- はじめに——「お薬手帳」は「体の履歴書」だ
- 第1章 22〜25歳——「胃薬の時代」(2001〜2004年)
- 第2章 26〜30歳——「睡眠薬が加わった時代」(2005〜2009年)
- 第3章 31〜35歳——「湿布と鎮痛剤の時代」(2010〜2014年)
- 第4章 36〜40歳——「心療内科デビュー」の時代(2015〜2019年)
- 第5章 41〜45歳——「薬との付き合い方」が変わった時代(2020〜2024年)
- 第6章 「手取り16万円の医療費最適化戦略」——お金をかけずに健康を守る
- 第7章 「薬の費用」と「NISAの費用」の比較——健康と資産のどちらを優先するか
- 第8章 「市販薬」vs「処方薬」——手取り16万円の最適な薬の選び方
- 第9章 「歯」の処方箋——お薬手帳に載らないが人生を左右する歯の記録
- 第10章 「メンタルの薬」と「社会の偏見」——エスシタロプラムを飲んでいることを誰にも言えない
- 第11章 「お薬手帳アプリ」の完全ガイド——紙の手帳をデジタル化する
- 第12章 「22年間の医療費」累計——体に投じた総額はいくらか
- 第13章 「薬の副作用」との付き合い方——エスシタロプラムの副作用を8年間管理した記録
- 第14章 「処方箋なしで手に入る『薬』」——散歩・読書・もやし炒めの治療効果
- 第15章 「45歳の健康診断」を読み解く——数値が語る23年間の蓄積
- 第16章 「薬の費用」を最小化する10の方法
- 第17章 「薬」と「季節」の関係——春夏秋冬、体が必要とする薬が変わる
- 第18章 「薬」と「食事」の相互作用——もやし炒めとエスシタロプラムは一緒に食べていいか
- 第19章 「お薬手帳」を「未来の自分」へのメッセージとして読む
- 第20章 「50歳」「55歳」「60歳」「65歳」の処方箋を予測する——未来のお薬手帳
- 第21章 「薬をやめる日」のシミュレーション——エスシタロプラムの減薬・断薬計画
- 第22章 「お薬手帳」と「エンディングノート」の統合——医療情報を死後に伝える
- 第23章 「お薬手帳」から見える「氷河期世代の23年間」の総括
- 結論——「お薬手帳」は「生き延びた証拠」だ
はじめに——「お薬手帳」は「体の履歴書」だ
履歴書が「キャリアの記録」であるように、お薬手帳は「体の記録」だ。22歳から45歳までの23年間に処方された薬の変遷を追えば、「そのときの自分が何に苦しんでいたか」がわかる。胃薬が処方された年は「ストレスが高かった」。睡眠薬が処方された年は「眠れなかった」。湿布が処方された年は「体が悲鳴を上げていた」。薬の記録は「人生の記録」であり、「氷河期世代の23年間の苦闘の物理的な証拠」だ。
このエッセイでは、45歳独身男性の「お薬手帳」を年代順に読み解き、各薬が処方された「背景」「そのときの生活状況」「費用」を記録する。そして「手取り16万円の医療費最適化戦略」を示す。薬を通じた「自伝」は、もやし炒めや発泡酒を通じた自伝とは違う角度から「氷河期世代の23年間」を照射する。
第1章 22〜25歳——「胃薬の時代」(2001〜2004年)
22歳。社会人1年目。ストレス性の胃痛。100社不採用のストレスが胃に来た。「胃がキリキリする」。朝起きると「胃の重さ」。食欲不振。「カップ麺すら食べたくない」。内科を受診。「ストレス性の胃炎ですね」。処方:ファモチジン(胃酸分泌抑制薬)+制酸薬。2週間分。自己負担額:約1200円。
23歳。再び胃痛。最初の派遣先の契約終了。「次の仕事が見つかるだろうか」の不安が胃を直撃。処方:同上。自己負担額:約1200円。この年は3回通院した。年間医療費:約3600円。
24歳。胃痛は落ち着いたが、便秘が始まった。「食生活の偏り」が原因。カップ麺とパスタばかり。食物繊維がゼロ。処方:酸化マグネシウム(便秘薬)。自己負担額:約500円。
25歳。消費者金融で初めて借金した年。ストレスがピークに。胃痛が再発。加えて「動悸」。階段を上るだけで心臓がバクバクする。内科で心電図検査。「異常なし。ストレスでしょう」。処方:メチコバール(ビタミンB12。神経の働きを助ける)。自己負担額:約800円。「異常なし」と言われても「体は苦しい」。異常が見つからない苦しさ。「どこも悪くないのに辛い」。これが「心身症」の入口だったのかもしれない。
第2章 26〜30歳——「睡眠薬が加わった時代」(2005〜2009年)
27歳。不眠が始まった。「夜、眠れない」。布団に入って1時間以上寝つけない。寝ても「夜3時に目が覚める」。内科を受診。「不眠症ですね」。処方:ゾルピデム(睡眠導入剤)。5mg×14日分。自己負担額:約1500円。ゾルピデムを飲むと「30分以内に眠れる」。「薬がないと眠れない」状態になった。「依存」の不安。だが「眠れないよりマシ」。
29歳。リーマンショック。派遣切り。3ヶ月の空白期間。不眠が悪化。加えて「朝起きられない」「何もする気力がない」「食欲がない」。内科の医師に「心療内科を紹介しましょうか」と言われた。だが「心療内科に行く=精神的に問題がある」というスティグマが怖くて断った。処方はゾルピデムの継続。空白期間中の医療費は「国民健康保険」の自己負担3割。ゾルピデム14日分:約1500円。胃薬14日分:約1200円。合計約2700円。空白期間中の「2700円」は「もやし炒め90食分」に相当する。医療費を払うか、もやし炒めを食べるか。究極の選択。
