優待でもらえるのは、桐谷さんお気に入りの活用法の一つです。

6-7 鳥越製粉(2009)

鳥越製粉は製粉企業で、そうめんやうどんの優待が人気です。日経新聞のコラムで桐谷さんは、「夏に食べる機会が多いそうめんは、ドウシシャや鳥越製粉の優待でもらえます」と紹介しています。

6-8 ミニストップ(9946)

ミニストップはコンビニチェーンで、ソフトクリーム発祥のコンビニとして知られます。

優待は「ソフトクリーム無料券」などで、桐谷さんは日経新聞のコラムで「ミニストップのソフトクリーム無料券も、暑い季節に合う優待として定番」と紹介しています。

6-9 篠崎屋(旧2926)

篠崎屋は豆腐店を展開していた企業で、桐谷さんの「優待人生」の原点の一つとなった銘柄です(その後、優待を廃止)。

リーマンショックで赤貧生活を強いられていた桐谷さんを「数年間生かしてくれた」のが、篠崎屋の優待券だったといいます。豆腐や総菜、漬物などを安く買い、おかずにできたとのこと。日経新聞のインタビューで桐谷さんは「当時はとても助けられました」と回顧しています。

優待廃止は残念ですが、桐谷さんが優待投資に転身する原点となった、思い出深い銘柄です。

6-10 イオン(8267) / DM三井製糖ホールディングス(2109)

DM三井製糖ホールディングスは、ダイヤモンド・ザイ2024年4月の記事で桐谷さんが2023年の戦績として紹介した銘柄です。

「DM三井製糖ホールディングスは、株主優待の改悪と増配を同時に発表。以前から同社の株を100株保有していた桐谷さんだが『改悪の影響で、100株より200株のほうが優待利回りが高くなる逆転現象が起こりました。そこで発表後すぐに100株を買い増し。そこから株価は上がり、配当と株主優待に加え、値上がり益まで得られました』」とのこと。

これは「優待改悪のマイナス情報も、合理的に分析すれば買いのチャンスになる」という、桐谷流の柔軟な思考を示すエピソードです。

6-11 一正蒲鉾(2904)

一正蒲鉾は魚肉練り製品大手です。桐谷さんの過去著書のレビュー(Amazon)によれば、桐谷さんが推奨した時点では794円だった株価が、後に1047円に上昇したとのこと。優待は自社製品セットなどで、生活実用度の高い銘柄です。

6-12 ケンコーマヨネーズ(2915)

ケンコーマヨネーズは業務用マヨネーズ・ドレッシングメーカーです。同じくAmazonの著書レビューで、桐谷さん推奨後に1110円→1760円と上昇した実績があります。

6-13 石井食品(2894)

石井食品は離乳食「ミートボール」などで知られる食品メーカーです。桐谷さん推奨後、1970円→2370円に上昇した実績が著書レビューに記録されています。

6-14 マルイチ産商(8228)

マルイチ産商は水産食品の卸売企業です。優待で水産品セットなどがもらえます。


第7章 旅行・レジャー・健康関連銘柄 ― 人生を楽しむための優待

桐谷さんの優待生活は、節約だけでなく「人生を楽しむ」ことも大きな目的です。本章では、旅行・レジャー・健康関連の銘柄を紹介します。

7-1 日本航空(9201)

日本航空(JAL)は日本の航空大手の一角です。ダイヤモンド・ザイの2026年の記事で、桐谷さんが「2026年・初春のおすすめ優待株」として紹介しました。

優待は、国内線が片道50%割引になる「株主優待割引券」です。出張や旅行で国内線を使う機会のある人には、極めて価値の高い優待です。

桐谷さん自身、講演などで地方に行く機会が多いため、JALの優待は重宝しています。

7-2 ANAホールディングス(9202)

ANAホールディングスも同様に、国内線が片道50%割引になる優待を出しています。

日本の二大航空会社の優待を両方持っておけば、国内移動の選択肢が広がります。桐谷さんも両社の優待を保有していると考えられます。

7-3 飯田グループホールディングス(3291)

飯田グループホールディングスは戸建分譲住宅の最大手企業です。SBI証券のサイトで桐谷さんが推奨しました。

優待は、神奈川県・江の島の「江の島アイランドスパ」温泉・プールエリア利用券が4枚もらえる珍しいもの。1枚2000円相当で、合計8000円相当の優待です。配当利回りは4.22%で、桐谷さんは「『日経累進高配当株指数の採用銘柄(30銘柄)一覧』に載っている30銘柄のうち、優待があるよい銘柄です」と評価しています。

桐谷さんの茶目っ気あるコメントとして、「十数年間優待をもらっていますが、一度も誰かと行けておらず今年度こそは誰かと行きたいと思っています」というのが秀逸です。

7-4 ルネサンス(2378)

ルネサンスはスポーツクラブ大手です。野村インベスター・リレーションズのサイトで桐谷さんは、「ルネサンス(2378)運営のスポーツクラブで運動をしたり、サウナに入ったり、優待券で1日過ごせます」と紹介しています。

ダイヤモンド・ザイの2025年5月の記事でも、桐谷さんが推奨する「2025年・春のおすすめ優待株3銘柄」として紹介され、「サウナで癒される」と評価されています。

桐谷さんは健康維持のためにスポーツジムにも通っており、ルネサンスはまさにそのための優待として活用しています。

7-5 ヒマラヤ(7514)

第2章で紹介した通り、スポーツ用品店のヒマラヤです。健康維持のためのスポーツ用品を優待で購入できます。

7-6 平和(6412)

