竹田和平の投資銘柄を徹底解剖する——日本一の個人投資家が選んだ「地味でも光る」130社の全貌

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はじめに——なぜ竹田和平の「保有銘柄」を知ることに価値があるのか

竹田和平氏(1933年-2016年)を「日本一の個人投資家」「和製バフェット」と呼ばれる存在に押し上げたのは、彼の投資哲学そのものではなく、それを実践した結果として築き上げた具体的な銘柄ポートフォリオでした。

一時は130社以上で大株主(10位以内)となり、保有株式の時価総額は最盛期で約144億円から200億円、最終的には300億円規模に達したとされ、年間の配当金収入だけで1億円を超えていたと言われます。これだけの数の銘柄を、しかも日本株一国に集中して保有していた個人投資家は、戦後日本の歴史の中でも極めて稀な存在です。

私が本記事で「竹田和平の保有銘柄」をあえて掘り下げる理由は、以下の3つです。

第一に、実際に何を買っていたかを知ることが、彼の哲学の真意を理解する最良の道だからです。「割安株を買う」「配当重視」「財務健全な企業」といった抽象的な言葉だけを聞いても、具体像はつかみにくいものです。しかし、たとえば「日邦産業」「シグマ光機」「クリエートメディック」「萩原電気ホールディングス」といった、一般的な個人投資家がほとんど名前を聞いたことのないであろう中小型株を、彼が実際に長年保有してきた事実を知ると、「ああ、こういう銘柄が彼の眼鏡にかなったのだな」と肌感覚で理解できるようになります。

第二に、竹田流の銘柄選定基準が今でも通用するかを検証できるからです。2014年時点の保有銘柄リストと、現在の同じ銘柄の状況を比較すると、彼の選んだ会社が「その後どうなったか」が見えてきます。一定の割合は今も健全に成長し、配当を出し続けています。これは竹田流の有効性を実証しています。

第三に、新NISA時代の銘柄選びにそのまま参考になるからです。竹田氏が選んだ銘柄の多くは、現在も中堅優良企業として上場を続けており、その株を新NISAの成長投資枠で買うことも理論上は可能です。「あの竹田和平が大株主だった会社」という事実は、銘柄選びの一つの判断材料になります。

なお、竹田氏の保有銘柄については、生前彼自身が「他人のサイフを覗いてどうする」と語っていたことも知られています。詳細な全銘柄リストを彼が公開していたわけではなく、私たちが知り得るのは、各企業が提出する有価証券報告書や四季報の「大株主欄」に「竹田和平」の名前が記載されているという公開情報を集計したものです。

本記事では、複数の公開情報源から再構成した「竹田和平の保有銘柄リスト」を業種別、地域別、規模別に整理しながら、なぜ彼がそれらの銘柄を選んだのか、各銘柄のビジネス内容、当時の財務指標、その後の経過、現代から見た評価などを、できる限り具体的に深掘りしていきます。


第一部:保有銘柄の全体像——「130社」という驚異の数字

1-1. 保有銘柄数の推移

まず、竹田氏の保有銘柄数が時系列でどう変化してきたかを整理しておきます。

1990年代後半まで: 山一證券の個人筆頭株主だった時期がありましたが、まだ広範な分散投資はしていなかったとされます。

2000年代前半: 急速に保有銘柄数が拡大。日本株が「失われた10年」の底値圏にあった時期に、割安な中小型株を次々に買い集めました。水澤潤氏の『花のタネは真夏に播くな』によれば、四季報を5年遡って見ると当時はどこにも竹田氏の名前は見当たらなかったのに、本書執筆時(2008年頃)には実に約70社の大株主になっていた、と書かれています。

2008年5月15日時点(日本インタビュ新聞社調べ): 大株主(10位以内)として保有する銘柄数は107銘柄、合計時価総額は約144億円規模。

2011年頃まで(ピーク期): 一時は130社以上で大株主(10位以内)に名を連ねていたとされます。

2014年8月時点: 保有銘柄数を3年前から約8割減らし、約20社に絞り込んだと本人がブルームバーグのインタビューで語っています。理由は二つあり、一つは加齢により多数の小型株を運用するのが難しくなったこと、もう一つは2011年度の金融・証券税制改正で「大口株主」の定義が保有割合5%以上から3%以上に引き下げられたことです。

晩年の最終方針: 「6、7銘柄の大型株に投資資金を集中する」と公言していました。リスクヘッジもそれだけで十分、という考えでした。

2016年7月21日逝去後: 保有株は遺族や竹田本社株式会社に引き継がれ、現在もいくつかの企業の大株主欄には「竹田本社株式会社」の名前を見ることができます。中部日本放送(9402)の大株主に「竹田本社株式会社」が6.43%保有で名前を連ねているのはその一例です。

1-2. 保有銘柄の市場別構成

日本インタビュ新聞社の2008年時点の調査によれば、竹田氏が大株主(10位以内)として保有していた107銘柄の市場別構成は以下のような特徴がありました。

  • 東証一部上場: 17銘柄(全体の約16%)
  • 東証二部・JASDAQ・地方市場: 残り90銘柄(約84%)

注目すべきは、東証一部の銘柄が全体の2割にも満たないという点です。圧倒的多数が、ジャスダックや東証二部、地方市場(名古屋証券取引所など)に上場していた中小型株でした。

「市場での事情通」の証言として日本インタビュ新聞社が紹介しているのは、「大株主として自分の名前が出ないような大きい企業には手を出さない」という方針があったということです。

ここに、竹田流の重要な特徴が見えます。大企業に投資しても、保有割合が0.1%以下では大株主欄に名前は載らず、影響力もありません。一方、時価総額の小さい中小型株なら、数千万円から数億円の投資で大株主になることができます。

竹田氏は「自分が大株主として顔を出せる規模の会社」を意図的に選んでいた可能性が高いです。これは単なる虚栄心ではなく、「自分が応援している会社という実感を持って投資する」という旦那道の実践だったと、私は分析しています。

1-3. 保有銘柄の業種別構成

竹田氏の保有銘柄を業種で見ると、いくつかの偏りが見えてきます。

特に多かった業種:

  • 情報・通信業(ソフトウェア・SI): KSK、キューブシステム、IDホールディングス、東邦システムサイエンス、日本システム技術、クエストなど
  • 電気機器・電子部品商社: 萩原電気ホールディングス、日本電計、日邦産業、田中商事、萬世電機、西川計測など
  • 精密機器・計測器メーカー: シグマ光機、エヌエフ回路設計ブロック、サンコー、ムトー精工など
  • 自動車関連: SPK(自動車補修部品)、鈴木(自動車電装部品)、ムトー精工(自動車金型)など
  • 医療機器: クリエートメディックなど
  • 化学品: 大伸化学など
  • 放送・メディア: 中部日本放送

少なかった業種:

  • 大手金融機関(山一證券での損失体験から学んだ可能性)
  • 大手商社(晩年に三菱商事・三井物産などに着目したのが転換点)
  • 大手自動車・電機メーカー(規模が大きすぎて影響力を持てない)
  • 不動産(細田工務店など一部例外あり)
  • 飲食・小売の大手チェーン

1-4. 保有銘柄の地域性——「名古屋発の投資家」

竹田氏は名古屋市生まれで、地元愛知の経済人として活動していました。保有銘柄にも、その地域性が反映されています。

名古屋・愛知地盤の銘柄:

  • 中部日本放送(9402): 東海地方のテレビ・ラジオ局、TBS系列
  • 萩原電気ホールディングス(7467): 名古屋地盤の電子部品商社
  • 日邦産業(9913): 名古屋に本社を置く電子部品商社
  • その他、名古屋証券取引所単独上場の中小型株多数

これは竹田氏が「地元の優良企業を応援する」という旦那道の精神の実践でもありました。中部日本放送についての記録によれば、竹田本社株式会社が9.85%、続いて6.43%と、二段構えで大株主に名を連ねるほど深くコミットしていました(現在の数値、出典:IRBANK、COVAVIS等)。


第二部:個別銘柄解説——竹田和平が愛した「光る中小型株」

ここからは、竹田氏が大株主として名前を連ねていた具体的な銘柄を、一社ずつ深掘りしていきます。なお、各銘柄の数値は主に2014年から2022年頃の公開データを元にしており、現在の数値とは異なる場合があることをご了承ください。それでも「竹田和平はどんな会社を選んだのか」を知る上で、極めて参考になる情報です。

2-1. 中部日本放送(9402)——「地元への愛」を体現した銘柄

事業内容: TBS系列の東海地方地盤の地方放送局。テレビ・ラジオを放送する、民間ラジオでは最古参の老舗です。

業績の安定性: リーマンショック時には赤字になったこともあり、景気感応度はやや高めです。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 531円
  • PBR: 0.24倍
  • PER: 10.79倍
  • 自己資本比率: 78.4%
  • 売上高: 327億円
  • 営業利益: 18億円

竹田氏(竹田本社)の保有状況:

  • 保有株数: 26万株(6.4%)
  • 配当利回り: 2.82%

私の分析: 中部日本放送は、竹田氏の保有銘柄の中で特に象徴的な存在です。第一に、地元名古屋のメディア企業であること。第二に、自己資本比率78.4%という圧倒的な財務健全性。第三に、PBR0.24倍という極端な割安水準

竹田流の判断軸でこれを見ると、ほぼ全項目で合格します。「地元への貢献」+「財務超健全」+「割安」+「安定した配当」という、四拍子そろった銘柄なのです。

現在も「竹田本社株式会社」として大株主にとどまっているのは、竹田氏の遺志を守る形で、引き続き地元のメディアを応援し続けているということでしょう。地味ですが、これこそ「旦那的投資」の真髄の体現と私は見ています。

2-2. クリエートメディック(5187)——医療機器の地味な優良株

事業内容: 使い捨て医療器具メーカー。シリコン製カテーテルが主力製品です。

業績の安定性: リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感が高いのが特徴です。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 863円
  • PBR: 0.53倍
  • PER: 12.09倍
  • 自己資本比率: 78.8%
  • 海外売上高比率: 30.0%
  • 売上高: 116億円
  • 営業利益: 8億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 25万株(2.59%)
  • 配当利回り: 4.29%

私の分析: クリエートメディックは、竹田流投資のお手本のような銘柄です。なぜか。

第一に、自己資本比率78.8%という極めて健全な財務体質。竹田氏が口癖のように言っていた「つぶれる会社はみんな借金が多い」という基準を完全に満たします。

第二に、ビジネスが地味だが社会に必要不可欠。シリコン製カテーテルは、医療現場で日常的に使われる消耗品です。派手さはありませんが、なくては困るもの。これが安定した業績を生み出します。

第三に、配当利回り4.29%という高水準。竹田氏が最も重視した配当の観点でも合格。

第四に、PBR0.53倍という割安感。竹田流の「PBR1倍以下」基準にも適合しています。

第五に、海外売上高比率30%。為替リスクこそありますが、グローバルな成長性も持ち合わせています。

このように、クリエートメディックは竹田流のチェックポイントをすべてクリアする「完璧な竹田銘柄」と言える存在でした。

2-3. 萩原電気ホールディングス(7467)——名古屋の電子部品商社

事業内容: 名古屋地盤の電子部品・機器商社。半導体が主力で、自動車向けが約9割を占めます。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 2,157円
  • PBR: 0.51倍
  • PER: 7.08倍
  • 自己資本比率: 46.0%
  • 海外売上高比率: 23.0%
  • 売上高: 1,584億円
  • 営業利益: 43億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 15.1万株(1.82%)
  • 配当利回り: 4.17%

私の分析: 萩原電気ホールディングスは、竹田氏の「地元志向」と「商社志向」が交わる銘柄です。

特筆すべきは、**PER7.08倍、PBR0.51倍、配当利回り4.17%**という、極めて魅力的なバリュエーション。これは「割安」「高配当」を満たす竹田銘柄の典型です。

自動車関連向け電子部品商社という事業特性上、トヨタを中心とする中部地方の自動車産業と運命を共にします。地元愛知の自動車産業を支える「黒子」のような存在であり、竹田氏が応援したくなる会社の典型と言えるでしょう。

ただし、自己資本比率は46.0%とやや低めです(竹田氏が好む70%以上には届いていません)。これは商社業態ゆえに仕入れと販売の差額で利益を出すため、構造的に総資産が大きくなる傾向があるからです。それでも竹田氏が保有していたのは、業績の安定性と配当性向を高く評価したからだと推測できます。

2-4. 日本電計(9908)——電子計測器のニッチトップ

事業内容: 電子計測器専門商社で国内首位。東南アジアにも進出しています。太陽光、風力等の環境関連や、EV、自動運転の関連銘柄でもあります。

業績の安定性: コロナショック時でも黒字を確保する見込み。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,424円
  • PBR: 0.73倍
  • PER: 6.44倍
  • 自己資本比率: 43.2%
  • 売上高: 918億円
  • 営業利益: 26億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 23.5万株(2.98%)
  • 配当利回り: 4.92%

私の分析: 日本電計は「ニッチ市場のトップ企業」という典型的な竹田銘柄です。電子計測器の専門商社という、一般人にはなじみの薄いビジネスですが、製造業の研究開発現場には欠かせない存在。国内首位というポジションが、参入障壁となり、安定した収益を生み出しています。

配当利回り4.92%は、保有銘柄の中でも特に高い水準。PER6.44倍も極めて割安です。「割安かつ高配当」という竹田流の典型を体現しています。

加えて、環境関連やEV、自動運転といった次世代テーマにも繋がっており、地味ながら将来性を秘めている点も評価できます。

2-5. ムトー精工(7927)——自動車部品の金型・成形

事業内容: 自動車部品の金型・プラスチック成形メーカー。海外生産が主力です。

業績の安定性: 2015~2016年には赤字に陥っており、景気感応度はやや高め。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 624円
  • PBR: 0.33倍
  • PER: 8.16倍
  • 自己資本比率: 55.6%
  • 海外売上高比率: 64.0%
  • 売上高: 202億円
  • 営業利益: 6億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 18.7万株(2.43%)
  • 配当利回り: 3.13%

私の分析: ムトー精工は、「海外売上高比率64%」という、グローバル展開の進んだ企業です。これは竹田氏が選んだ銘柄の中ではやや異色です。

ただし、業績は2015-2016年に赤字に陥っており、景気循環の影響を受けやすい銘柄でもあります。竹田氏がこれを保有し続けたのは、PBR0.33倍という極端な割安感と、配当を継続して出していた点を評価していたからでしょう。

この銘柄を見ると、竹田流が「業績が完璧でない銘柄でも、十分に割安なら買う」という側面を持っていることが分かります。ベンジャミン・グレアム的な、「平均回帰」を信じる純粋なバリュー投資の姿勢です。

2-6. シグマ光機(7713)——光学部品の専門メーカー

事業内容: 研究開発用や製造用レーザーが主力。光学部品、ユニット、システムの総合力が強みです。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感が高い。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,472円
  • PBR: 0.70倍
  • PER: 8.41倍
  • 自己資本比率: 80.4%
  • 海外売上高比率: 33.0%
  • 売上高: 103億円
  • 営業利益: 14億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 12.8万株(1.64%)
  • 配当利回り: 2.72%

私の分析: シグマ光機もまた、竹田流の典型例です。**自己資本比率80.4%**は、竹田氏が理想とした「70%以上」をはるかに超えており、極めて健全。

光学部品という、製造業の根幹を支えるニッチ市場で安定した地位を持ち、リーマンショック時にも黒字を維持できる強靭な財務体質。地味ですが、半導体製造装置や医療機器、自動車などの先端産業に欠かせない部品を提供している、まさに「縁の下の力持ち」型の企業です。

竹田氏が好んだ「派手な成長はないが、絶対に潰れない優良企業」という基準を完全に満たしています。

2-7. 豊トラスティ証券(8747)——商品先物の中堅

事業内容: 貴金属主体の商品先物大手。CFD、FXも扱います。

業績の安定性: リーマンショック時には赤字になるなど、景気感応度が高い。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 800円
  • PBR: 0.43倍
  • PER: 5.86倍
  • 自己資本比率: 12.3%(ただし現金等>有利子負債)
  • 売上高: 67億円
  • 営業利益: 13億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 21万株(2.36%)
  • 配当利回り: 5.13%

私の分析: 豊トラスティ証券は、竹田氏の保有銘柄の中ではやや異色の存在です。自己資本比率12.3%というのは、竹田氏の「財務健全性重視」の原則からは逸脱しているように見えます。

ただし、注意深く見ると、「現金等>有利子負債」と注記されています。金融業特有の話で、実質的には無借金経営ということになります。証券会社などの金融業は、顧客から預かるお金が大きくなる構造上、自己資本比率の数字だけ見ると低く出るのです。

配当利回り5.13%という極めて高い水準と、PBR0.43倍、PER5.86倍という割安感が、竹田氏を引き寄せた要因でしょう。商品先物という斜陽産業に投資するのは、一見、竹田流から外れているように見えますが、「実質無借金で、配当を確実に出している」という財務面で合格と判断したのだと思われます。

2-8. SPK(7466)——自動車補修部品の連続増配企業

事業内容: 自動車用補修・車検部品の国内外卸。連続増配は国内屈指です。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,423円
  • PBR: 0.71倍
  • PER: 8.41倍
  • 自己資本比率: 67.5%
  • 海外売上高比率: 34.0%
  • 売上高: 476億円
  • 営業利益: 20億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 12万株(2.3%)
  • 配当利回り: 3.09%

私の分析: SPKは、竹田氏が好む銘柄の典型中の典型です。なぜか。

「連続増配国内屈指」——これは竹田氏の配当重視哲学と完全に一致します。配当を出すだけでなく、毎年増やし続ける会社は、株主への責任感がしっかりしている経営者がいる証拠です。

しかも、自動車補修部品という地味で景気耐性のある事業。新車販売は景気で大きく変動しますが、補修部品は車があれば必ず必要になります。これが業績の安定性につながっています。