30歳。新しい派遣先が見つかった。不眠は少し改善。ゾルピデムを「頓服」(必要なときだけ使う)に変更。月に5〜10回使用。医師に「できるだけ薬に頼らない方法を試しましょう」と言われ、「寝る前のスマートフォンをやめる」「決まった時刻に寝る」を試した。効果は——「少しだけマシ」。「少しだけ」では解決しないが、「少しだけでもマシならやる」。
第3章 31〜35歳——「湿布と鎮痛剤の時代」(2010〜2014年)
32歳。腰痛が始まった。事務の仕事で「1日8時間座りっぱなし」。「座ること」が「腰を壊す行為」だと知ったのは腰痛になってからだ。整形外科を受診。「腰椎椎間板症(初期のヘルニア予備軍)」。処方:ロキソプロフェン(鎮痛剤)+湿布薬。自己負担額:約2000円。「ロキソニン」は氷河期世代の親友だ。頭痛にも腰痛にも肩こりにも効く「万能鎮痛剤」。だが「痛みの原因を治す薬ではない」。「痛みを感じなくする」だけ。原因(座りすぎ、運動不足、ストレス)は放置されたまま。
34歳。奨学金を完済した年。精神的なストレスが「一段」下がった。不眠が改善し、ゾルピデムの使用頻度が月2〜3回に減った。だが腰痛は続いた。「もやし炒めの調理中に腰が痛い」。10分間立ちっぱなしでフライパンを振ると腰に来る。「もやし炒めが腰痛の原因になっている」可能性がある。(正確には「座りすぎ」が原因で、もやし炒めの10分間は「むしろ立っているから良い」のだが。)
35歳。健康診断で「血圧がやや高い」と指摘された。上130/下85。「正常高値」。まだ薬を飲むレベルではないが「注意が必要」。「塩分を控えてください」。「運動してください」。もやし炒めの醤油——多すぎたか。「減塩醤油に変えよう」。減塩醤油はスーパーで200〜300円。通常の醤油と同じ値段。「醤油を変えるだけで血圧が下がるかもしれない」。
第4章 36〜40歳——「心療内科デビュー」の時代(2015〜2019年)
37歳。ついに心療内科を受診した。きっかけは「電車に乗れなくなった」こと。通勤電車で「突然の動悸」「冷や汗」「呼吸困難」。「死ぬかもしれない」と思った。パニック発作。電車を降りて駅のベンチに座り込んだ。15分で落ち着いた。翌日、同じ症状が出るのが怖くて電車に乗れなかった。欠勤。「このままでは仕事を失う」。意を決して心療内科を予約した。
心療内科の初診。問診40分。「いつから症状がありますか」「仕事は」「家族は」「睡眠は」「食事は」。22歳からの23年間を「医師に話す」のは初めてだった。100社不採用の話。13社の派遣先の話。手取り16万円の話。もやし炒めの話。医師は「それは大変でしたね」と言った。「大変でしたね」。この一言を「専門家」に言ってもらえたことが——想像以上に救いだった。
診断:「適応障害」+「パニック障害」。処方:エスシタロプラム(SSRI。抗うつ薬・抗不安薬)10mg+頓服としてアルプラゾラム(抗不安薬)0.4mg。自己負担額:初診3000円+薬代約2000円=約5000円。月1回の通院で月の医療費は約3000〜4000円。年間約4万円。手取り16万円から年間4万円。もやし炒め1333食分。「精神を守るためにもやし炒め1333食分を使う」。高いか。高い。だが「精神が壊れたら、もやし炒めすら作れなくなる」。精神を守ることは「もやし炒めを守ること」だ。
38歳。エスシタロプラムの効果が出始めた。「朝、起きるのが少しだけ楽になった」。パニック発作の頻度が「月3回→月1回」に減った。電車に乗れるようになった。「薬のおかげで仕事が続けられている」。薬への感謝。同時に「薬がなければ仕事が続けられなかった」事実への複雑な感情。
39歳。NISAを始めた年。心療内科の通院は続いている。エスシタロプラムは「維持量」として5mgに減量。「調子が良いですね。このまま減薬を続けましょう」。「薬を減らせる」ニュースは嬉しかった。「回復している」実感。
第5章 41〜45歳——「薬との付き合い方」が変わった時代(2020〜2024年)
41歳。コロナ禍。派遣切り。心療内科の通院を「オンライン診療」に切り替えた。「自宅からスマートフォンで診察を受けられる」。交通費ゼロ。待ち時間ゼロ。「コロナが唯一もたらした良い変化」としてのオンライン診療。エスシタロプラムは3ヶ月後に再開。コロナ禍のストレスで症状が再燃したため。
43歳。花粉症が発症した。「43歳で花粉症デビュー」。突然のくしゃみ、鼻水、目のかゆみ。耳鼻科を受診。処方:フェキソフェナジン(抗ヒスタミン薬)。自己負担額:約1500円(1ヶ月分)。花粉症は「2〜4月の季節限定」だが年間約4500円のコスト。
45歳(現在)。処方されている薬。エスシタロプラム5mg(心療内科。月1回通院。月約2500円)。ロキソプロフェン(整形外科。腰痛時の頓服。年に3〜4回処方。年約3000円)。フェキソフェナジン(耳鼻科。花粉症の3ヶ月間。年約4500円)。年間の医療費合計:約3万7500円。月平均約3125円。手取り16万円の1.95%。「収入の2%を医療費に使っている」。
第6章 「手取り16万円の医療費最適化戦略」——お金をかけずに健康を守る
戦略1は「ジェネリック医薬品を選ぶ」。先発薬とジェネリックの効果は(原則として)同じ。価格は3〜5割安い。薬局で「ジェネリックでお願いします」と一言言うだけ。年間の節約額は数千円〜1万円。
戦略2は「自立支援医療制度を利用する」。精神科・心療内科の通院費が3割→1割に。月2500円→月約830円に。年間約2万円の節約。「知っているかどうか」で年間2万円が違う。