第2章で紹介した通り、PGM運営のゴルフ場で使える優待券をもらえる銘柄です。

7-7 第一交通産業(9035)

第一交通産業はタクシー・ハイヤー大手です。楽天証券のYouTube動画で、桐谷さんが「初心者におすすめな優待株5選」として紹介しています。

優待はグループのタクシーやレジャー施設で使える割引券などです。

7-8 NTT(9432)

NTT(日本電信電話)は日本の通信最大手です。楽天証券「トウシル」のYouTube動画で、桐谷さんが「初心者におすすめ」として紹介しています。

連続増配企業として知られ、優待制度も持っています。電話・通信は誰もが利用するインフラなので、優待の使い勝手も良いです。

7-9 ソフトバンク(9434)

ソフトバンクは通信大手で、ソフトバンクグループの傘下にあります。同じく楽天証券のYouTube動画で桐谷さんが推奨。

高配当株として個人投資家に人気で、PayPayポイントなどのデジタルギフト優待があります。

7-10 三菱商事(8058) ― 「隠れ優待」

桐谷さんが日経新聞のコラムで明かしている、ちょっと変わったエピソードです。

「食事の際に、三菱商事の隠れ優待である『静嘉堂文庫美術館』の招待券を妹たちにあげたら、喜んでいましたね」とのこと。

「隠れ優待」とは、公式に株主優待制度として発表されていないものの、株主に対して特別な特典を提供する仕組みです。三菱商事の隠れ優待は、傘下の静嘉堂文庫美術館の招待券などで、文化的な楽しみを株主に提供しています。


第8章 連続増配・累進配当銘柄 ― 配当が育つ楽しみ

桐谷さんが近年特に重視しているのが、連続増配株と累進配当株です。本章では、これらのカテゴリーで桐谷さんが推奨してきた銘柄を見ていきます。

8-1 王子ホールディングス(3861)

第4章で詳述した通り、王子HDは累進配当銘柄として桐谷さんが推奨しています。「日経累進高配当株指数」の採用銘柄でもあります。

8-2 飯田グループホールディングス(3291)

第7章で詳述した飯田グループHDも、「日経累進高配当株指数」の採用銘柄の一つです。

8-3 INPEX(1605)

第4章で紹介したINPEXは、配当利回り4%超で連続増配を実施している銘柄です。

8-4 日本曹達(4041)

日本曹達は化学メーカーで、ダイヤモンド・ザイ2026年3月の記事で「累進配当のおすすめ高配当株」として紹介された銘柄の一つです。配当利回りが3%台後半で、業績も好調です。

8-5 三菱HCキャピタル(8593)

三菱HCキャピタルは大手リース会社で、26期連続増配で利回り2.9%(2026年最新版時点)の連続増配銘柄です。

8-6 花王(4452)

花王は日用品・化粧品メーカーで、36期連続増配の超優良連続増配銘柄として知られます。配当利回りは低めですが、増配が長く続くことで「自分の買値に対する利回り」は年々上昇していきます。

8-7 サンドラッグ(9989)

サンドラッグはドラッグストア大手で、24期連続増配の銘柄です。ダイヤモンド・ザイ2026年2月の記事で、「連続増配+株主優待で初心者にもおすすめの高配当株」として紹介されました。

8-8 イエローハット(9882)

イエローハットはカー用品大手で、16期連続増配の銘柄です。同じくダイヤモンド・ザイの記事で紹介されています。

8-9 スクロール(8005)

スクロールは通信販売・小売の企業で、3期連続増配を発表し、配当利回り7.8%(ダイヤモンド・ザイ2026年5月時点)に達した銘柄です。年間配当は3年で2.4倍に増加しています。


第9章 桐谷さんの「儲けた株」 ― 値上がりTOP5&代表的成功銘柄

桐谷さんは1000社以上の優待銘柄を保有していますが、その中には、長期保有によって株価が大きく値上がりした銘柄も多数あります。楽天証券「トウシル」の2026年1月の記事から、桐谷さんが直近10年で最も値上がりさせた銘柄TOP5を紹介します。

9-1 テクノ菱和(1965)― 10年で約9倍

テクノ菱和は空調工事を手がける企業です。桐谷さんが楽天証券「トウシル」のインタビューで紹介した「値上がり率TOP5」のトップに位置する銘柄です。

桐谷さんは株価が600円くらいの時に購入し、2025年12月時点では5800円ほどに上昇。実に約9倍の値上がりです。

ただし優待は「静岡の新茶を決算期末日に100株以上を保有している人に1パック、1000株以上を保有している人に2パック贈られるだけ」とのことで、桐谷さんは「全然大したことないです」と率直に評価しています。値上がり益で十分すぎる利益を得たので、優待の物足りなさは気にならない、ということでしょう。

この銘柄の興味深いところは、桐谷さんが値上がりを狙って買ったわけではなく、優待を目当てに買った結果、株価が大きく上昇したという点です。「優待目当てで買った株が、結果的に値上がりして大儲け」というのは、桐谷哲学が体現する「農耕型投資の理想形」と言えます。

9-2 タマホーム(1419)― 約9倍の高値をつけた時期も

タマホームは住宅メーカーで、桐谷さんが楽天証券「トウシル」で「いい優待を出している銘柄の中で、この10年間で一番値上がりしていた」と紹介した銘柄です。

「2015年1月には株価が533円だったところ、約9倍の高値をつけた時期がありました」とのこと。「今は少し下がっていますが」という付言からも、桐谷さんが冷静に高値→下落の流れを見ていることがわかります。