自己資本比率67.5%も合格水準。海外売上高比率34%でグローバル展開もしている。

私は、SPKこそ「現代の個人投資家が新NISAで買うべき竹田銘柄」の最有力候補だと考えます。連続増配企業は、長期保有することで配当が増え続け、長期的なリターンが極めて大きくなる傾向があるからです。

2-9. 日邦産業(9913)——電子部品商社の中堅

事業内容: 電子部品商社。エレクトロから自動車・精密機器向けにシフトしています。名古屋に本拠を置きます。

業績の安定性: リーマンショック時には赤字になるなど、景気感応度はやや高め。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 674円
  • PBR: 0.59倍
  • PER: 6.39倍
  • 自己資本比率: 35.7%
  • 海外売上高比率: 40.1%
  • 売上高: 354億円
  • 営業利益: 15億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 24.9万株(2.73%)
  • 配当利回り: 4.15%

私の分析: 日邦産業も、名古屋地盤の地元銘柄です。自己資本比率35.7%とやや低めですが、商社業態ということを考慮すれば許容範囲。

配当利回り4.15%、PBR0.59倍、PER6.39倍と、すべて魅力的な水準。海外売上高比率40.1%という、グローバルな展開も持つ会社です。

地元名古屋の中堅企業を応援するという、竹田氏の旦那道の典型例です。

2-10. KSK(9687)——ソフトウェア中堅・無借金経営

事業内容: ソフトウェア中堅。ネットワーク事業を拡大中で、NECグループへは約2割の依存度。

業績の安定性: リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 2,181円
  • PBR: 0.97倍
  • PER: 7.98倍
  • 自己資本比率: 73.9%(有利子負債ゼロ)
  • 売上高: 186億円
  • 営業利益: 20億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 18.5万株(2.43%)
  • 配当利回り: 3.53%

私の分析: KSKは、まさに竹田氏好みの「有利子負債ゼロ」企業です。借金ゼロで自己資本比率73.9%という、財務健全性の理想形。

ソフトウェア業界は、参入障壁が比較的低いにもかかわらず、KSKは継続的にNECグループとの取引で安定した収益を確保しています。ニッチな分野で確固たる地位を築いている、地味な優良企業の典型です。

2-11. キューブシステム(2335)——金融・流通・通信向けSI企業

事業内容: 金融・流通・通信向けのシステム企業。プロジェクトの管理能力に定評があります。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,008円
  • PBR: 1.90倍
  • PER: 13.62倍
  • 自己資本比率: 73.8%
  • 売上高: 160億円
  • 営業利益: 14億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 18万株(2.36%)
  • 配当利回り: 4.96%(記念配)
  • 株主優待: JCBギフトカード1千円分(200株以上)

私の分析: キューブシステムはPBR1.90倍とやや割高な水準にあったので、竹田氏が「割安」のみを基準に選んだとは言えません。しかし、自己資本比率73.8%、配当利回り4.96%(記念配あり)、業績の安定性、そして株主優待——これらの総合点で評価したものと思われます。

特にプロジェクト管理能力に定評があるという、ソフトハウスとしての「強み」を持っている点も評価ポイントだったでしょう。

2-12. IDホールディングス(4709)——独立系ITサービス

事業内容: 独立系の情報サービス会社。システム運営管理などのITサービスを提供します。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 907円
  • PBR: 1.60倍
  • PER: 11.95倍
  • 自己資本比率: 60.8%
  • 売上高: 278億円
  • 営業利益: 18億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 21万株(2.61%)
  • 配当利回り: 4.41%

私の分析: IDホールディングス(現アイ・ディ・ホールディングス、ID Holdings Corp.)も、独立系ITサービス会社という地味な業態。「独立系」というのは、特定の親会社グループに属さず、自由に複数のクライアントと取引できる立場を意味します。これが収益の多様性を生んでいます。

配当利回り4.41%は魅力的で、業績の安定性も高い。これも竹田銘柄の典型と言えます。

2-13. 東邦システムサイエンス(4333)——金融系SIの中堅

事業内容: ソフト開発中堅。金融関連に強みを持ち、NRI、日ユニシス、富士通と連携しています。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 962円
  • PBR: 1.43倍
  • PER: 11.13倍
  • 自己資本比率: 67.3%(有利子負債ゼロ)
  • 売上高: 142億円
  • 営業利益: 13億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 10万株(1.44%)
  • 配当利回り: 3.64%
  • 株主優待: クオカード1千円分

私の分析: 東邦システムサイエンスもまた、「有利子負債ゼロ」「自己資本比率67.3%」という、財務面で竹田氏好みの構造を持つ企業です。

NRI(野村総合研究所)、日ユニシス、富士通など、業界の大手と連携している点も安心感があります。金融機関向けのシステムは、一度導入されると簡単には変更できないので、安定した売上が見込めます。

ソフトウェア・SI業種に竹田氏が多くの銘柄を保有していたのは、「資産を持たないビジネスは財務的に身軽で、不況にも強い」という見立てがあったのかもしれません。

2-14. 鈴木(6785)——自動車電装部品メーカー

事業内容: 自動車電装部品・電子部品のコネクターが主力。医療器具の組み立ても行います。

業績の安定性: リーマンショック時には赤字になるなど、景気感応度はやや高め。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 886円
  • PBR: 0.60倍
  • PER: 6.19倍
  • 自己資本比率: 65.7%
  • 海外売上高比率: 30.0%
  • 売上高: 234億円
  • 営業利益: 39億円
  • 株主優待: 地元名産品1500円相当(1年以上保有・200株以上)

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 16.4万株(2.65%)
  • 配当利回り: 2.82%

私の分析: **営業利益39億円、売上高234億円という、営業利益率約17%**は、保有銘柄の中でも特に高水準。これは収益性が高い、つまり競争力のある会社であることを示しています。

PBR0.60倍、PER6.19倍と割安。地元名産品の株主優待があるのも、地域への愛着を感じさせます。

2-15. 田中商事(7619)——電気設備関連資材の卸

事業内容: 電気設備関連資材の卸中堅。電線、照明器具、配・分電盤などを扱います。

業績の安定性: リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 527円
  • PBR: 0.35倍
  • PER: 3.88倍
  • 自己資本比率: 53.5%
  • 売上高: 330億円
  • 営業利益: 10億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 22.5万株(2.55%)
  • 配当利回り: 4.17%

私の分析: 田中商事は、PER3.88倍PBR0.35倍という、極端な割安水準が際立つ銘柄です。

電気設備関連資材の卸という、極めて地味なビジネスですが、社会のインフラを支える不可欠な業務。リーマンショック時にも黒字確保という安定性も評価ポイントです。

竹田氏が「周回遅れでないと見えない景色もある」と語ったように、誰も見向きもしないニッチな業界のリーダー企業に、本当の宝が眠っていることがある——田中商事はその好例です。

2-16. 日本システム技術(4323)——独立系SI企業

事業内容: 独立系のシステム開発中堅。ソフト開発、パッケージ、システム販売、医療ビッグデータの4本柱です。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,502円
  • PBR: 2.01倍
  • PER: 13.45倍
  • 自己資本比率: 56.0%(有利子負債ゼロ)
  • 売上高: 213億円
  • 営業利益: 20億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 8万株(1.43%)
  • 配当利回り: 1.66%

私の分析: 日本システム技術はPBR2.01倍とやや割高でしたが、有利子負債ゼロ、医療ビッグデータという新分野への展開、業績の安定性を評価したものと思われます。

竹田氏は単純に「数字が安いから買う」だけではなく、「将来性のある分野に進出している」「借金がない」といった質的な要素も総合的に評価していたことが、この銘柄選定からも見て取れます。

2-17. 西川計測(7500)——制御・分析機器の代理店

事業内容: 横河電機や米国アジレントの総合代理店。制御・分析機器などのシステムに強みを持ち、技術系社員が7割を占めます。

業績の安定性: コロナ禍でも黒字見込みですが、リーマンショック時は赤字でした。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 4,845円
  • PBR: 1.19倍
  • PER: 10.91倍
  • 自己資本比率: 57.1%(有利子負債ゼロ)
  • 売上高: 294億円
  • 営業利益: 23億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 7.9万株(2.3%)
  • 配当利回り: 2.89%

私の分析: 技術系社員が7割——これは興味深い特徴です。代理店業ながら、単なる「物売り」ではなく、技術的な提案ができる組織だということです。これが顧客との長期的な関係構築につながり、安定した業績の源泉となっています。

有利子負債ゼロという財務体質も、竹田流の好む構造です。

2-18. 日本プリメックス(2795)——ミニプリンタの専門卸

事業内容: ミニプリンタ専門卸で最大手。富士通、シャープの製品販売のほか、製造子会社ではOEMも扱います。

業績の安定性: リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 713円
  • PBR: 0.58倍
  • PER: 9.15倍
  • 自己資本比率: 75.4%(有利子負債ゼロ)
  • 海外売上高比率: 12.0%
  • 売上高: 58億円
  • 営業利益: 4億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 15.2万株(2.75%)
  • 配当利回り: 2.81%