戦略3は「市販薬で済むものは処方薬をもらわない」。軽い頭痛にロキソニン。薬局で買えば1回分60〜80円。処方箋をもらうために「病院の診察料1000〜2000円+処方箋代+薬局の調剤料」を払うのは「割高」。軽症なら「市販薬のほうがトータルで安い」場合がある。ただし「自己判断で受診をやめる」のは危険。「受診すべきかどうか」の判断が難しい場合は受診する。
戦略4は「予防に投資する」。歯科検診年2回(6000円)。これにより「虫歯の早期発見→治療費の抑制」。散歩30分(0円)。血圧の管理、腰痛の予防、メンタルヘルスの維持。もやし炒め+納豆+バナナの食事(栄養バランスの改善→免疫力の向上→病気の予防)。「予防に使う1万円」は「治療に使う5万円」を防ぐ。
戦略5は「お薬手帳アプリを使う」。紙のお薬手帳を持ち歩く必要がなくなる。薬の飲み合わせのチェックが自動でできる。処方履歴が一覧で見られる。無料のアプリ(「お薬手帳プラス」「EPARKお薬手帳」等)がある。
第7章 「薬の費用」と「NISAの費用」の比較——健康と資産のどちらを優先するか
月の医療費:約3125円。月のNISA積立:約1万円。合計約1万3125円。手取り16万円の8.2%。「収入の8%を健康と資産に投資している」。
「医療費を削ってNISAに回すべきか」。答えは「No」。健康がなければNISAの資産を使う日が来ない。65歳まで生きなければNISAの意味がない。「NISAのために医療費を削る」のは「本末転倒」。逆に「医療費を適切に使うことがNISAの資産を守る」。「健康な体でNISAの積立を20年間続ける」ことが「最も効率的な資産形成」。薬は「体の投資信託」。もやし炒めは「栄養の積立投資」。NISAは「お金の積立投資」。3つの「投資」を同時に行うことが「45歳からの最適な人生戦略」。
第8章 「市販薬」vs「処方薬」——手取り16万円の最適な薬の選び方
「病院に行くべきか、市販薬で済ませるべきか」。この判断は手取り16万円の人間にとって「経済的な判断」でもある。病院に行けば「診察料1000〜3000円+薬代500〜2000円=合計1500〜5000円」。市販薬なら「500〜1500円」。「軽い症状なら市販薬のほうが安い」場合がある。
市販薬で対応できるケース。軽い頭痛(ロキソニンS。12錠700円程度。1回あたり約60円)。軽い胃痛(ガスター10。12錠1200円程度)。風邪の初期症状(パブロン等。1箱600〜1000円)。花粉症(アレグラFX等。14錠1400円程度。1錠100円)。「1回の症状」で「数日で治る」場合は市販薬が「トータルで安い」。
病院に行くべきケース。症状が2週間以上続く。市販薬を使っても改善しない。胸痛、呼吸困難、高熱等の「緊急性がある症状」。メンタルヘルスの問題(市販薬では対応不能)。「2週間」がボーダーライン。2週間以内に治れば「市販薬で正解」。2週間超えたら「病院に行くべき」。「2週間我慢して悪化→入院→数万円」より「早めに受診→1500円の診察料」のほうが「トータルで安い」。
「セルフメディケーション税制」の活用。特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間1万2000円以上購入した場合、超えた分が所得控除される。ロキソニンS、ガスター10、アレグラFX等が対象。「確定申告」が必要だが、年間数千円の節税効果がある。「レシートを捨てずに取っておく」だけで「税金が戻る」。手取り16万円の人間にとって数千円の節税は「もやし炒め100食分」。レシートを取っておく価値がある。
第9章 「歯」の処方箋——お薬手帳に載らないが人生を左右する歯の記録
お薬手帳には「歯科の処方」はあまり載らない(抗生物質や鎮痛剤が処方されることはあるが)。だが「歯の治療歴」は「体の資産」として極めて重要だ(体の値段参照。歯32本=1280万円の資産)。
22歳〜45歳の歯科治療歴。22〜27歳:歯科検診ゼロ。「歯医者に行くお金がない」「痛くないから大丈夫」。6年間放置。28歳:奥歯に激痛。我慢できず歯科受診。「虫歯が3本あります。1本はかなり進行しています」。治療費:3本合計約1万5000円(保険適用。銀歯2本+レジン充填1本)。「6年間放置した代償」が1万5000円。「毎年検診に行っていれば、虫歯は1本で済んだかもしれない」。検診費用年間3000円×6年=1万8000円。「検診1万8000円 vs 治療1万5000円」。金額はほぼ同じだが「歯へのダメージ」がまるで違う。検診していれば「歯を削る量」が少なくて済んだ。
30歳:銀歯の下に二次虫歯。28歳で治療した銀歯の下で虫歯が再発。「銀歯は永久ではない」ことを知った。再治療。費用約5000円。35歳:歯石除去。「歯周病の初期段階です」と言われた。歯石除去3000円。以降、年2回の定期検診を開始。40歳:親知らずの抜歯。横向きに生えていた親知らずが痛み出した。口腔外科で抜歯。費用約8000円(保険適用)。3日間固形物が食べられず「もやし炒め」を「もやしスープ」に変更した。
45歳(現在)の歯の状態。残存歯31本(親知らず1本抜歯)。銀歯2本。レジン充填1本。歯周ポケット3mm以下(正常範囲)。「31本の歯が健在」。31本×40万円(インプラント基準)=1240万円の資産。「口の中に1240万円ある」。この1240万円を守るための投資。年2回の定期検診6000円+電動歯ブラシの替えブラシ年4000円=年間1万円。「年間1万円で1240万円を守る」。ROI12400%。