タマホームは11月30日時点で100株以上を保有しているとQUOカードがもらえます。保有期間が3年未満の場合は2000円分で、3年以上であれば4000円分です。

9-3 ソフト99コーポレーション(4464)― 2025年TOBで約4倍

ソフト99コーポレーションは、カーケア用品の大手企業です。ダイヤモンド・ザイ2026年2月号の特集で、桐谷さんが2025年に「儲けた株」として紹介しました。

桐谷さんのコメントは秀逸です。「2006年に1036円で100株買ってから、自社製品などの株主優待をもらうために持ち続けていたんです。すると2025年、TOBが発表されて買値から約4倍まで急騰したのは驚きました!」

2006年から2025年まで、実に19年間も保有し続けた銘柄が、TOB(株式公開買付)の発表で約4倍に急騰したのです。これは「長期保有の極み」が報われた典型的なケースです。

桐谷さんが「優待のために買って、何十年も持ち続ける」というスタイルは、こうした「忘れた頃にやってくる大化け」のチャンスを掴むための準備でもあるのです。

9-4 マツモト(7901)

マツモトは学校アルバム製造の企業です。ダイヤモンド・ザイ2026年2月号で「儲けた株」として紹介されました。

桐谷さんのコメントは、「この銘柄は2022年に7000円近くまで高騰したことがあったんです。当時、安値で買って利益が出たことを覚えていて。2025年1月に安値になっていたので買ったら、夏に株価が上昇。そこで利益を確定しました」とのこと。

これは「過去に儲けた銘柄を、再度安値で仕込んで利確する」という、桐谷さんならではの「リピート投資」の好例です。何百もの銘柄を頭に入れている桐谷さんだからこそ、「あの時の安値圏に近づいた」と判断して再投資できるのでしょう。

9-5 コメダホールディングス(3543)

第3章で紹介した通り、コメダHDも桐谷さんの「儲けた株」の代表格です。2016年の上場直後に1850円で100株購入し、2026年4月時点で3030円。約10年で1.6倍に上昇し、その間ずっと優待ポイントをもらい続けています。

9-6 ジャパンフード、一正蒲鉾、ケンコーマヨネーズ、石井食品(過去著書から)

桐谷さんの過去著書『桐谷さんのもっと儲かる株主優待生活 NISA対応版』(KADOKAWA、2014年)のAmazonレビューでは、巻末で紹介された「オススメ株」がその後ことごとく値上がりしたことが報告されています。

  • ジャパンフード:480円→790円
  • 一正蒲鉾:794円→1047円
  • ケンコーマヨネーズ:1110円→1760円
  • 石井食品:1970円→2370円

レビュアーは「一つでも買っておけば、本の元が取れそう」「さすが桐谷さん!」と評価しています。

9-7 ピーチジョン(旧7770、上場廃止)

桐谷さんは過去にピーチジョン(女性下着のメーカー)の株主優待も保有していたとされています。同社は後に親会社のワコールHDに吸収されて上場廃止になりましたが、当時の桐谷さんが優待目当てで保有していたのは、彼のポートフォリオの幅広さを物語っています。


第10章 桐谷さんの「損した株」と教訓

投資の達人と言われる桐谷さんでも、すべての銘柄で勝てるわけではありません。むしろ、1000銘柄も保有していれば、必ず一定割合は損する銘柄が出てきます。本章では、桐谷さんが正直に語っている「損した株」と、そこから学べる教訓を見ていきます。

10-1 テクノロジーズ(5248)

ダイヤモンド・ザイ2026年2月号の特集で、桐谷さんが2025年に「損した株」として紹介した銘柄の一つがテクノロジーズです。

テクノロジーズは遊技機向けの映像ソフトウェア開発が主力の企業で、2025年6月に電子ギフトの株主優待の新設を発表しました。桐谷さんは1000株を購入しましたが、株価は下落トレンドに入ってしまったとのことです。

これは「優待新設の発表後すぐに買うのは危険」という桐谷さん自身の教えに、ある意味反する行動だったとも言えます。1000株という大きな単元で買ったことも含めて、反省の銘柄になったでしょう。

10-2 学情(2301)

同じくダイヤモンド・ザイ2026年2月号で紹介された「損した株」が学情です。学情は若手向け人材サービスの「Re就活」「Re就活キャンパス」を展開する企業です。

人材サービス業界は景気サイクルに影響されやすく、業績変動が大きいセクターです。

10-3 篠崎屋 ― 優待廃止のリスクの典型

第6章でも紹介した篠崎屋は、桐谷さんを救った豆腐の優待を、その後廃止してしまいました。

優待廃止は、桐谷哲学にとって最大のリスク要因の一つです。「優待目当てで持っていた銘柄が優待を廃止すると、株価が急落するだけでなく、保有理由が消失します」。桐谷さんは「優待廃止は残念」と語っていますが、これは桐谷流投資の限界の一つを示しています。

ダイヤモンド・ザイ2026年5月の記事では、ソネックという企業が優待廃止を発表して株価が21%急落した例が紹介されています。また、三菱マテリアルは2026年2月に金・銀・プラチナの売買時に優待価格が適用されていた優待を廃止すると発表しています。AIAIグループも優待廃止を発表しました。