私の分析: 日本プリメックスは、ミニプリンタ専門卸という極めてニッチな分野の最大手。自己資本比率75.4%、有利子負債ゼロという、財務面で完璧な企業です。

売上高58億円、営業利益4億円という小さな会社ですが、その小ささゆえに、市場の競争にさらされにくく、安定した収益を出し続けられる構造です。

竹田流の「派手ではないが絶対に潰れない会社」の好例。

2-19. エヌエフ回路設計ブロック(6864)——電子計測器の独自技術企業

事業内容: 独自開発の電子計測器、応用機器で高シェアを持ちます。NF制御技術やアナログ技術が強み。

業績の安定性: リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 946円
  • PBR: 0.55倍
  • PER: 14.12倍
  • 自己資本比率: 66.8%
  • 売上高: 101億円
  • 営業利益: 9億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 16万株(2.55%)
  • 配当利回り: 3.17%

私の分析: 独自開発の電子計測器で高シェア——これは典型的な「ニッチトップ」型企業です。市場規模は大きくないが、その分野では圧倒的なシェアを持つ。だから競争にさらされにくく、安定した利益を生み出せる。

竹田氏が好んだ「競争相手のいないところをゆっくり走る」という哲学に、まさに合致する銘柄です。

2-20. 大伸化学(4629)——シンナーのトップ企業

事業内容: シンナー専業で国内首位、シェアは約3割。塗料・インキ業界が主要顧客です。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,186円
  • PBR: 0.37倍
  • PER: 7.43倍
  • 自己資本比率: 60.2%
  • 売上高: 313億円
  • 営業利益: 9億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 10万株(2.17%)
  • 配当利回り: 2.70%

私の分析: シンナー専業で国内シェア3割——これも極めてニッチなトップ企業です。シンナーという地味な工業薬品で日本一というのは、ほとんどの一般人は知らない事実ですが、塗装や印刷の世界では不可欠な存在です。

PBR0.37倍という極端な割安感、業績の安定性、シェア1位の地位——竹田流のチェックポイントを多方面で満たしています。

2-21. 萬世電機(7565)——三菱電機の総代理店

事業内容: 三菱電機の総代理店。生産システムの開発に強みを持ちます。大阪・兵庫地盤に、首都圏への営業強化に取り組んでいます。

業績の安定性: コロナ禍でも黒字見込みですが、リーマンショック時は赤字でした。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 3,310円
  • PBR: 0.64倍
  • PER: 13.77倍
  • 自己資本比率: 65.0%
  • 売上高: 186億円
  • 営業利益: 5億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 12.1万株(2.63%)
  • 配当利回り: 1.69%

私の分析: 三菱電機という大手メーカーの総代理店という、特殊な立ち位置。三菱電機が安定していれば、萬世電機も安定する、というビジネスモデル。

配当利回りは1.69%とそれほど高くありませんが、PBR0.64倍と割安。竹田氏は「大手と一蓮托生」という安定性を評価したものと思われます。

2-22. クエスト(2332)——ソフト開発・運用の中堅

事業内容: ソフト開発とシステム運用が両輪。半導体・製造・通信・金融関連に強みを持ちます。

業績の安定性: コロナ・リーマンショック時にも黒字を確保するなど、安定感があります。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 1,162円
  • PBR: 1.06倍
  • PER: 10.72倍
  • 自己資本比率: 75.4%(有利子負債ゼロ)
  • 売上高: 118億円
  • 営業利益: 9億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 8.2万株(1.49%)
  • 配当利回り: 3.70%

私の分析: クエストもまた、自己資本比率75.4%・有利子負債ゼロという、財務体質が完璧な会社です。

ソフト開発と運用の両輪というのが特徴。一般的にはソフト開発で売り切りの売上を計上するか、運用で継続収入を得るかのどちらかですが、両方やることで、開発の景気循環の影響を運用の安定性で相殺する構造が作れます。これは経営の知恵です。

2-23. サンコー(6964)——受託生産メーカー

事業内容: デジタル家電・車載電装品を受託生産。金型から組立まで一貫生産できることが強みです。

業績の安定性: リーマンショック時には赤字になるなど、景気感応度はやや高め。

主な指標(2022年時点):

  • 株価: 434円
  • PBR: 0.28倍
  • PER: 9.18倍
  • 自己資本比率: 72.0%(有利子負債ゼロ)
  • 海外売上高比率: 21.0%
  • 売上高: 140億円
  • 営業利益: 5億円

竹田氏の保有状況:

  • 保有株数: 16.6万株(1.64%)
  • 配当利回り: 3.00%

私の分析: サンコーは、PBR0.28倍という極端な割安感が際立つ銘柄。自己資本比率72%・有利子負債ゼロという財務面でも合格。

ただし、リーマンショック時には赤字になっており、景気感応度は高め。竹田氏はリスクを承知の上で、割安感と財務健全性を高く評価したものと推測されます。

2-24. 三共理化学(5383)——ガラス・土石製品

事業内容: ガラス・土石製品の中堅メーカー。JASDAQ上場。

竹田氏は2011年時点で12万株(2.0%)を保有していたとされます。これも竹田氏好みの中小型バリュー株でした。

2-25. 細田工務店——首都圏地盤の戸建住宅分譲

事業内容: 首都圏地盤の戸建住宅分譲が主力。

2008年時点で30万株保有。1株純資産1,680円、年12円配当を実施。株価は2006年4月の960円を高値に、住宅安で2008年4月には336円まで下落していました(当時のデータ)。PBR0.2倍、利回り3.57%。

私の分析: 細田工務店は、PBR0.2倍という極端な割安水準で買い向かった銘柄。住宅市場全体が冷え込む中、優良な土地と財務基盤を持つ会社を、割安なときに買う——これは竹田流の典型的な逆張りバリュー投資です。

2-26. 鈴茂器工(6405)——回転寿司ロボットの開発企業

事業内容: 回転寿司の寿司にぎりロボットを開発したユニークな会社。JASDAQ上場(当時)。

2008年時点で1株純資産1,063円、配当は年15円実施。「お米の見直しで寿司ロボットが世界的に注目を集め、株価は急速に見直しとなっている」と当時報じられていました。

私の分析: 鈴茂器工は、ニッチな分野(寿司ロボット)で世界的なシェアを持つ独自企業。竹田氏が好む「他にない強みを持つ会社」の典型例です。和食ブームと連動して世界展開の可能性も秘めていた銘柄でした。

2-27. インターニックス(2657)・日本エアテック(6291)など

東証1部上場の竹田氏保有銘柄として、インターニックス(2657)、日本エアテック(6291)、田中商事(7619)などが挙げられています。これらも基本的には中堅・中小型銘柄ですが、東証1部上場という相対的に大きめの企業でした。


第三部:保有銘柄から見える「竹田流」の共通点

ここまで個別銘柄を見てきましたが、これらを横断的に分析すると、竹田氏の銘柄選定における共通点・パターンが明確に見えてきます。

3-1. 共通点1:「BtoB(企業間取引)中心」のビジネス

竹田氏が選んだ銘柄の圧倒的多数は、一般消費者を相手にしないBtoB(企業間取引)ビジネスでした。

  • 電子部品商社(萩原電気、日本電計、日邦産業など)
  • 計測器・光学機器メーカー(シグマ光機、エヌエフ回路、西川計測)
  • 自動車部品(SPK、鈴木、ムトー精工)
  • 化学・工業薬品(大伸化学)
  • 産業用ソフトウェア・SI(KSK、IDホールディングス、東邦システムサイエンスなど多数)
  • 医療機器(クリエートメディック)

これらは、製造業や金融業を支える「産業のインフラ」となるビジネス。一般消費者の流行や好みに左右されにくく、安定した取引が続きやすいのが特徴です。

逆に、BtoCで保有していたのは中部日本放送くらい、というのは興味深い事実です。BtoCは流行り廃りが激しく、一発当てるか潰れるかが極端になりがち。竹田氏はこのリスクを意識的に避けたのでしょう。

3-2. 共通点2:「ニッチトップ」企業

保有銘柄の多くは、業界の規模は小さくても、その分野で国内トップ・上位のシェアを持つ「ニッチトップ」企業でした。

  • 日本電計:電子計測器専門商社で国内首位
  • 大伸化学:シンナー専業で国内首位(シェア3割)
  • 日本プリメックス:ミニプリンタ専門卸で最大手
  • エヌエフ回路設計ブロック:独自開発の電子計測器で高シェア

ニッチ市場のトップ企業は、

  • 新規参入者にとって魅力的に見えない(市場規模が小さい)
  • 既存トップが規模の経済を活かせる
  • 顧客との長期的な関係が築かれている
  • 製品の入れ替えコストが高い(スイッチングコスト)

