就職氷河期世代のTOEIC・英語学習で40代50代からキャリアの幅を広げる完全ガイド【費用を抑えて実務に活かすための全戦略】

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就職氷河期世代のTOEIC・英語学習で40代50代からキャリアの幅を広げる完全ガイド【費用を抑えて実務に活かすための全戦略】

はじめに——「今さら英語?」への回答

「40代、50代で英語を始めて意味があるのか」。この疑問を持つ氷河期世代は多いだろう。結論から言えば、意味はある。ただし、「ペラペラになること」が目標ではない。現実的な目標は「TOEIC600点以上を取得し、求人の選択肢を広げること」だ。

TOEIC600点は、英語の「実務で最低限使えるレベル」として多くの企業が採用基準にしているスコアだ。このスコアを持っていると、事務職であっても「英語対応可能」として求人の幅が広がる。貿易事務、外資系企業の一般事務、翻訳チェック補助。派遣の時給で見ると、英語力なしの一般事務が時給1300円前後に対し、英語使用の事務は時給1500〜1800円。時給200〜500円の差がつく。年間にすると40万〜100万円の差だ。

問題は「どうやって勉強するか」「いくらかかるか」「どのくらいの期間で到達できるか」だ。このガイドでは、氷河期世代が最小限のコストでTOEICスコアを上げるための具体的な方法を解説する。

40代50代の英語学習の現実的なロードマップ

英語学習のロードマップは、現在のレベルによって異なる。まずは自分のレベルを把握する。

レベルA(TOEIC300点以下・ほぼゼロからのスタート)。中学英語から怪しい。be動詞の使い分けが曖昧。英語の文章を見ると頭がフリーズする。このレベルからTOEIC600点を目指す場合、目安は12〜18ヶ月。毎日30分〜1時間の学習が必要。

レベルB(TOEIC300〜450点・基礎はあるが忘れている)。高校までの英語はなんとなく覚えている。簡単な英文なら読める。リスニングは苦手。このレベルからTOEIC600点を目指す場合、目安は6〜12ヶ月。

レベルC(TOEIC450〜550点・あと少し)。基本的な英文は読めるし聞ける。だがスピードについていけない。語彙力が足りない。このレベルからTOEIC600点を目指す場合、目安は3〜6ヶ月。

自分のレベルがわからない場合は、TOEIC公式問題集のサンプル問題(公式サイトで無料公開されている)を解いてみる。正答率で大まかなレベルが把握できる。

費用を最小限に抑える学習法

英会話スクールに通えば月2〜5万円かかる。オンライン英会話でも月5000〜1万円。氷河期世代の家計では、これらの費用を捻出するのは厳しい。だが費用を最小限に抑えても、TOEIC600点は十分に狙える。

方法1は「無料アプリの活用」だ。TOEIC対策アプリは無料のものが多数存在する。「abceed」は無料プランでも過去問の一部が使える。「mikan」は英単語の暗記に特化したアプリで、TOEIC頻出単語を効率よく覚えられる。「NHKゴガク」はNHKの語学講座が無料で聴ける。これらを組み合わせれば、アプリ代はゼロで済む。

方法2は「図書館の活用」。TOEIC対策の参考書は図書館で借りられる。「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」「金のフレーズ」「文法特急」。これらの定番参考書が図書館にあれば、テキスト代もゼロだ。図書館にない場合は、中古書店やフリマアプリで数百円で手に入る。

方法3は「YouTubeの無料講座」。TOEIC対策のYouTubeチャンネルは多数ある。文法解説、リスニング対策、解法テクニック。プロの講師が無料で教えてくれる。通学の必要もない。スマートフォンがあれば、通勤電車の中でも学習できる。

方法4は「NHKラジオ講座」。「ラジオ英会話」「入門ビジネス英語」などの講座は、テキスト代月550円のみ。放送はラジオまたは「NHKゴガク」アプリで無料で聴ける。月550円で質の高い英語教育が受けられる。年間6600円。英会話スクールの1ヶ月分以下だ。

これらの方法を組み合わせた場合の年間コストは、TOEIC受験料7810円+テキスト代(中古で1000〜2000円)+NHKテキスト代6600円=合計約16000円。2万円以下でTOEIC600点を目指せる。

具体的な学習スケジュール

仕事をしながら学習する場合、1日に使える時間は限られている。平日30分、休日1時間の学習を想定したスケジュールを示す。

月曜〜金曜(各30分)。通勤時間に英単語アプリで単語暗記(15分)。帰宅後にリスニング練習またはNHKラジオ講座(15分)。短い時間を分割して使うのがコツだ。30分をまとめて取るよりも、15分×2回のほうが継続しやすい。

土日(各1時間)。模擬問題を解く(45分)。復習と弱点分析(15分)。土日は「アウトプット」の時間にする。平日にインプットした知識を、問題演習でアウトプットする。

この方法で、週に4.5時間の学習時間が確保できる。月に約18時間。半年で約108時間。TOEICのスコアアップに必要な学習時間は、100点アップにつき約200〜300時間と言われている。TOEIC400点から600点へ200点アップするなら、400〜600時間。上記のペースでは、1年半〜2年半かかる計算だ。

もう少し学習時間を増やせれば、到達期間は短くなる。平日45分、休日2時間にすれば、月に約30時間。1年で360時間。1年〜1年半で600点に到達できる可能性がある。

TOEIC600点を取った後のキャリア展開

TOEIC600点を取得した後、どのような求人に応募できるようになるか。

求人1は「貿易事務」。輸出入に関する書類作成、通関手続きの補助、海外の取引先とのメール対応。TOEIC600点あれば応募可能な求人が多い。派遣の時給は1600〜2000円程度。一般事務より300〜700円高い。