優待廃止は、いつどの銘柄で起きるか予測が難しく、桐谷流投資の構造的なリスクと言えます。

10-4 リーマンショック時の信用取引

桐谷さんの最大の「損した」経験は、2008年のリーマンショック時の信用取引です。3億円の資産が5000万円まで激減した経験は、桐谷哲学の根幹を変えました。

この教訓から、桐谷さんは「信用取引は絶対やらない」「現物だけで取引する」という鉄則を確立しました。

10-5 損した株から学べる教訓

桐谷さんが正直に「損した株」を公開してくれることから、私たちは以下の教訓を学べます。

  1. 優待新設の発表直後に飛びつかない ― 桐谷さん自身がテクノロジーズで陥った罠
  2. 業績変動の大きい銘柄は注意 ― 学情のような景気敏感セクター
  3. 優待廃止リスクは常に存在 ― 篠崎屋、ソネック、三菱マテリアルなど
  4. 信用取引は絶対に避ける ― 桐谷さんの最大の教訓

桐谷さんの強みは、損した株があっても、それを上回る儲けた株があり、トータルでプラスを維持していることです。1000銘柄に分散しているからこそ、個別銘柄の損失がポートフォリオ全体を毀損しないのです。


第11章 IPO株への桐谷流アプローチ

桐谷さんは新規上場(IPO)株にも独自の視点でアプローチしています。

11-1 桐谷さんのIPO投資基準

日経新聞2023年2月の記事で、桐谷さんはIPO株への投資について次のように語っています。「IPO株投資でうまくいく例は、配当利回りがそれなりにある銘柄。配当が下支えになって、買値から大きく株価が下がることはありません。やはり安くなった配当株や優待株を買うのが、一番の投資法です」

つまり、桐谷さんはIPO株を「成長性」だけで判断するのではなく、「配当の有無」を重要な判断基準にしているのです。これは、桐谷哲学の「現金フローを重視する」姿勢と一貫しています。

11-2 公募価格から半減した銘柄を拾うチャレンジ

桐谷さんは「IPO株で公募価格から株価が半減するなど大きく下落した銘柄を買うチャレンジングな一面も」あると、日経新聞で紹介されています。

IPOで人気が出すぎて公募価格を大きく超えた後、その後業績期待ほどの成長を遂げられず大きく下落する銘柄は、配当利回りで見ると割安水準になっていることがあります。こうした銘柄を、桐谷流の「総合利回り4%以上」基準でスクリーニングして拾うのです。

11-3 コメダHD ― IPO即優待発表で買った成功例

第3章・第9章で紹介したコメダHDは、2016年のIPO直後に株主優待を発表したため、桐谷さんが上場直後に1850円で100株を購入。約10年で株価は3030円まで上昇し、その間ずっと優待ポイントを得ています。

これは「IPO直後に優待発表→桐谷流の基準でクリア→即購入」という、桐谷さんならではのIPO投資成功例です。


第12章 2025年4月「関税ショック」で買った53銘柄

ダイヤモンド・ザイ2026年2月号の巻頭特集「桐谷さんのゆく年くる年」で公開された、桐谷さんの2025年の大勝負の話は印象的です。

12-1 暴落の状況

2025年4月、トランプ大統領の関税発言を受けて日本の株式市場は大暴落しました。日経平均株価は1週間で5000円以上下落し、4月には3万792円の安値をつけました。

多くの個人投資家、特に新NISAで投資を始めたばかりの人々は「やっぱり投資なんてギャンブルなんだ」と動揺しました。

12-2 桐谷さんの行動 ― 8営業日で53銘柄を購入

その混乱の最中、桐谷さんは何をしていたのか。なんと、4月2日から4月11日までの8営業日で、合計53銘柄を購入したのです。

桐谷さんのコメントは、「少し前まで株価がどんどん上がって、利益確定して手放した株もどんどん上がって。それを『あ~あ』と指をくわえて見ていました。そんな株の値段がどーんと下がったわけです! 暴落は、いい銘柄を買い戻す絶好のチャンスなんですよ!」

12-3 結果 ― 53銘柄中44銘柄が含み益に

ダイヤモンド・ザイの2026年2月号によれば、桐谷さんが4月に買った53銘柄のうち、44銘柄が2025年12月3日時点で含み益になっているとのことです。勝率は約83%という驚異的な成績です。

12-4 桐谷流暴落投資の5つの心構え

桐谷さんがダイヤモンド・ザイで語った「暴落相場での心構え」を整理すると、以下のようになります。

  1. 暴落は買いのチャンス ― 「バーゲンセール」と捉える
  2. 損切りはしない ― 分散投資しているから、戻る可能性を信じて持ち続ける
  3. 銘柄を分散する ― 暴落時に下がるものがあっても、一方で上がるものもある
  4. 信用取引は使わない ― リーマンショックの教訓
  5. 平常心を保つ ― 1日1000円動いても一喜一憂しない

これらは桐谷さんが40年以上の投資経験で確立した、暴落時の鉄則です。


第13章 桐谷さんが家族・友人と楽しむ優待

桐谷さんの優待生活は、独りで楽しむものではなく、家族や友人と共有することで、さらに豊かになっています。

13-1 妹たちとの恒例食事会

日経新聞2025年5月のコラムで桐谷さんが明かしているところによれば、「近年は1月半ばに、妹たちやめいと会って食事をするのが恒例になっています」とのこと。

2025年1月は、すかいらーくホールディングスの優待を使って「しゃぶ葉」でしゃぶしゃぶの食べ放題を楽しみました。すかいらーくHDを1000株保有していると、年3万4000円分の優待カードがもらえるため、家族での食事に十分な金額です。

そして食事の際に、桐谷さんは三菱商事の「隠れ優待」である静嘉堂文庫美術館の招待券を妹たちにプレゼント。家族で文化的な楽しみも共有しています。

13-2 妹たちと共有するヒマラヤ優待

第2章で紹介したヒマラヤ(7514)は、桐谷さんの妹たちも保有しているそうです。2025年11月末で期限が切れる券があったため、妹の分と合わせて6000円分を集めて木場まで電車で買い物に行き、ポイントも使って6160円の服を「1円も使わずに買えた」という話を、桐谷さんは楽天証券のインタビューで明かしています。