といった競争優位の構造を持ちます。これがバフェットの言う「経済的な堀(エコノミック・モート)」の一形態です。

竹田氏が独自にこの概念に到達していたのは興味深い事実です。

3-3. 共通点3:「有利子負債ゼロ」or「自己資本比率60%超」

保有銘柄を見ると、

  • 有利子負債ゼロ:KSK、東邦システムサイエンス、日本プリメックス、クエスト、サンコー、SPK(海外売上高比率34%でも実質無借金)、西川計測など多数
  • 自己資本比率60%以上:クリエートメディック(78.8%)、シグマ光機(80.4%)、KSK(73.9%)、キューブシステム(73.8%)、クエスト(75.4%)、日本プリメックス(75.4%)、エヌエフ回路設計ブロック(66.8%)、東邦システムサイエンス(67.3%)、SPK(67.5%)、鈴木(65.7%)、萬世電機(65.0%)、大伸化学(60.2%)、IDホールディングス(60.8%)、中部日本放送(78.4%)、サンコー(72.0%)

——というふうに、圧倒的多数が財務健全な会社です。

竹田氏が「つぶれる会社はみんな借金が多い」と言い続けた通り、彼の銘柄選定は徹底的に財務健全性にこだわっていました。

3-4. 共通点4:「割安(PBR1倍以下)」が大半

保有銘柄のPBRを見ると、

  • PBR1倍以下の銘柄: クリエートメディック(0.53)、萩原電気(0.51)、日本電計(0.73)、ムトー精工(0.33)、シグマ光機(0.70)、豊トラスティ証券(0.43)、SPK(0.71)、日邦産業(0.59)、KSK(0.97)、田中商事(0.35)、日本プリメックス(0.58)、エヌエフ回路設計(0.55)、大伸化学(0.37)、萬世電機(0.64)、サンコー(0.28)、鈴木(0.60)、中部日本放送(0.24)、細田工務店(0.2)

PBR1倍以下というのは、「会社を清算した場合の純資産より、現在の時価総額の方が安い」状態。これは究極のバリュー投資の対象です。

ほぼすべての保有銘柄がPBR1倍以下というのは、極めて徹底した割安志向を物語っています。

3-5. 共通点5:「配当利回り3%以上」を基本とする

保有銘柄の配当利回りを見ると、

  • 配当利回り3%超: クリエートメディック(4.29%)、萩原電気(4.17%)、日本電計(4.92%)、ムトー精工(3.13%)、豊トラスティ証券(5.13%)、SPK(3.09%)、日邦産業(4.15%)、KSK(3.53%)、キューブシステム(4.96%)、IDホールディングス(4.41%)、東邦システムサイエンス(3.64%)、田中商事(4.17%)、エヌエフ回路設計(3.17%)、クエスト(3.70%)、サンコー(3.00%)

大半の銘柄が配当利回り3%以上、多くが4%超という、極めて高配当な銘柄群です。

竹田氏が「配当をもらって快適な気分になればよい」と語ったその姿勢が、銘柄選定にも如実に反映されていることが分かります。

3-6. 共通点6:「地味だがリーマンショックでも黒字確保」

竹田氏が選んだ銘柄の多くは、リーマンショックという日本の歴史的不況でも黒字を確保した、極めて景気耐性の強い企業でした。

  • リーマンショックでも黒字: クリエートメディック、萩原電気、日本電計、SPK、KSK、キューブシステム、IDホールディングス、東邦システムサイエンス、田中商事、日本システム技術、日本プリメックス、エヌエフ回路設計ブロック、大伸化学、クエスト

逆に、リーマンショック時に赤字となった銘柄(ムトー精工、豊トラスティ証券、鈴木、西川計測、萬世電機、サンコー、中部日本放送など)も保有していますが、これらは「割安感が極端」「長期的には回復する」と判断したものでしょう。

3-7. 共通点7:「中小型株中心」、ただし晩年は変化

最盛期の130社は、ほぼすべて中小型株でした。これは、「自分が大株主として顔を出せる規模の会社」という基準があったためです。

しかし晩年(2014年頃以降)、竹田氏は方針を転換し、ROE重視で大型株中心に移行しました。具体的な銘柄名は明かしていませんが、三菱商事や三井物産といった大手商社株に着目していたとブルームバーグの取材で語っています。

理由は、

  1. 加齢で多数の小型株を管理するのが難しくなった
  2. 2011年税制改正で「大口株主」の定義が変わった
  3. 中小型株が値上がりして割安感が薄れた
  4. **「10年後にROEが20倍になりそうな会社」**に集中したい

——というものでした。

6、7銘柄の大型株に絞る」というのは、彼の最後の投資戦略でした。ただし、具体的にどの大型株を保有していたかは、最後まで本人が公言しなかったため、確定情報はありません。


第四部:地域性に注目する——「名古屋の旦那」が選んだ地元銘柄

竹田氏の保有銘柄を眺めていると、ある特徴に気付きます。それは「名古屋・愛知地盤の企業が目立つ」ということです。

4-1. 名古屋・愛知地盤の銘柄

中部日本放送(9402):

  • 東海地方のテレビ・ラジオ局
  • 名古屋市中区に本社
  • 竹田本社が直接の大株主

萩原電気ホールディングス(7467):

  • 名古屋に本社を置く電子部品商社
  • トヨタを中心とする自動車産業向けが主力

日邦産業(9913):

  • 名古屋に本社を置く電子部品商社
  • 国内のみならず海外展開もある

愛知地盤の他の銘柄(竹田氏が保有していたか確認できないものも含む可能性あり):

  • 名古屋証券取引所単独上場の中小型株多数

4-2. 「地元への愛」と「情報優位性」の両立

なぜ竹田氏は地元銘柄を多く保有したのでしょうか。

理由1:地元への愛着 竹田氏は名古屋生まれ・愛知育ち。地元の経済を支える企業を応援したいという、旦那道の精神があったことは間違いありません。

理由2:情報優位性 地元企業については、東京の投資家よりも詳しい情報を得やすい立場にあります。地元の経済人とのネットワークから、業界の動向や経営者の評判などが自然と入ってきます。これは投資判断において大きな優位性です。

理由3:地元企業の質 愛知・名古屋エリアは、トヨタ自動車を頂点とする製造業のエコシステムが極めて充実しています。そのため、地元には中堅・中小の優良製造業が数多く存在します。竹田氏の保有銘柄に電子部品商社や自動車部品メーカーが多いのは、この地域経済の特性を反映しているのです。

理由4:株主総会への出席のしやすさ ただし、竹田氏は「株主総会に出席したことは一度もない」とブルームバーグのインタビューで明かしているので、これは理由ではなかった可能性が高いです。彼は「励ますだけの株主」であって、「物言う株主」ではなかったのです。

4-3. 地元投資の意義——個人投資家にも応用可能

竹田氏の地元投資から、現代の個人投資家が学べることは多くあります。

東京の証券会社や有名アナリストが推奨する銘柄は、すでに多くの投資家に注目され、株価が割高になっていることが多いものです。一方、自分の地元の中堅・中小企業は、全国の投資家の目には触れにくく、割安に放置されていることがあります。

しかも、地元企業については、自分の方が情報優位性を持てる場合があります。会社の評判、経営者の人柄、製品やサービスの質——これらは地元に住んでいるからこそ知り得る情報です。

新NISA時代の個人投資家にとって、「地元の優良中小企業に投資する」というのは、竹田流の継承として非常に有効な戦略になり得ます。


第五部:晩年の戦略変更——大型株シフトの意味するもの

竹田氏は晩年、自身の投資戦略を大きく変更しました。中小型株中心から大型株中心へのシフトです。これは何を意味していたのでしょうか。

5-1. 「ROE重視」への転換

2014年9月のブルームバーグのインタビューで、竹田氏は次のように語っています。

「これからはROEを気にする会社が良い」 「10年後にROEが20倍になるのではないかと思える会社に投資する」

この発言は、それまでの「株主資本比率重視」から「ROE重視」への明確な転換を示しています。

ROE(自己資本利益率)とは、株主資本を使ってどれだけ効率的に利益を生んでいるかを示す指標。自己資本比率が高くてもROEが低い会社は、「資本を貯め込んでいるだけで活用していない」ということになります。

竹田氏は晩年、「ただ財務が健全」だけではなく、その健全な財務を効率よく回して利益を生んでいる会社**を求めるようになったのです。

これは投資哲学の進化と言えます。中小型バリュー株は「割安+健全+配当」で十分でしたが、大型株となると「割安+健全+配当+収益効率」という、より高い基準が求められるようになります。

5-2. 大型商社株への注目

具体的な社名は明かしていないものの、竹田氏はインタビューで「総合商社株」に投資対象として注目していると示唆しています。

ブルームバーグの記事によれば、2014年に三菱商事、三井物産が自社株買いを発表し、大手商社の中で株主還元に関する材料が相次いだとされています。両社の年初来騰落率は2014年9月16日終値時点でプラス12%、プラス20%。

2020年にはウォーレン・バフェットが日本の5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の株式取得を発表しましたが、これは竹田氏が亡くなった2016年7月の数年後のことでした。竹田氏は、バフェットより前に日本の総合商社の魅力に気付いていた可能性が高いのです。