第10章 「メンタルの薬」と「社会の偏見」——エスシタロプラムを飲んでいることを誰にも言えない
37歳からエスシタロプラム(SSRI。抗うつ薬)を飲んでいる。8年間。このことを「誰にも言っていない」。親にも。元同僚にも。誰にも。なぜか。「精神科の薬を飲んでいる=おかしい人」という偏見が怖いからだ。
日本社会では「精神科に通うこと」「精神の薬を飲むこと」に対する偏見(スティグマ)がまだ強い。「メンタルが弱い人」「気の持ちようで治るのに」「薬に頼るなんて甘い」。これらの偏見が「精神科の受診を躊躇させる」原因になっている。37歳のとき、自分も「心療内科に行くのは恥ずかしい」と思って2年間受診を先延ばしにした。2年間の先延ばしで「パニック障害」まで悪化した。「もっと早く受診していれば、パニック障害にはならなかったかもしれない」。偏見が「受診の遅れ」を生み、「病状の悪化」を招いた。偏見は「間接的な健康被害」の原因だ。
エスシタロプラムは「脳内のセロトニンの濃度を調整する薬」であり、「心が弱いから飲む薬」ではない。「高血圧の人が降圧剤を飲む」のと同じだ。「血圧が高いから薬を飲む。恥ずかしくない」。「セロトニンが不足しているから薬を飲む。恥ずかしくない」。だがこの「同じこと」が「体の薬」と「心の薬」で社会的な扱いがまるで違う。
偏見を「自分の中で」克服する方法。方法1は「薬の作用機序を理解する」。エスシタロプラムが「何をしているか」を科学的に理解すれば「恥ずかしさ」が減る。「脳のセロトニントランスポーターに選択的に作用し、セロトニンの再取り込みを阻害することで、シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させる」。これは「科学」であり「恥」ではない。方法2は「同じ薬を飲んでいる人が多数いること」を知る。日本でSSRIを処方されている人は推定数百万人。「数百万人が飲んでいる薬」を「恥ずかしい」と思う必要はない。方法3は「薬を飲むことで『仕事が続けられている』事実」を認識する。「エスシタロプラムのおかげで出勤できている。出勤できているから手取り16万円を稼げている。稼げているからもやし炒めが作れている」。薬は「生活の基盤」であり「恥」ではない。
第11章 「お薬手帳アプリ」の完全ガイド——紙の手帳をデジタル化する
紙のお薬手帳は「忘れる」「なくす」「持ち歩くのが面倒」。お薬手帳アプリなら「スマートフォンさえあれば」いつでも薬の情報を確認できる。
おすすめのアプリ。「お薬手帳プラス」(日本薬剤師会公式。無料)。「EPARKお薬手帳」(無料)。「ヘルスケア手帳」(無料)。いずれも「処方箋のQRコードを読み取る」か「手動で薬を登録する」ことで薬歴を管理できる。
アプリのメリット。メリット1は「いつでもどこでも確認できる」。急に体調が悪くなって救急車を呼んだとき、救急隊員に「今飲んでいる薬は?」と聞かれたら——紙の手帳は自宅にある。スマートフォンは「常に持っている」。アプリを開けば即座に回答できる。メリット2は「飲み合わせのチェック」。複数の薬を飲んでいる場合、「飲み合わせに問題がないか」をアプリが自動チェックしてくれるものがある。メリット3は「家族との共有」。一部のアプリは「家族と薬の情報を共有する」機能がある。孤独死マニュアルの「安否確認」と連動させれば「この人は○○の薬を飲んでいる。緊急時に医師に伝える」情報が家族に共有される。
アプリの導入手順(5分)。手順1。アプリストアで「お薬手帳」で検索。手順2。アプリをダウンロード。手順3。基本情報(名前、生年月日、アレルギー情報、血液型)を入力。手順4。現在飲んでいる薬を手動で登録(エスシタロプラム5mg、等)。手順5。次回の薬局で「処方箋のQRコード」をアプリで読み取る。以降は自動的に薬歴が記録される。「5分の設定で、一生分の薬歴管理が自動化される」。
第12章 「22年間の医療費」累計——体に投じた総額はいくらか
22歳から45歳までの23年間で「医療費」にいくら使ったか。年代別に推定する。
22〜25歳。年間医療費:約8000円(内科2〜3回。胃薬の処方。便秘薬)。4年間:約3万2000円。26〜30歳。年間医療費:約1万5000円(内科2〜3回。睡眠薬の処方開始。空白期間の国保負担)。5年間:約7万5000円。31〜35歳。年間医療費:約2万円(整形外科。腰痛の治療開始。歯科検診開始)。5年間:約10万円。36〜40歳。年間医療費:約5万円(心療内科の通院開始。エスシタロプラムの処方。歯科定期検診。花粉症の治療開始)。5年間:約25万円。41〜45歳。年間医療費:約4万円(心療内科の継続。花粉症。歯科。たまにの整形外科)。5年間:約20万円。
23年間の医療費累計:約65万7000円。月平均約2380円。手取りの1.5%。「23年間で65万7000円を体に投資した」。65万7000円は「もやし炒め1万950食分」。1万950食分のもやし炒めを「体の修理」に使った。
「もし医療費をゼロにしていたら(一度も病院に行かなかったら)」。65万7000円が手元に残る。だが「パニック障害が治療されず→仕事ができなくなる→収入ゼロ」の可能性が高い。「65万7000円の医療費投資」が「23年間の労働収入4437万円」を守った。ROI(投資収益率)6753%。「医療費は最もリターンの高い投資の一つ」。もやし炒めのROI(15300%)には及ばないが「2番目にリターンが高い投資」だ。