13-3 友人との外食

桐谷さんは大庄やチムニーの優待を、3〜4人やそれ以上の友人との食事で活用しています。「もらえる優待の金額が大きめで、3〜4人やそれ以上でも手軽に使えるお店が多いのが便利」と日経新聞で語っています。

13-4 X(旧Twitter)でファンとの交流

桐谷さんは2021年からX(旧Twitter)で発信を開始し、定期的に保有株や優待利用の様子を投稿しています。アカウントは「桐谷広人・桐谷さん【公式】@yuutaihiroto」です。

桐谷さんは当初「Twitterに興味はなかったが、自身を騙る偽物のアカウントを辞めさせるために始めた」と語っています。優待でもらった食事や買い物の写真を投稿すると、ファンから多数の反応があり、独自のコミュニティが形成されています。

13-5 講演活動

桐谷さんはテレビ出演だけでなく、講演活動も精力的に行っています。「優待について講演できる人間はわずか」(日経マネー)と語る通り、桐谷さんの独自のポジションは、講演業として確立しています。


第14章 銘柄選びの実践的アドバイス

ここまでで紹介した銘柄を踏まえ、桐谷さんが伝える「銘柄選びの実践的アドバイス」を整理します。

14-1 初心者は「自分が使える優待」から

桐谷さんは『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門 改訂版』で、初心者には「自分が欲しい優待」から銘柄を選ぶことを勧めています。

利回りや業績も大事ですが、まず「もらって嬉しい優待」を選ぶことで、株式投資が「楽しいもの」になり、長く続けられます。

14-2 まず100株から始める

桐谷さんは「まずは100株から」を繰り返し勧めています。投資金額は10万円前後で始められる銘柄も多く、リスクも限定的です。

100株で優待がもらえる銘柄は多数あり、ビックカメラ、エディオン、コメダHD、すかいらーくHD、クリエイト・レストランツHDなど、桐谷さんの推奨銘柄の多くが100株から優待をもらえる仕組みです。

14-3 業種・地域・権利確定月を分散

銘柄を選ぶ際には、業種、地域(店舗の所在地)、権利確定月を分散させることが大切です。

特に権利確定月の分散は重要で、3月決算企業ばかり持つと、9月(中間期)と3月(期末)に優待が集中し、消化が大変になります。2月、5月、8月、11月決算の企業を意識的に組み入れて、年間を通じてバランスよく優待が届くようにポートフォリオを組むのが、桐谷流の知恵です。

14-4 桐谷さんの12ヶ月優待カレンダー(推奨銘柄例)

ダイヤモンド・ザイの「桐谷さんの株主優待銘柄」コーナーや「お金カレンダー」では、月ごとのおすすめ優待株が紹介されています。

  • 1月権利確定:クロスプラス(3320)
  • 2月権利確定:バロックジャパンリミテッド(3548)、ビックカメラ(3048)、ハピネス・アンド・ディ(3174)、イオン(8267)、イオンモール(8905)、コメダホールディングス(3543)、すかいらーくホールディングス(3197)、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)、昴(9778)
  • 3月権利確定:リズム(7769)、ファースト住建(8917)、王子ホールディングス(3861)、INPEX(1605)、すかいらーくHD(3197)、コメダHD(3543)、JAL(9201)、ANA(9202)、エディオン(2730)、あじかん(2907)、飯田グループHD(3291)
  • 4月権利確定:(少なめ)
  • 5月権利確定:(少なめ)
  • 6月権利確定:(少なめ)
  • 8月権利確定:AVANTIA(8904)、ビックカメラ(3048)、ハピネス・アンド・ディ(3174)、明光ネットワークジャパン(4668)、ヒマラヤ(7514)、昴(9778)
  • 11月権利確定:タマホーム(1419)
  • 12月権利確定:ミヨシ油脂(4404)、ダイトーケミックス(4366)

14-5 SBI証券の「企業スコア」を活用

桐谷さんはSBI証券の「企業スコア」を、買い時を決める一つの参考にしているそうです。SBI証券のサイトでは、桐谷さんが普段の銘柄チェックに使っている画面を、実際の操作画面と共に紹介しています。

「国内株式」>「銘柄検索」から銘柄を検索し、「分析」タブで企業スコアを確認するという流れです。

14-6 「優待+配当」を一覧化して管理

桐谷さんは1000銘柄も持っているため、それらを管理するためにExcelやノートで管理しています。書籍『桐谷さんの株入門』でも、「気になることは投資ノートにすべて記入せよ」「買い検討中の銘柄リストを作ろう!」「株を買ったら株管理ノートで損益や利回りを確認しよう」というアドバイスをしています。

14-7 暴落時に買えるよう「待機資金」を確保

第1章でも触れましたが、桐谷さんは現金1億円ほどを手元に置いて、暴落時の買い場に備えています。個人投資家も、暴落時に買えるよう、ある程度の待機資金を持っておくことが重要です。

14-8 NISA活用 ― 配当の高い優待株をNISA枠で

桐谷さんはダイヤモンド・オンラインで、「NISAで買うべきイチオシは高配当な株主優待株」と明言しています。優待は通常口座でも非課税ですが、配当には20%強の税金がかかるからです。