これは極めて示唆深い事実です。竹田氏の眼力は、世界一の投資家バフェットに匹敵するレベルだったということを物語っています。

5-3. なぜ大型株への転換だったのか——3つの理由

竹田氏が晩年、大型株へシフトした理由は、整理すると以下の3つに集約できます。

理由1:物理的・身体的な制約 130社もの中小型株を管理するのは、膨大な労力を要します。年4回の四季報を読み、各社の業績を追い、配当の動向を確認する。80歳を超えてくると、これだけのことを継続するのは難しくなります。6-7銘柄の大型株なら管理しやすい——これは現実的な判断でした。

理由2:税制改正への対応 2011年度の金融・証券税制改正で、配当所得の特例課税対象にならない大口株主の要件が、株式総数の5%以上から3%以上に引き下げられました。これにより、多数の中小型株で大口株主の立場にあった竹田氏は、税制上の不利を被ることになりました。これも投資先を絞り込む大きな動機となりました。

理由3:市場環境の変化 2012年12月に始まったアベノミクスにより、日本株は大きく上昇しました。これにより、それまで割安だった中小型株の多くが、適正水準まで株価が上昇。竹田流の「割安だから買う」という基準を満たす銘柄が減ってきました。一方、大型株、とくに商社株などには、まだまだ割安感が残っていた——これも転換の理由の一つでしょう。

5-4. 「自分の健康状態にもよるが、一番投資したいのは教育事業」

ブルームバーグのインタビューで、竹田氏が語った最も印象的な言葉の一つです。

「自分の健康状態にもよるが、一番投資したいのは教育事業」

これは、彼の投資人生の最終章を象徴する言葉でした。

晩年の竹田氏は、

  • 「智徳志士の会」
  • 「貯徳問答講」
  • 「まろわ問答講」

といったセミナーを継続的に開催し、自身の経験と財産を、未来の日本を担う人材に投資していました。

「金融市場での投資」から「人への投資」へ。これが彼の晩年の最大の関心事だったのです。


第六部:竹田銘柄から見えてきた「5つの共通DNA」

ここまで個別銘柄を見てきた上で、私なりに整理した「竹田銘柄に共通する5つのDNA」をまとめておきます。

6-1. DNA1:「無借金・低借金」体質

ほぼすべての保有銘柄が、有利子負債ゼロまたは低水準でした。金融業など特性上仕方ない場合を除き、純粋な事業会社で借金が多い会社を竹田氏が買うことはほとんどなかったと言えます。

6-2. DNA2:「ニッチで強い」企業

業界全体は小さくても、その中で確固たる地位を持つ企業。シェア1位、独自技術、長年の取引関係——こうした「競争に巻き込まれにくい構造」を持つ会社が多くありました。

6-3. DNA3:「リーマンショックでも黒字」の強靭さ

2008年の世界金融危機という極限状況でも黒字を確保した実績は、その会社の経営の質を雄弁に物語ります。竹田氏の保有銘柄の大半は、この試験をクリアしていました。

6-4. DNA4:「配当利回り3-5%」の高配当

竹田銘柄の配当利回りは、平均すると3-5%の高水準でした。これは現在の日本市場の平均(2-3%)よりかなり高い水準。「配当で快適な気分になる」という竹田哲学の実践です。

6-5. DNA5:「PBR1倍以下」の割安感

ほぼすべての保有銘柄がPBR1倍以下、多くは0.3-0.7倍という極端な割安水準でした。これは「清算価値より安く買う」という、グレアム=竹田流バリュー投資の真髄です。


第七部:竹田銘柄を現代に活かす——具体的なアクションプラン

竹田和平氏の保有銘柄の特徴を理解した上で、現代の個人投資家がこれをどう活用できるかを考えてみます。

7-1. アプローチ1:「竹田銘柄をそのまま追う」戦略

竹田氏が保有していた銘柄の中には、今でも上場している企業が多数あります。これらを「竹田銘柄ポートフォリオ」として、そのまま新NISAで買うという戦略があり得ます。

メリット:

  • 自分で銘柄選定する必要がない
  • 「日本一の個人投資家が選んだ会社」という安心感
  • 多くが今も健全に成長している実績

デメリット:

  • 一部の銘柄は買収・上場廃止などで消滅している
  • 当時の状況と現在では事業環境が変わっている
  • 株価水準が変わっており、必ずしも割安とは限らない

注意点として、たとえばクリエートメディックや萩原電気ホールディングス、SPK、日本電計などは、現在も上場を続けており、引き続き竹田流の基準を満たす可能性のある銘柄です。一方、いくつかの銘柄は上場廃止やM&Aで消滅している可能性もあるので、最新情報の確認が必要です。

7-2. アプローチ2:「竹田の基準を使う」戦略

より本質的な活用法は、竹田氏が用いた銘柄選定基準を、自分自身で現代の銘柄に適用することです。

竹田流スクリーニング基準(私の整理):

  1. 自己資本比率60%以上、できれば70%以上
  2. 有利子負債ゼロまたは現預金>有利子負債
  3. PBR1倍以下
  4. PER15倍以下
  5. 配当利回り3%以上
  6. 過去10年で連続配当
  7. リーマンショック時にも黒字確保
  8. 売上高100億~500億円規模の中堅企業
  9. BtoBビジネス中心
  10. ニッチ市場でのトップ・上位シェア

これらの基準で会社四季報を当たれば、現代版「竹田銘柄」を発掘することができます。

7-3. アプローチ3:「地元の竹田銘柄」を探す戦略

自分の住む地域の中堅・中小企業から、竹田流の基準を満たす会社を探すというアプローチ。これは竹田氏が名古屋でやっていたことの再現です。

メリット:

  • 自分が情報優位性を持てる
  • 応援する実感が持てる
  • 地域経済への貢献にもなる
  • 他の投資家にあまり注目されていない可能性が高い

デメリット:

  • 一定の数を満たす銘柄を見つけるのに時間がかかる
  • 地域経済全体の衰退リスクを背負う

7-4. アプローチ4:「大型株シフト」を学ぶ戦略

晩年の竹田氏が大型株(特に商社株)に注目したことは、現代の投資家にも示唆を与えます。

バフェットが2020年に5大商社株を取得し、その後大きく値上がりした事実は、竹田氏の眼力の確かさを実証しました。総合商社、メガバンク、大手保険会社、大手通信会社など、日本の大型優良企業の中にもバリュー投資の対象は存在するということです。

新NISAの成長投資枠で、3-5銘柄の大型株に集中投資する——これは晩年の竹田氏の戦略を現代に再現することになります。


第八部:竹田銘柄の「光と影」——投資判断の現実

竹田氏の保有銘柄を礼賛するだけではなく、現実的な評価も加えておきましょう。

8-1. 全銘柄が成功したわけではない

竹田氏は130社以上の銘柄を保有していましたが、すべてが成功だったわけではありません。

水澤潤氏の本の中でも触れられているように、竹田氏自身、

「数年前のことです。ある会社の株を400円台で取得したのですが、これが半年ほどしたら1600円にまで……」

といった、大成功した銘柄について語っています。これは裏を返せば、全てがそうではなかったということでもあります。

竹田氏も含めて、どんな名投資家も、全銘柄で成功することは不可能です。重要なのは、ポートフォリオ全体としてプラスのリターンを出すことであり、個別銘柄の失敗を恐れて投資しないことではありません。

8-2. ムトー精工の赤字転落

たとえばムトー精工は、2015-2016年に赤字に陥っています。これは竹田氏が保有していた時期の出来事です。

しかし、これで竹田氏がこの銘柄を失敗と評価したかというと、必ずしもそうではありません。彼の哲学では、「会社固有の問題でなく、市場の流れで下がっただけなら、むしろ買い時」だからです。

景気循環の影響で一時的に赤字になっても、財務体質が健全で、長期的には回復する見込みがある会社なら、慌てて売る必要はない——これが竹田流の姿勢でした。

8-3. 中小型株のリスク

竹田氏が好んだ中小型株は、大型株と比べていくつかのリスクを持ちます。

  • 流動性リスク: 売買量が少ないので、売りたいときに売れない、買いたいときに買えない
  • 倒産リスク: 大手より相対的に高い
  • 業績変動リスク: 一つの取引先や一つの製品への依存度が高い場合、ダメージが大きい
  • 情報不足リスク: アナリストのカバレッジが少なく、情報を集めにくい

竹田氏はこれらのリスクを、

  • 100社以上に分散することで個別リスクを下げる
  • 自己資本比率と無借金にこだわることで倒産リスクを下げる
  • 四季報を徹底的に読むことで情報不足を補う

——という形でカバーしていました。これは個人投資家が真似するには、相当な労力と知識が必要です。

8-4. 現代における竹田銘柄の評価

竹田氏が保有していた銘柄のうち、現在も上場を続けている会社の中には、

  • 引き続き優良企業として配当を出し続けている会社
  • M&Aや上場廃止で消滅した会社
  • 業績悪化に苦しんでいる会社

がそれぞれあります。

たとえばクリエートメディックは、現在も医療機器メーカーとして安定した業績を維持しており、配当も出し続けています。SPKも連続増配を続けています。一方で、いくつかの銘柄は上場廃止や買収などにより、市場から姿を消しています。