第13章 「薬の副作用」との付き合い方——エスシタロプラムの副作用を8年間管理した記録
エスシタロプラムの主な副作用。吐き気(飲み始めの1〜2週間に多い)。眠気。口の渇き。体重増加。性機能障害。これらの副作用を「8年間どう管理してきたか」の記録。
吐き気。飲み始めの1週間がピーク。「もやし炒めを食べた後に吐き気がする」。原因は「もやし炒め」ではなく「エスシタロプラム」。1週間で吐き気は収まった。対策:食後に服用する(空腹時より吐き気が出にくい)。
眠気。飲み始めの1ヶ月間。「通勤電車で寝てしまう」(読書ができない)。1ヶ月後に眠気は軽減した。対策:就寝前に服用する(日中の眠気を回避)。自分は夕食後に服用しているが、医師に相談して就寝前に変更する選択肢もある。
口の渇き。継続的にある。水筒を持ち歩くことで対応。「水筒(100均550円)がエスシタロプラムの副作用対策」。口の渇きは「歯の健康」にも影響する(唾液の減少→虫歯リスクの上昇)。「歯科検診の頻度を上げる」理由の一つ。
体重増加。エスシタロプラムは「体重増加のリスクが比較的低いSSRI」とされているが、自分の場合「飲み始めて1年で3kg増えた」。対策:散歩を始めた。もやし炒めの鶏むね肉バージョン(低脂肪)を増やした。3kgは「散歩の開始」で1年かけて戻った。
性機能障害。SSRIの代表的な副作用の一つ。45歳独身男性として「実害があるか」と問われれば——「パートナーがいないので実害は限定的」。ただし「副作用があること自体がストレス」であり、「薬のせいで自分の体がコントロールできない」感覚は不快。医師に相談すれば「減薬」「薬の変更」で対応可能。自分の場合、10mgから5mgに減薬した段階で副作用が軽減した。
副作用との8年間の付き合いから学んだこと。「副作用は『薬の効果とのトレードオフ』」。副作用ゼロの薬は(ほぼ)存在しない。「副作用を受け入れてでも、薬の効果を得る価値があるか」を判断する。エスシタロプラムの場合、「副作用(軽い口渇+軽い体重増加)」vs「効果(パニック発作の消失+気分の安定+仕事の継続)」。効果のほうが圧倒的に大きい。「トレードオフを受け入れる判断」は「もやし炒めを食べる判断」と同じだ。「もやし炒めの味の単調さ(デメリット)」vs「もやし炒めの安さと栄養(メリット)」。メリットがデメリットを上回るから「食べ続ける」。エスシタロプラムも同じ。「飲み続ける」。
第14章 「処方箋なしで手に入る『薬』」——散歩・読書・もやし炒めの治療効果
病院で処方される「薬」だけが「治療」ではない。「処方箋なしで手に入る『薬』」がある。
散歩の治療効果。散歩(ウォーキング)は「軽度〜中等度のうつ病に対して、抗うつ薬と同等の効果がある」ことが複数の研究で示されている。毎日30分の散歩で「セロトニン」「エンドルフィン」「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が分泌され、「気分の改善」「不安の軽減」「認知機能の向上」が期待できる。費用0円。副作用なし(強いて言えば「足の疲れ」)。「0円で抗うつ薬と同等の効果」。世界一コスパの良い「薬」。
読書の治療効果。「ビブリオセラピー(読書療法)」という概念がある。特定の本を読むことで「精神的な回復」を促す治療法。イギリスでは医師が「本を処方する」制度がある(Books on Prescription)。「認知行動療法の自助本」「マインドフルネスの本」「同じ悩みを持つ人のエッセイ」。これらの本を読むことで「自分だけではない」「対処法がある」「回復できる」という認識が得られる。費用0円(図書館で借りる場合)。
もやし炒めの治療効果。「料理をすること」自体に治療効果がある。「料理療法」という概念がある。料理は「計画する」「手順を考える」「手を動かす」「味を確認する」「完成品を食べる」のプロセスを含む「多感覚的な活動」であり、「集中力の回復」「達成感の獲得」「自己効力感の向上」に寄与する。もやし炒めは「10分で完成する最もシンプルな料理療法」だ。「10分の料理で精神が回復する」。エスシタロプラムは「24時間かけてセロトニンを調整する」。もやし炒めは「10分で達成感を提供する」。即効性ではもやし炒めが勝つ。
発泡酒の「治療効果」。——これは「推奨しない」。アルコールは「短期的には不安を軽減する」が「長期的には不安を悪化させる」。「発泡酒は精神の鎮痛剤であり、治療薬ではない」。鎮痛剤は「痛みを一時的に感じなくする」だけであり「痛みの原因を治す」わけではない。「発泡酒に頼りすぎない」。散歩と読書ともやし炒めが「処方箋なしの治療薬」。発泡酒は「嗜好品」。この区別を持つことが「発泡酒との健全な付き合い方」。
第15章 「45歳の健康診断」を読み解く——数値が語る23年間の蓄積
最新の健康診断の結果を読み解く。BMI:23.5(正常範囲。22が理想。やや高め)。血圧:128/82(正常高値。高血圧の一歩手前)。LDLコレステロール:138mg/dL(基準値120〜139。上限ギリギリ)。HbA1c:5.4%(正常。糖尿病のリスクは低い)。肝機能(γ-GTP):52 U/L(基準値50以下。わずかに超過。発泡酒の影響か)。
「23年間の食生活」が数値に表れている。血圧の「やや高め」は「もやし炒めの醤油(塩分)」が一因かもしれない。「減塩醤油に変える」対策は35歳から始めたが「もっと早く変えるべきだった」。γ-GTPの「わずかな超過」は「発泡酒4140本の蓄積」かもしれない。「発泡酒を毎日1本→週5本に減らす」対策を検討する(検討するだけで実行しないかもしれないが)。LDLコレステロールの「上限ギリギリ」は「もやし炒めの豚こま」の脂質が影響しているかもしれない。「豚こま→鶏むね肉への変更」を36歳で始めた効果で「ギリギリ基準値内」に留まっている。変更していなかったら「基準値超過→薬の処方」になっていた可能性がある。