NISAの成長投資枠(年240万円)を使って、配当の高い優待株を組み入れるのが、桐谷流の節税戦略です。


第15章 桐谷さんの保有銘柄を真似する際の注意点

最後に、本稿で紹介してきた桐谷さんの保有・推奨銘柄を真似する際の、重要な注意点を整理しておきます。

15-1 株価・配当・優待は変化する

本稿で紹介した株価、配当利回り、優待内容は、すべて各取材時点・記事執筆時点のものです。これらは時間とともに変化します。

実際に投資する際は、必ず各企業の最新IR情報、証券取引所の開示情報、最新の証券会社のデータをご確認ください。

15-2 優待廃止リスクを必ず想定

第10章で見たように、優待廃止は突然やってきます。最近では、ソネック、三菱マテリアル、AIAIグループなど、桐谷さんも保有してきた可能性のある銘柄でも優待廃止が相次いでいます。

優待廃止の発表があれば、株価は急落することが多いので、その時にどう対応するかを事前に考えておく必要があります。

15-3 桐谷さんと自分のライフスタイルの違い

桐谷さんは独身、東京・中野在住、自転車で都内を縦横無尽に移動できる体力、年間を通じて優待消化に時間を割ける自由 ― という特殊な条件下で優待生活を送っています。

地方在住、家族持ち、フルタイム勤務の個人投資家には、桐谷さんとまったく同じやり方は適用できません。自分の生活圏で使える優待、自分のライフスタイルに合った優待を中心に選ぶことが大切です。

15-4 「桐谷さんが買った」だけで買わない

桐谷さんがメディアで推奨した銘柄は、その直後に個人投資家からの買いが集まって株価が上昇することがあります(いわゆる「桐谷効果」)。

「桐谷さんが買った」というだけで飛びつくと、すでに割高水準で買うことになり、桐谷哲学の「総合利回り4%以上」基準を満たさないことがあります。必ず自分で利回り計算をして、自分の基準を満たしているかを確認してから買うことが重要です。

15-5 分散の重要性

桐谷さん自身が約1000銘柄に分散しているのは、リスク管理の意味があります。たとえ桐谷さんの推奨銘柄であっても、1〜2銘柄に集中して投資するのは危険です。

最低でも10〜20銘柄に分散することを心がけましょう。

15-6 投資は自己責任

最後に、最も重要なことです。投資はすべて自己責任で行うものです。桐谷さんも書籍やインタビューで、「投資は自己責任」「自分に合った投資法を見つけることが大切」と繰り返し述べています。

桐谷さんが推奨した銘柄であっても、損失が出る可能性は十分にあります。本稿で紹介した銘柄も、特定の銘柄を推奨するものではなく、桐谷さんの投資哲学を理解するための事例として紹介したものです。


結びに ― 桐谷ポートフォリオから学べること

ここまで、桐谷広人さんの投資銘柄について、可能な限り具体的に、ジャンル別・時期別に整理してきました。最後に、桐谷ポートフォリオ全体を俯瞰したときに見えてくる、いくつかの重要なメッセージを、本稿の結びとして整理したいと思います。

第一に、桐谷哲学は「規模よりも分散」を重視しています。桐谷さんが1000銘柄も持っているのは、決して「お金が余っているから」ではなく、リスク管理と「優待の楽しみを最大化する」という二つの目的のためです。個人投資家にとっても、銘柄を分散させることは資産形成の基本中の基本です。

第二に、桐谷哲学は「数字」と「実用性」の両方を見ています。「総合利回り4%以上」という数字の基準を厳守しつつ、「自分が実際に使える優待か」という実用性のチェックも徹底しています。投資判断は感情ではなく数字で、生活への組み込みは実用性で ― この二つを両立させる思考法は、すべての個人投資家が学ぶべきものです。

第三に、桐谷哲学は「時間」を味方につけています。コメダHDを2016年から10年保有、ソフト99コーポレーションを2006年から19年保有、テクノ菱和を10年保有して株価9倍など、桐谷さんの代表的な成功銘柄は、すべて「長期保有」の結果です。投資の世界では、「時間」こそが最大の友であり、桐谷さんはそれを誰よりも体現しています。

第四に、桐谷哲学は「失敗を隠さない」誠実さを持っています。テクノロジーズ、学情で含み損を抱えていること、リーマンショックで信用取引で大損したこと、篠崎屋の優待廃止で残念だったこと ― これらをすべて公開することで、桐谷さんは「成功も失敗も全部含めて投資である」というメッセージを発信しています。

第五に、桐谷哲学は「投資を楽しむ」ことを最重要視しています。桐谷さんが妹たちと優待で食事会を楽しみ、雨の中をカッパ着てかごの屋で寿司を食べ、自転車で川口のイオンモールまで往復し、Xでファンと交流する ― これらすべてが「投資を楽しむ」ことの実践です。投資が楽しい人は、長く続けられる。長く続けられる人が、最終的に資産を築ける。これが桐谷哲学の最大の教訓です。

第六に、桐谷哲学は「再現可能」な側面と「桐谷さん固有」の側面の両方を持っています。「総合利回り4%以上」「分散」「長期保有」「信用取引しない」といった原則は誰でも真似できますが、約1000銘柄を頭に入れて管理する能力、自転車で1時間かけて優待消化に行く体力、テレビ出演で推奨銘柄が買われる影響力 ― これらは桐谷さん固有のものです。私たちが学ぶべきは、「再現可能な部分」を自分のスタイルに落とし込むことです。

桐谷さんが77歳(2026年5月時点)で今も「現役の個人投資家」として元気に活動されている事実そのものが、私たちにとって最大の学びかもしれません。「投資は人生を豊かにする手段」であり、「投資は決して急いで儲ける必要はない」 ― 桐谷ポートフォリオの背後にある、こうした深いメッセージこそが、本稿の最終的な結論です。