**「過去の竹田銘柄」を現在買うかどうかは、現在の財務状況と業績を再確認した上で判断する必要があります。竹田氏が好きだった会社だから、というだけで買うのは賢明ではありません。


第九部:私の独自分析——竹田銘柄に隠された「3つの深層構造」

竹田氏の保有銘柄を多角的に分析してきた上で、私が独自に発見した「深層構造」を3つ提示しておきます。

9-1. 深層構造1:「日本の製造業エコシステムの裏方」への集中投資

竹田氏の保有銘柄を業種で分類すると、

  • 電子部品商社
  • 計測器メーカー
  • 自動車部品メーカー
  • 産業用ソフトウェア
  • 化学薬品
  • 医療機器

——というふうに、日本の製造業を支える「裏方」のビジネスが圧倒的に多いことが分かります。

これは何を意味するか。

トヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニックといった日本の大手メーカーは華やかですが、彼らはそれだけでは成立しません。部品、計測器、ソフトウェア、化学薬品といった裏方の中堅企業が、無数に支えているのです。

竹田氏は、**「派手な完成品メーカー」ではなく「地味な裏方」**に投資することで、日本の製造業エコシステム全体に分散投資していたとも言えます。完成品メーカーは時代の変化や競合の出現で大きく揺れますが、裏方のニッチプレイヤーは、複数の完成品メーカーに供給することでリスクを分散できます。

これは現代の投資戦略にも応用可能な、「インフラ的存在」への投資という発想です。

9-2. 深層構造2:「中部経済圏」というアセット・ロケーション

竹田氏の保有銘柄を地域別に整理すると、

  • 中部地方(愛知・三重・岐阜)地盤
  • 関東地方地盤(細田工務店など首都圏住宅)
  • 関西地方地盤(萬世電機など)
  • 全国・海外展開

——というように、多様な地域に分散していますが、特に中部経済圏の企業が目立ちます。

中部経済圏は、トヨタ自動車を頂点とする世界有数の製造業集積地です。竹田氏は、地元への愛着だけでなく、「世界最強の製造業エコシステム」のサプライチェーンに分散投資する意味で、中部の企業を多く選んでいたとも解釈できます。

これは現代でも有効な発想で、「自分が信じる地域経済」に集中投資する戦略は、グローバル分散投資と並ぶ選択肢になり得ます。

9-3. 深層構造3:「日本の縁の下を支える会社」への精神的なコミットメント

私が最も深く感じる構造は、これです。

竹田氏が選んだ会社の多くは、

  • 一般消費者には知られていない
  • 派手な広告も打たない
  • マスコミにもほとんど取り上げられない
  • でも日本社会のどこかで重要な役割を果たしている

——という、「日本の縁の下を支える会社」たちです。

シンナーを作る会社、シリコンカテーテルを作る会社、寿司ロボットを作る会社、ミニプリンタを卸す会社、電子計測器を売る会社、自動車補修部品を扱う会社。

こうした地味な仕事を続けている人たちこそ、日本社会を本当に支えている存在だ——これが竹田氏の信念だったと、私は感じます。

そういう会社の旦那になって、励まし続けたい」——これが彼の銘柄選定の根底にある思想だったのではないでしょうか。

これは単なる投資戦略ではなく、日本社会への深い愛とコミットメントの表れです。竹田氏が「平成の花咲爺」と呼ばれた所以も、ここにあるのです。


第十部:竹田銘柄リストの永久保存版(再整理)

最後に、これまで紹介してきた竹田氏の保有銘柄を、整理した形で一覧化しておきます。これは令和4年(2022年)時点のデータをベースにしており、現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

10-1. ソフトウェア・SI業種(計6社)

銘柄名 コード 主な特徴
KSK 9687 NECグループ依存20%・有利子負債ゼロ
キューブシステム 2335 金融・流通・通信向けSI・自己資本73.8%
IDホールディングス 4709 独立系ITサービス・自己資本60.8%
東邦システムサイエンス 4333 金融系SI・有利子負債ゼロ
日本システム技術 4323 独立系SI・医療ビッグデータ・有利子負債ゼロ
クエスト 2332 ソフト開発+運用・有利子負債ゼロ

10-2. 電子部品・計測器商社(計5社)

銘柄名 コード 主な特徴
萩原電気ホールディングス 7467 名古屋・自動車向け9割
日本電計 9908 電子計測器商社・国内首位
日邦産業 9913 名古屋・自動車・精密機器
田中商事 7619 電気設備関連資材卸
萬世電機 7565 三菱電機の総代理店
西川計測 7500 横河電機・アジレント代理店

10-3. 精密機器・電子計測器メーカー(計4社)

銘柄名 コード 主な特徴
シグマ光機 7713 光学部品・レーザー・自己資本80.4%
エヌエフ回路設計ブロック 6864 独自開発電子計測器・高シェア
サンコー 6964 デジタル家電受託生産・有利子負債ゼロ
日本プリメックス 2795 ミニプリンタ卸最大手・有利子負債ゼロ

10-4. 自動車部品メーカー(計2社)

銘柄名 コード 主な特徴
SPK 7466 自動車補修部品・連続増配国内屈指
ムトー精工 7927 自動車金型・海外売上64%
鈴木 6785 自動車電装・コネクター

10-5. 化学・素材(計2社)

銘柄名 コード 主な特徴
大伸化学 4629 シンナー国内首位・シェア3割
三共理化学 5383 ガラス・土石製品中堅

10-6. 医療機器(計1社)

銘柄名 コード 主な特徴
クリエートメディック 5187 シリコン製カテーテル・自己資本78.8%

10-7. 金融・その他(計2社)

銘柄名 コード 主な特徴
豊トラスティ証券 8747 商品先物大手・配当利回り5.13%

10-8. 放送・メディア(計1社)

銘柄名 コード 主な特徴
中部日本放送 9402 TBS系列・地元東海地盤

10-9. 過去保有銘柄(2008年時点で言及あり)

銘柄名 コード 主な特徴
細田工務店 首都圏戸建住宅・PBR0.2倍
鈴茂器工 6405 寿司にぎりロボット・世界注目
インターニックス 2657 東証1部
日本エアテック 6291 東証1部

このリストの全体を見渡すと、竹田氏が

  • 製造業エコシステムの裏方
  • ニッチトップ企業
  • 地味な高配当・財務健全企業

——に集中投資していたことが、改めてはっきりと見えてきます。


第十一部:竹田銘柄から学ぶ「本当の長期投資」とは何か

最後に、竹田氏の保有銘柄を見てきた上で、私が考える「本当の長期投資」について論じておきます。

11-1. 「長期投資」の本当の意味

「長期投資」と聞くと、多くの人は「インデックスファンドを20年積み立てる」というイメージを持つかもしれません。これも確かに長期投資の一形態ですが、竹田流はもっと別のものでした。

竹田氏の長期投資とは、

応援したい会社の株を、割安なときに買い、その会社が成長していく姿を、20年、30年と寄り添うように見守り続けること

——これだったと私は考えます。

これは単なる「持ち続ける」とは違います。応援するという、能動的で温かい関わり方なのです。

11-2. 配当という「果実」を楽しむ生き方

竹田氏は、

上がってよし、下がってよしの株価かな。昔の庄屋が自分の田んぼの値段をいちいち気にするかい。庄屋が気にするのは、どれだけ人手が必要で、どれだけの年貢が取れるかということだけだよ。株だって同じ。配当をもらって快適な気分になればよい

——と語りました。これは、長期投資の本質を見事に言い表しています。

田んぼの「値段」を気にしてばかりいる庄屋は、本来の仕事ができません。本当の庄屋は、田んぼの「収穫」、つまり年貢を気にする。同じように、本当の投資家は、株価ではなく、配当という収穫を気にすべきだ、というのです。

竹田氏の保有銘柄が高配当銘柄ばかりだったのは、この哲学の実践でした。

11-3. 「貯徳」と「配当」の不思議な親和性

そして私は、竹田氏の「貯徳」という概念と、「配当重視」という投資手法に、深い親和性を感じます。

配当を出してくれる会社というのは、**「株主に恩返しする会社」**です。利益を独り占めせず、株主にしっかり還元する経営者がいる会社。

そういう会社の株を持つことは、「徳を貯める会社のパートナーになる」**ということでもあります。

逆に、配当を出さず、内部留保ばかり貯め込む会社は、株主への配慮が足りない、ある意味「徳が薄い」会社です。

竹田氏が配当重視を貫いたのは、単に経済的合理性からだけではなく、「徳ある会社を選ぶ」という、より深い思想からだったと私は理解しています。

そして、彼自身が受け取った配当の多くを、智徳志士の会などの教育事業(=次世代への貯徳)に投じていたのも、すべてが繋がっています。

徳ある会社の株を持つ → 配当(徳)が振り込まれる → そのお金を次世代の教育(貯徳)に使う

これが、竹田和平という人の人生に貫かれていた、美しい循環の構造だったのです。


結論——「地味でも光る」を見抜く眼力

本記事では、竹田和平氏の具体的な保有銘柄を、できる限り詳細に紹介し、分析してきました。

最後に、私がこの分析を通じて最も強く感じたことを一言で述べておきます。

それは、竹田和平の凄みは「地味でも光る」を見抜く眼力にあったということです。

クリエートメディック、シグマ光機、日本電計、大伸化学、田中商事——これらの会社を、株式投資を始めたばかりの人が四季報で見つけたとしても、おそらく素通りするでしょう。あまりにも地味で、誰も話題にしていない、業績の派手な成長もない。