健康診断は「お薬手帳に載らない処方箋」だ。医師が「運動してください」「塩分を控えてください」「飲酒量を減らしてください」と言う。これらは「薬の処方」ではないが「生活の処方」だ。「散歩30分」は「散歩を1日30分処方する」。「減塩醤油」は「塩分6g以下/日を処方する」。「発泡酒を週5本」は「アルコール量を処方する」。生活の処方箋は「自分で調剤する」薬であり、自分が「薬剤師」であり「患者」でもある。
第16章 「薬の費用」を最小化する10の方法
方法1はジェネリック医薬品を選ぶ(第6章参照)。年間数千円〜1万円の節約。方法2は自立支援医療制度を利用する(精神科の場合。自己負担3割→1割。年間約2万円の節約)。方法3はお薬手帳を持参する(薬局でお薬手帳を見せると「薬剤服用歴管理指導料」が低くなる場合がある。1回40〜50円程度の差だが、年間10回通えば400〜500円の節約)。方法4は「リフィル処方箋」を利用する(2022年から導入。一定の条件のもとで、同じ処方箋を最大3回まで使える。医師の診察回数が減る→診察料の節約。年間約3000〜6000円の節約の可能性)。
方法5は自治体の無料健康診断を受ける(会社の健康診断がない非正規雇用者は「自治体の健康診断」を利用。無料または500〜1000円。年1回)。方法6は歯科検診を定期的に受ける(予防は治療より安い)。方法7は市販薬のセルフメディケーション税制を利用する。方法8は処方箋の「分割調剤」を利用する(高額な薬を少量ずつ受け取ることで、1回の薬局での支払いを分散できる場合がある)。
方法9は「限度額適用認定証」を事前に取得しておく(入院時に窓口での支払いが「自己負担限度額まで」に抑えられる。事前に取得しておけば「窓口で高額を一時的に立て替える」必要がない)。方法10は「かかりつけ薬局」を決める(1つの薬局にすべての処方箋を集約することで「飲み合わせのチェック」が正確になり「重複処方」が防げる→無駄な薬代が減る)。
10の方法をすべて実践した場合の年間節約効果。推定2万5000〜4万円。月あたり2000〜3300円。「月2000〜3300円の節約」は「もやし炒め67〜110食分」。「薬の費用を最適化する」ことは「もやし炒めを67〜110食分多く食べられる」ことに等しい。
第17章 「薬」と「季節」の関係——春夏秋冬、体が必要とする薬が変わる
お薬手帳を「季節」で読み解くと、体のリズムが見えてくる。春(3〜5月)。花粉症のフェキソフェナジンが処方される季節。目のかゆみ、鼻水、くしゃみ。「春は花粉との戦い」。加えて「環境の変化」(派遣先の変更、新しい業務)によるストレスで胃痛が再発しやすい。春は「フェキソフェナジン+胃薬」の季節。
夏(6〜8月)。意外と「薬の処方が少ない」季節。暑さで体力が落ちるが「病院に行くほどではない」ケースが多い。ただし「熱中症」のリスクがある。手取り16万円の節約志向で「エアコンの使用を控える」→「熱中症で倒れる」→「救急搬送→入院→数万円」。「エアコン代をケチって入院費を払う」のは本末転倒。「エアコンは命の薬」。月の電気代が2000〜3000円増えても「入院費5万円」より安い。
秋(9〜11月)。気温が下がり始めると「腰痛が悪化する」。冷えが腰の筋肉を硬直させる。ロキソプロフェン(鎮痛剤)の出番。加えて「インフルエンザの予防接種」(10〜11月)。費用3000〜5000円。手取り16万円には痛い出費だが「インフルエンザで1週間寝込む→派遣社員は1週間分の給与ゼロ(約3万5000円)」と比較すれば「予防接種のほうが圧倒的に安い」。予防接種3500円vs罹患時の損失3万5000円。10倍の差。
冬(12〜2月)。風邪のシーズン。「風邪を引きたくない」が手取り16万円の切実な願い。風邪で3日休めば「3日分の給与=約2万1000円」が消える。「風邪の予防」は「経済的な防衛」でもある。予防策:手洗い(0円)。マスク(100均110円)。十分な睡眠(0円)。もやし炒めでビタミンC摂取(もやしにはビタミンCが含まれる。60円)。「もやし炒めは風邪の予防薬」。
第18章 「薬」と「食事」の相互作用——もやし炒めとエスシタロプラムは一緒に食べていいか
薬と食事の「飲み合わせ(食べ合わせ)」は重要だ。エスシタロプラムともやし炒めの相互作用は——「特に問題なし」。エスシタロプラムは食事の影響をほとんど受けないSSRIであり、「食前でも食後でも効果は同じ」。もやし炒めの成分(もやし、豚こま、醤油)のいずれもエスシタロプラムの効果を阻害しない。「もやし炒めを食べた後にエスシタロプラムを飲む」は医学的に問題ない。安心した。
ただし「注意が必要な食べ合わせ」はある。エスシタロプラムと「グレープフルーツ」。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が「薬の代謝を阻害」し、「薬の血中濃度が上がりすぎる」リスクがある。自分はグレープフルーツを食べる余裕はない(高い)ので問題ないが「知識として知っておく」。