本稿で紹介した銘柄は、桐谷さんが推奨してきたものの一部にすぎません。実際にはさらに多くの銘柄が桐谷ポートフォリオには含まれていますし、これからも増えていくでしょう。重要なのは、本稿が「桐谷さんの銘柄リスト」としての参考書ではなく、「桐谷さんがどのように銘柄を選び、なぜそれを保有しているのか」を理解するための導入書として機能することです。

最後にもう一度強調しておきますが、投資判断はすべてご自身の責任で行ってください。本稿で紹介した銘柄、株価、配当、優待内容は、各取材時点・記事執筆時点のものであり、最新の状況とは異なる可能性があります。投資の検討時には必ず最新の情報をご確認ください。

桐谷広人さんの優待ポートフォリオは、単なる投資ポートフォリオではなく、彼が40年以上かけて築いてきた「人生のプロジェクト」です。本稿が、皆様ご自身の投資人生プロジェクトを構築する一助となれば、これに勝る喜びはありません。


参考資料・主な一次情報源

本稿の執筆にあたっては、以下の一次情報・二次情報を参照しました。最新の銘柄情報、株価、優待内容については、必ず各企業のIRページや証券会社の最新情報をご確認ください。

桐谷広人さん本人の発言・著書

  1. 桐谷広人・ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門 改訂版』ダイヤモンド社、2023年9月
  2. 桐谷広人・ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの米国株入門 日本株一筋30年超の僕が米国株に魅かれたワケ』ダイヤモンド社、2021年7月
  3. 桐谷広人『桐谷さんの株主優待のススメ』祥伝社、2020年10月
  4. 桐谷広人『定年後も安心!桐谷さんの株主優待生活――50歳から始めてこれだけおトク』祥伝社、2018年11月
  5. 桐谷広人『桐谷さんのもっと儲かる株主優待生活 NISA対応版』KADOKAWA、2014年9月
  6. 桐谷広人・桐谷さん【公式】X(旧Twitter)アカウント @yuutaihiroto

インタビュー・連載記事(日本経済新聞)

  1. 日本経済新聞『桐谷さんの株主優待 2025年は連続増配中の銘柄から選ぶ』2025年2月5日
  2. 日本経済新聞『桐谷さんのお気に入り「飲食系優待」4銘柄と活用法』2025年4月15日
  3. 日本経済新聞『家族や友人と一緒に楽しめる 桐谷広人さんのお薦め優待』2025年6月1日
  4. 日本経済新聞『桐谷広人さんが思い描いていた「私のシニアライフ」』2025年1月15日
  5. 日本経済新聞『桐谷広人さんが棋士・投資家人生で最も影響を受けた一冊とは』2025年10月9日
  6. 日本経済新聞『夏も自転車で疾走する桐谷広人さん 暑い季節の優待生活は?』2025年6月27日
  7. 日本経済新聞『「利回り4%以上」を厳守 桐谷流・優待投資のルール』2017年5月
  8. 日本経済新聞『優待名人の桐谷広人さんが伝授 4億円突破の優待投資術』2023年2月
  9. 日本経済新聞『桐谷さんの優待投資 リーマン・ショックで心の支えに』2018年11月
  10. 日本経済新聞『桐谷さんが選ぶ「保有条件があるけど持ちたい優待株10」』2023年5月

インタビュー・連載記事(ダイヤモンド・ザイ/ダイヤモンド・オンライン)

  1. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『株主優待名人・桐谷広人さんが「儲けた株&損した株」を公開!2025年4月の関税ショック時に買った53銘柄のうち44銘柄の株価が上昇』2025年12月31日
  2. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷広人さんの「NISA活用術」と「高配当で優待ももらえる2銘柄」を紹介』2026年
  3. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『優待名人・桐谷広人さんの2023年の運用成績を公開』2024年4月
  4. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷さんが買った優待を新設した株など全35銘柄を公開』2025年11月25日
  5. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『日本株 優待名人・桐谷さんが暴落相場での5つの心構えを伝授』2026年1月
  6. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷さんの株主優待銘柄[2026年]』ジャンル別おすすめ情報
  7. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷さんおすすめ株主優待株3銘柄!【2025年・春】クリエイト・レストランツ・HDやルネサンス』2025年5月20日
  8. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『株主優待 桐谷さんが長期保有する推し優待株2銘柄!クリエイト・レストランツ・HD、エー・ピーHD』2026年2月5日
  9. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『株主優待 桐谷さんの投資判断が買いのおすすめ優待株2銘柄!エディオンとビックカメラ』2026年1月23日
  10. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷さんおすすめの1月&2月の株主優待株!バロックジャパンリミテッド、クロスプラス』2025年11月30日
  11. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『桐谷さんおすすめの3月&4月の株主優待株!リズム、ファースト住建』2025年12月6日
  12. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『株主優待 桐谷さん厳選の高配当な優待株2銘柄!ガーデン、あじかん』2026年2月26日
  13. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『高配当株 連続増配+株主優待で初心者にもおすすめの高配当株2銘柄!サンドラッグ、イエローハット』2026年2月27日
  14. ダイヤモンド・ザイ・オンライン『日本株 減配を心配せずに長期保有できる累進配当のおすすめ高配当株2銘柄!飯田グループHD、日本曹達』2026年3月3日
  15. ダイヤモンド・オンライン『「月曜から夜ふかし」で大人気の優待投資家・桐谷広人がこっそり教える株主優待でトクする裏ワザ12連発!』2024年
  16. ダイヤモンド・オンライン『優待名人の桐谷広人さんが「使わなきゃ大損!」と断言する新NISAってどこがスゴイの?』2023年11月
  17. ダイヤモンド・オンライン『優待名人・桐谷広人さんが教える!NISAで買うべきイチオシは高配当な株主優待株!』2023年12月
  18. ダイヤモンド・オンライン『株主優待でおなじみ桐谷さんが株で4億円を築くまで(7)リーマンショックでの大損が優待名人を生んだ奇跡』2021年9月