しかし竹田氏は、そういう会社の中に**「光る石」**を見出しました。財務が健全で、配当をきちんと出し、ニッチでも自分の領域でしっかり生き残っている——そういう会社こそが、本当の優良企業なのだ、と。

そして、その「光る石」たちを、何十社、何百社と集めて、長期にわたって保有し続けることで、彼は日本一の個人投資家となったのです。

新NISAが始まり、株式投資への関心がかつてないほど高まっている現代。多くの人が、SNSで話題の銘柄や、テーマ性のある成長株を追いかけています。

しかし、本当に資産を築きたいなら、もう一度、竹田和平が選んだような「地味でも光る」会社に目を向けてみてはいかがでしょうか。

会社四季報の海の中には、今もきっと、令和の竹田銘柄が眠っています。それを見つけ出すのは、SNSのインフルエンサーでも、AIでもなく、あなた自身の眼力です。


補足——竹田氏のスタンスと現代の私たちへのメッセージ

ブルームバーグのインタビューで、竹田氏は重要な発言をしています。

「攻撃的な『物言う株主』にならず、企業を『励ますだけの株主』になることで、株主総会への出席や自ら投資先企業に出向き、経営者に話を聞いたことは一度もない」

「投資銘柄の選別は、今でも東洋経済新報社の会社四季報を見て決める」

日本株投資の名伯楽は生活費を給料で賄い、投資先企業の配当金や売却益は全て株式に再投資し続けている

これらの発言は、竹田流の本質を凝縮しています。

「励ますだけの株主」——これは現代の「物言う株主」「アクティビスト」とは正反対の立ち位置です。経営者を信頼し、見守り、応援する。これが旦那道。

「四季報を見て決める」——情報源を絞り、ノイズを排除する。

「生活費は給料で、投資の利益はすべて再投資」——本業の収入で生活し、投資の利益には手をつけず、複利で増やし続ける。これが資産形成の王道です。

現代の私たちも、

  1. SNSのノイズに振り回されない
  2. 信頼できる情報源(四季報や有価証券報告書)で銘柄を決める
  3. 本業の収入で生活を賄う
  4. 投資の利益はすべて再投資する
  5. 経営者を信頼し、応援する立場で長期保有する

——という、竹田流の生き方を、自分なりの形で実践できるはずです。

それが、彼が遺してくれた最大のレガシーだと、私は信じています。


参考資料

一次情報源(竹田氏自身の発言・著書)

  1. 竹田和平『人とお金に好かれる「貯徳」体質になる!』 講談社 ISBN: 4-06-215398-X
  2. 竹田和平『けっきょく、お金は幻です。』 サンマーク出版 ISBN: 4-7631-9921-8
  3. 竹田和平『投資の極意は「感謝のこころ」』 PHP研究所 ISBN: 4-569-70681-9
  4. 竹田和平『日本一の個人投資家が教える お金と福に好かれる「原則」』 サンマーク文庫
  5. 編集長インタビュー 竹田和平氏「竹田製菓社長」 CiNii Research (https://cir.nii.ac.jp/crid/1520009408087859456)

インタビュー・取材記事(準一次情報)

  1. 「竹田和平氏保有株絞る、ROE重視で大型-経営も恩返し大切」 Bloomberg 2014年9月16日 (https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2014-09-15/NB29YB6K50YE01)
  2. 「『日本一の個人投資家』竹田和平氏死去 バリュー投資を徹底」 日本経済新聞 2016年7月22日
  3. 「竹田和平氏死去 『和製バフェット』投資手法に注目度高く」 日本経済新聞 2016年7月22日
  4. 「『タマゴボーロ』竹田和平氏死去 『和製バフェット』の異名も」 J-CASTニュース 2016年7月22日
  5. 「『和製バフェット』竹田和平氏しのび300人 犬山で一周忌の催し」 日本経済新聞電子版 2017年7月23日

竹田氏について書かれた書籍

  1. 水澤潤『花のタネは真夏に播くな〜日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学〜』 文春文庫 ISBN: 4-16-775601-3 (解説:真田英里・竹田和平最後の個人秘書)
  2. 水澤潤『日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方—上場会社・約70社の大株主・竹田和平さんの旦那的投資哲学』 ISBN: 4-426-75107-1
  3. 田中勝博『竹田和平の強運学—日本一の投資家が明かす成功への7つの黄金則』 東洋経済新報社 ISBN: 4-492-73180-6

保有銘柄一覧(企業の有価証券報告書ベース)

  1. 「和製ウォーレン・バフェット『竹田和平式・個別投資のすすめ』」 日本インタビュ新聞社・証券オンライン (https://www.media-ir.com/press/takedawahei/)
  2. 「日本の凄い投資家・竹田和平氏の保有株まとめ【永久保存版・令和4年10月28日現在】」 株主優待と高配当株を買い続ける株式投資ブログ (https://kibinago7777.blogspot.com/2016/04/2016_14.html)
  3. 「竹田和平氏が保有する銘柄一覧(大株主10位以内)その1・2」 職業としての相場 (https://ameblo.jp/yellowfund/entry-11039559196.html)
  4. 「上場企業100社以上の大株主 個人投資家竹田和平とはどんな人なのか!」 NAVERまとめ
  5. 「竹田和平さんが保有する銘柄一覧と評価額」 バフェット・コード (https://www.buffett-code.com/shareholder/e1adc368610104ca1318a1115181a6dd)
  6. 「竹田和平 – 企業・投資家情報」 IRBANK (https://irbank.net/竹田和平)
  7. 「竹田和平 – 保有株の推移」 Ullet (https://www.ullet.com/s89612.html)

投資哲学・分析記事

  1. 山田健彦「『投資の神様』竹田和平とバフェットに共通する資産運用の黄金ルール」 マネーボイス
  2. 「『資産100億円』有名投資家の手法を紹介! 竹田和平氏はいかにして成功したか」 ORICON NEWS
  3. 「【投資】日本一の個人投資家、竹田和平さん」 note・Isshy氏 (https://note.com/isshy416/n/nd90e6c8300fa)
  4. 「日本一の大投資家 竹田和平に学ぶ 7つのこと」 No Money, No Freedom
  5. 「竹田和平に学ぶ5つの株銘柄の買い方」 GoldPegasus.jp

ウェブ百科事典・企業情報

  1. 竹田和平 – Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/竹田和平)
  2. 竹田本社 – Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/竹田本社)
  3. 竹田本社株式会社 公式サイト (https://creek.jp.net/gold/about_takeda.html)
  4. 中部日本放送 大株主情報 IRBANK (https://irbank.net/E04376/holder)
  5. 会社四季報 東洋経済新報社 各号

関連企業ホームページ(各保有銘柄)

  1. クリエートメディック株式会社 (https://www.createmedic.co.jp/)
  2. 萩原電気ホールディングス株式会社 (https://www.hagiwara.co.jp/)
  3. 日本電計株式会社 (https://www.n-denkei.co.jp/)
  4. シグマ光機株式会社 (https://www.global-optosigma.com/jp/)
  5. SPK株式会社 (https://www.spkcorp.co.jp/)
  6. 株式会社KSK (https://www.ksknet.co.jp/)
  7. 株式会社中部日本放送 (https://hicbc.com/)
  8. その他の保有銘柄企業ホームページ

おわりに

竹田和平氏が実際に保有していた具体的な銘柄について、できる限り深く、多角的に、独自の視点で分析する記事として書き上げました。

竹田氏自身の発言、取材した記者の証言、各企業の有価証券報告書情報、四季報のデータなど、可能な限りの一次・準一次情報を集めて再構成しました。

本記事を通じて最も伝えたかったのは、竹田氏が選んだ銘柄たちが、いかに「地味で、誰も注目しない、でも本当に光る」会社たちであったか、ということです。

新NISAが始まり、株式投資への関心が高まる今、SNSで話題の銘柄や、テーマ性のあるグロース株ばかりに目を向けてしまいがちです。しかし、本当に長期で資産を築きたいなら、竹田和平が示してくれたような、「派手ではないが絶対に潰れない」「配当をきちんと出してくれる」「社会に必要な裏方の仕事をしている」会社にこそ、目を向けるべきではないでしょうか。

会社四季報の中には、令和の今も、新しい「竹田銘柄」が眠っています。それを見つけ出す眼力を磨くこと——これが、竹田和平氏が私たちに遺してくれた、最大の宿題なのだと、私は思います。

最後に、竹田氏に倣って一言。

「ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました」


本記事は2026年5月時点の公開情報に基づいて執筆されました。記載の財務指標等は2014年から2022年頃のデータが中心であり、現在の数値とは異なる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事は特定の銘柄を推奨するものではありません。

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