ロキソプロフェン(鎮痛剤)と「アルコール」。ロキソプロフェンを飲んだ日に発泡酒を飲むのは「胃への負担が増す」。ロキソプロフェンは「胃粘膜を荒らす」副作用があり、アルコールも「胃粘膜を刺激する」。「鎮痛剤+発泡酒=胃への二重攻撃」。「ロキソニンを飲んだ日は発泡酒を1本我慢する」。135円の我慢が「胃潰瘍の予防」になる。
降圧剤(まだ処方されていないが将来の可能性あり)と「塩分」。もやし炒めの醤油は「塩分」であり、降圧剤の効果を弱める可能性がある。「減塩醤油」は35歳から使っているが、「降圧剤が処方されたらさらに減塩する必要がある」。「醤油の量を半分にする」。味が薄くなる。だが「高血圧で脳卒中になる」よりは「薄味のもやし炒め」のほうが100万倍マシだ。
第19章 「お薬手帳」を「未来の自分」へのメッセージとして読む
お薬手帳を「過去の記録」として読んできた。だが「未来の自分へのメッセージ」として読むこともできる。22歳の胃薬は「ストレスを溜めるな」のメッセージ。27歳の睡眠薬は「睡眠を軽視するな」のメッセージ。32歳の鎮痛剤は「座りすぎるな。運動しろ」のメッセージ。37歳の抗うつ薬は「限界まで我慢するな。助けを求めろ」のメッセージ。
「未来の自分」に向けたメッセージを、お薬手帳の余白に書いておく。「55歳の自分へ。血圧に注意。減塩を続けて。散歩をサボるな。エスシタロプラムの減薬が順調なら素晴らしい。そうでなくても焦るな」。「65歳の自分へ。年金が始まった。NISAの取り崩しを計画的に。歯の検診は続けて。もやし炒めはまだ作れるか?作れるなら大丈夫」。
お薬手帳は「体の日記」だ。普通の日記は「心の記録」。お薬手帳は「体の記録」。両方を合わせれば「心と体の完全な記録」になる。もやし炒めの写真300枚が「食の記録」。NISAの残高推移が「資産の記録」。散歩の歩数が「運動の記録」。お薬手帳が「医療の記録」。これらすべてが「23年間のサバイバルの記録」であり「生き延びた証拠」だ。
第20章 「50歳」「55歳」「60歳」「65歳」の処方箋を予測する——未来のお薬手帳
現在の健康状態と生活習慣から「未来のお薬手帳」を予測する。
50歳(2029年)の予測。エスシタロプラム:3mg(減薬が進んでいる場合)または5mg(現状維持)。血圧:降圧剤が処方される可能性30%(減塩と散歩を続けていれば回避可能)。腰痛:整形外科の通院が年3〜4回に増える可能性。老眼:進行。遠近両用メガネが必要になる可能性。予防策:散歩の継続。減塩の継続。ストレッチの追加。
55歳(2034年)の予測。エスシタロプラム:減薬完了の可能性50%。コレステロール:スタチン系薬剤が処方される可能性20%(LDLコレステロールが基準値を超えた場合)。膝:変形性膝関節症の初期症状の可能性10%。予防策:鶏むね肉中心の食事。スクワット(0円)。体重管理。
60歳(2039年)の予測。降圧剤:処方される可能性50%。コレステロール薬:処方される可能性30%。前立腺肥大の薬:処方される可能性20%(男性の加齢に伴う一般的な症状)。骨密度:問題なし(男性は女性より骨密度低下のリスクが低い)。予防策:散歩+軽い筋トレ。塩分・脂質の管理。定期検診の継続。
65歳(2044年)の予測。薬の数:3〜5種類。降圧剤+コレステロール薬+前立腺薬+胃薬+場合によっては抗うつ薬の残り。月の薬代:保険適用で3000〜5000円。年間3万6000〜6万円。年金月10万円の3.6〜6%。「年金の6%を薬代に使う」。
「薬が増える未来」を恐れるか。恐れない。薬が増えるのは「体が老いる」自然なプロセスであり「薬があるから老いても生きていける」証拠だ。「薬がなかった時代」の65歳は——薬がないから死んでいた。「薬がある時代」の65歳は——薬があるから生きていける。薬に「感謝する」。もやし炒めに感謝するように。発泡酒に感謝するように。NISAに感謝するように。薬にも感謝する。「エスシタロプラム、ありがとう。ロキソニン、ありがとう。フェキソフェナジン、ありがとう。おかげで今日も生きている」。
第21章 「薬をやめる日」のシミュレーション——エスシタロプラムの減薬・断薬計画
エスシタロプラムを8年間飲み続けている。「いつまで飲むのか」。「一生飲み続けるのか」。この問いは「希望の問い」でもある。「薬をやめられる日が来る」のは「回復した証」だからだ。
減薬のプロセス。現在5mg。医師と相談して「5mg→2.5mg→0mg」のステップで減薬する。各ステップは「最低3ヶ月間」維持して「症状の再発がないか」を確認する。「5mgで6ヶ月安定→2.5mgに減量→3ヶ月安定→さらに3ヶ月安定→断薬を試みる」。このプロセスに「最短9ヶ月〜1年」かかる。急な断薬は「離脱症状」(めまい、頭痛、イライラ、電気が走るような感覚)のリスクがある。「ゆっくり、医師の指導のもとで」が鉄則。
減薬に必要な「前提条件」。条件1は「生活のストレスが安定していること」。派遣切りの直後やコロナ禍の最中に減薬するのは「タイミングが悪い」。「生活が比較的安定しているとき」に減薬を試みる。条件2は「散歩・読書・もやし炒め等の『処方箋なしの薬』が習慣化していること」。薬の代わりに「生活習慣」で精神を支える態勢が整っていること。条件3は「医師との信頼関係があること」。「調子が悪くなったらいつでも戻せる」安心感が減薬の成功率を上げる。
「薬をやめられなくても恥ずかしくない」。10年飲んでも20年飲んでも「恥」ではない。「高血圧の人が一生降圧剤を飲む」のと同じ。「脳のセロトニンが不足しやすい体質」であれば「一生SSRI を飲む」ことが「最適な治療」である場合もある。「薬をやめること」が「ゴール」ではない。「健康で安定した生活を送ること」が「ゴール」。薬がゴールに必要なら飲み続ける。薬なしでゴールに到達できるなら飲まない。「手段」と「目的」を混同しない。