求人2は「外資系企業の一般事務」。外資系企業は英語力を求めることが多いが、すべてのポジションで流暢な英語が必要なわけではない。バックオフィスの事務(経理補助、人事補助、総務など)では、TOEIC600点程度の英語力があれば十分なケースがある。外資系は給与水準が日系企業より高い傾向にある。

求人3は「英文事務」。英語の文書の作成、翻訳チェック、海外顧客からのメール対応。「英語を使う事務」として募集される。TOEIC600〜700点が応募条件のことが多い。

求人4は「インバウンド対応」。観光施設、ホテル、空港、免税店などでの外国人対応。英語の会話力が求められるが、TOEIC600点レベルでも対応可能な職種はある。特に読み書き中心の事務的な対応なら、スピーキング力がそこまで高くなくても大丈夫だ。

TOEIC600点は「英語ができる人」ではなく「英語がある程度使える人」の証明だ。完璧な英語力ではない。だが「英語力ゼロ」との差は大きい。求人検索サイトで「英語」「TOEIC600」で検索すると、英語力なしの事務職とは別の求人群が表示される。この「別の求人群」にアクセスできることが、TOEIC600点の最大の価値だ。

40代50代の英語学習で挫折しないコツ

英語学習の最大の敵は「挫折」だ。特に40代50代は、若い頃に比べて記憶力が落ちている実感があり、「やっても無駄なのでは」と思いがちだ。挫折を防ぐためのコツをいくつか紹介する。

コツ1は「完璧を目指さない」こと。ネイティブのような発音、ビジネスレベルの会話力。これらは目標にしない。目標はTOEIC600点。600点は「完璧な英語力」ではない。「最低限使える英語力」だ。完璧を目指すとハードルが高くなりすぎて挫折する。最低限を目指す。最低限でいい。

コツ2は「毎日少しずつ」。週末にまとめて5時間勉強するより、毎日30分のほうが効果的だ。語学学習は「毎日触れる」ことが重要。1日でも空くと、前日に覚えたことが抜ける。短くてもいいから毎日続ける。歯磨きと同じレベルの日常習慣にする。

コツ3は「成果を数字で確認する」こと。模擬テストを月に1回受けて、スコアの推移を記録する。スコアが上がっていれば、「やっている意味がある」と確認できる。確認できれば、モチベーションが維持される。スコアが上がらなくても、「どの分野が弱いか」がわかるので、学習方法を修正できる。

コツ4は「仲間を作る」。一人で続けるのは辛い。オンラインのTOEIC学習コミュニティ(TwitterやDiscordにある)に参加して、同じ目標を持つ仲間と進捗を共有する。仲間がいると、サボりにくくなる。友達がいない氷河期世代でも、オンラインコミュニティなら匿名で参加できる。

コツ5は「目的を明確にする」。「なぜ英語を学ぶのか」を明確にしておく。「時給を200円上げるため」「貿易事務に応募するため」「外資系の求人に挑戦するため」。目的が明確であれば、辛いときも「これは○○のためだ」と自分を奮い立たせられる。

英語学習と教育訓練給付金

英語学習にも教育訓練給付金が使える場合がある。厚生労働省が指定するTOEIC対策講座や英会話スクールの中には、一般教育訓練給付金の対象になっているものがある。一般教育訓練給付金は受講料の20%(上限10万円)が支給される。

例えば、受講料10万円のTOEIC対策講座を受講した場合、20%の2万円が給付される。実質負担は8万円。無料の独学に比べると高いが、体系的なカリキュラムと講師のサポートが受けられる。独学で挫折した経験がある人は、給付金を使って講座を受講するのも一つの手だ。

対象講座は「教育訓練給付制度 検索システム」(厚生労働省のウェブサイト)で検索できる。「英語」「TOEIC」で検索すると、対象講座の一覧が表示される。給付金の申請条件(雇用保険の被保険者期間1年以上など)も合わせて確認しておこう。

TOEIC以外の英語資格

TOEICが最もメジャーだが、目的によっては他の英語資格も検討する価値がある。

英検(実用英語技能検定)は、TOEICと並ぶメジャーな英語資格だ。英検2級がTOEIC550〜600点程度に相当する。英検は「合格・不合格」の形式なので、「英検2級合格」は履歴書に書きやすい。TOEICのスコアは「高い・低い」の相対評価だが、英検は「合格」の絶対評価。

日商ビジネス英語検定は、ビジネスメールや商用文書の英語力を測る資格。貿易事務や英文事務を目指す人に向いている。3級はTOEIC500点程度の英語力があれば取得可能。

いずれにしても、英語の資格は「持っているだけ」では意味がない。資格を取ったうえで、実際に英語を使う仕事に応募し、採用されて初めて意味が出る。資格は「入口の鍵」であり、鍵を手に入れたら、ドアを開けて中に入る行動が必要だ。

まとめ——英語は40代50代からでも武器になる

「今さら英語」ではない。「今からでも英語」だ。TOEIC600点は、1年〜2年の学習で到達可能なスコアだ。費用は年間2万円以下に抑えられる。取得すれば、求人の幅が広がり、時給が上がる可能性がある。

英語学習は、氷河期世代にとって数少ない「コスパの良い自己投資」だ。資格の中には「取っても意味がなかった」ものもある(別のエッセイで書いた通りだ)。だがTOEICは、スコアが直接的に求人条件と連動しているため、「取れば使える」確率が高い。

今日から始められる。スマートフォンに英単語アプリをインストールする。それだけで、英語学習の第一歩を踏み出せる。第一歩を踏み出すのに、1円もかからない。

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