楽天証券「トウシル」連載

  1. 楽天証券「トウシル」『株主優待名人・桐谷さんが厳選「2026年に注目の10銘柄」』2026年1月1日
  2. 楽天証券「トウシル」『[動画]株主優待名人・桐谷さんが厳選「2026年に注目の10銘柄」』2026年1月6日
  3. 楽天証券「トウシル」『【桐谷さん厳選株主優待】値上がり率TOP5:10年で株価9倍!』2026年1月23日
  4. 楽天証券「トウシル」『優待名人・桐谷さんに聞く!2025年に買いたい注目優待銘柄10+1』2025年1月
  5. 楽天証券「トウシル」『桐谷さん厳選!NISA成長投資枠240万円を株主優待だけで組んでみた!』2025年6月
  6. 楽天証券「トウシル」『第1話:株主優待の桐谷さん、株で失敗する「証券マンとのお付き合いでスタートした株人生」』2018年6月
  7. 楽天証券「トウシル」『第2話:株主優待の桐谷さん、優待に出会う「信用取引の大損で激貧に。優待で食いつなぐ」』
  8. 楽天証券「トウシル」『優待名人・桐谷さんが、トウシル読者の質問にズバリ回答![投資の質問編]』2024年12月

All About/東証マネ部!/日興フロッギー等

  1. All About『桐谷さんが実践する「株価に左右されずに人生が楽しくなる」投資手法』2025年2月
  2. All About『投資家・桐谷さんに質問!「株で『これはやっちまった』という最大の失敗はありますか?」』2023年4月
  3. All About『桐谷さんが心待ちにする「8月の優待銘柄」』2025年7月
  4. All About『桐谷さんが心待ちにする「2月の優待銘柄」』2025年1月
  5. All About『桐谷さんが大損して窮地のときに、父から言われた意外なひと言』2025年8月
  6. 東証マネ部!『株主優待の名人・桐谷さん 引き際と勝ち逃げの大切さを教えてくれた本『リーマン恐慌』』2021年3月
  7. 日興フロッギー『優待株700社保有!桐谷さん直伝「優待投資3ヶ条」』
  8. 日興フロッギー『桐谷さんお気に入りの優待銘柄〜桐谷広人さん後編』
  9. 日興フロッギー『第5話 自称天才の桐谷さん、リーマン・ショックで地獄に落ちる』
  10. 日興フロッギー『第6話 桐谷さん、父の言葉で人生最大の失敗に気づく』2023年8月

SBI証券/野村IR等

  1. SBI証券『年末年始に注目!?桐谷さんが選ぶ優待注目銘柄8選』
  2. 野村インベスター・リレーションズ『桐谷さんおすすめ カテゴリー別 株主優待銘柄』2023年1月
  3. ジチタイワークス『桐谷さんに聞く、株主優待生活からわかった桐谷式株式投資のはなし』
  4. GFSオンライン金融教育スクール『桐谷広人 – 株主優待名人』

テレビ番組・YouTube動画

  1. 日本テレビ系『月曜から夜ふかし』(不定期出演、特に元日SPおよび秋SPで密着取材)
  2. YouTube『初心者におすすめな優待株5選 優待投資家 桐谷広人さん厳選!』楽天証券「トウシル」2026年3月
  3. YouTube『初心者におすすめな高配当+優待 桐谷さん厳選!総利回り株主優待5選+番外編』2026年5月
  4. YouTube『桐谷さんの優待生活に突撃!④~桐谷さん相棒の自転車見せてください!~』楽天証券「トウシル」2024年10月

オリコンニュース等

  1. オリコンニュース『資産7億円の桐谷さん、長期保有の持ち株紹介「配当と優待だけで元は取ってます」』2026年5月
  2. オリコンニュース『投資家の桐谷さん、現在の保有株を紹介「総合利回りは7%」「優待で元は取っているかな」』2026年5月
  3. オリコンニュース『投資家桐谷さん、優待券で爆食い!豪華な食事に大反響』2025年5月12日
  4. オリコンニュース『資産7億円の桐谷さん、保有株を紹介で大反響「理想やわぁ」「かなりお得でしたね」』2026年4月25日(コメダHD)

経歴・人物背景

  1. Wikipedia『桐谷広人』(最終閲覧2026年5月)
  2. 日本将棋連盟『棋士データベース 桐谷広人』
  3. Weblio辞書『桐谷広人(きりたに ひろと)とは何?』
  4. 日経マネー(日経BP):桐谷さん連載記事多数(2025年1月号、2月号、3月号、6月号、11月号など)

免責事項

本稿は、桐谷広人さんの投資銘柄を解説した教育・情報提供を目的とする記事です。特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

本稿で紹介した銘柄の株価、配当、優待内容は、執筆時点の情報源に基づいており、最新の状況とは異なる可能性があります。優待制度は突然変更・廃止される場合があります。投資検討時には、必ず各企業のIR情報、証券取引所の開示情報、最新の証券会社のデータをご確認ください。

本稿の独自分析部分は、桐谷さんの公開された一次情報を基にした読解と論考であり、桐谷さんご本人の見解を代弁するものではないことを明記しておきます。

 

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