第22章 「お薬手帳」と「エンディングノート」の統合——医療情報を死後に伝える
エンディングノートの「医療情報ページ」に何を書くべきか。デジタル遺品問題でも触れたが、ここでは「医療に特化した情報」を詳述する。
書くべき情報1は「現在服用中の薬の一覧」。薬の名前。用量。服用タイミング。処方している病院名。「エスシタロプラム5mg。夕食後1回。○○心療内科。○○先生」。救急搬送されたときに「この情報」が命を救う。意識がなくても「エンディングノート(または財布に入れたカード)」に書いてあれば救急隊員が確認できる。
書くべき情報2は「アレルギー情報」。薬のアレルギー。食物アレルギー。「ペニシリン系アレルギーあり」等。アレルギー情報は「命に直結する情報」であり、「知らずに投与されたら死ぬリスク」がある。
書くべき情報3は「既往歴」。「適応障害・パニック障害(37歳〜)」「ストレス性胃炎(22歳〜)」「腰椎椎間板症(32歳〜)」。既往歴は「新しい症状が出たときの診断の手がかり」になる。
書くべき情報4は「延命治療の希望」。「人工呼吸器をつけてほしいか」「胃ろうを作ってほしいか」「心肺蘇生をしてほしいか」。これらの「事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)」をエンディングノートに書いておく。45歳で書くのは「早すぎる」かもしれないが「書かないまま意識不明になるリスク」を考えれば「早すぎることはない」。
書くべき情報5は「かかりつけ医の連絡先」。心療内科の○○先生。歯科の○○先生。内科の○○先生。遺族が「この人の医療情報を知りたい」とき「かかりつけ医に聞く」ことができる。連絡先がわかっていれば。
第23章 「お薬手帳」から見える「氷河期世代の23年間」の総括
22年間のお薬手帳を1冊にまとめると「氷河期世代の23年間の物語」が浮かび上がる。22歳の胃薬は「100社不採用のストレス」を記録している。25歳の便秘薬は「カップ麺ばかりの食生活」を記録している。27歳の睡眠薬は「リーマンショック前夜の不安」を記録している。32歳の鎮痛剤は「派遣社員のデスクワーク8時間×5年」を記録している。37歳の抗うつ薬は「23年間の蓄積されたストレスの限界点」を記録している。43歳の花粉症薬は「体が新しい不調を生み出す年齢」を記録している。
お薬手帳は「体の年表」だ。履歴書が「キャリアの年表」なら、お薬手帳は「体のキャリアの年表」。履歴書には「13社の派遣先」が記録されている。お薬手帳には「13種類の症状と処方」が記録されている。どちらも「23年間のサバイバルの記録」であり「あきらめなかった証拠」だ。
13社の派遣先を「辞めずに全うした」ように、13種類の症状を「放置せずに治療した」。「辞めない力」と「治す力」は同根だ。「もうダメだ」と思ったときに「もう少しだけ続ける」力。もやし炒めを作る力。発泡酒を開ける力。散歩に出る力。病院に行く力。薬を飲む力。すべてが「生き延びる力」の一部であり、お薬手帳はその「生き延びる力の物理的な証拠」だ。
お薬手帳の最終ページは白い。白いページに「これからの薬」が記録される。50歳の薬。55歳の薬。60歳の薬。65歳の薬。ページが増えていくことは「生き延びている証拠」だ。「お薬手帳が厚くなる=長く生きている」。厚いお薬手帳を「重い」と感じるか「誇らしい」と感じるか。自分は「誇らしい」と感じたい。22歳の薄いお薬手帳が、45歳で厚くなった。65歳でさらに厚くなるだろう。厚さは「生き延びた距離」だ。もやし炒め2808回分の距離。発泡酒4140本分の距離。エスシタロプラム2920錠分の距離。すべての距離が「お薬手帳の厚さ」に凝縮されている。その厚さを、誇りに思う。
結論——「お薬手帳」は「生き延びた証拠」だ
22年間のお薬手帳を読み返す。胃薬。睡眠薬。鎮痛剤。抗うつ薬。花粉症薬。それぞれの薬が処方された背景に「あのときの自分」がいる。100社不採用の胃痛。リーマンショックの不眠。パニック発作の動悸。腰痛のもやし炒め。「あのときの自分」は苦しかった。苦しかったが「薬をもらって、飲んで、なんとか乗り越えた」。
お薬手帳は「病気の記録」だが、同時に「生き延びた証拠」だ。「この薬を飲んで、あの時期を乗り越えた」。1つ1つの処方が「サバイバルの足跡」であり「あきらめなかった証拠」だ。お薬手帳の最後のページはまだ白い。白いページに「これからの薬」が記録される。できれば「薬が減っていく記録」がいい。「エスシタロプラムを減薬できた」「ロキソニンが要らなくなった」。薬が減ることは「体と心が回復している」証拠だ。
今夜、もやし炒めを食べる前に「エスシタロプラム5mg」を飲む。水で流し込む。無味無臭。5mgの小さな錠剤が「今日1日の精神のバランス」を保ってくれている。5mgのおかげで、もやし炒めが作れる。5mgのおかげで、発泡酒が美味い。5mgのおかげで、NISAの積立を続けられる。「5mgへの感謝」を、お薬手帳の余白に書いておこう。「ありがとう。おかげで今日も生きている」。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。薬の名称・用量は一般的な例であり、個人の処方を示すものではありません。医薬品の使用は必ず医師の指示に従ってください。

