独身中年の「スーツを着る機会がゼロ」問題——冠婚葬祭の服装を最小コストで準備する

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はじめに——「スーツを持っていない45歳」の焦り

派遣社員の日常にスーツは不要だ。作業着、カジュアル、ビジネスカジュアル。スーツを着る機会がない。だがある日突然「スーツが必要な場面」が来る。親族の葬儀。「お通夜に行かなきゃ。でもスーツが——ない」。クローゼットを開ける。10年前に買ったスーツが出てくる。着てみる。ウエストが——入らない。肩が——きつい。虫食いの穴が——ある。「着られない」。明日がお通夜。今日中に何とかしなければ。

この「突然のスーツ問題」は、独身の非正規雇用者に特有の悩みだ。正社員なら毎日スーツを着るので「持っていない」ことはない。だが派遣社員は「年に1回もスーツを着ない」こともある。着ないまま数年が経ち、体型が変わり、スーツが使い物にならなくなる。

このガイドでは「スーツを持っていない(または着られなくなった)45歳独身男性」が「最小コスト」で冠婚葬祭に対応する方法を解説する。

「最低限必要な1着」——喪服(ブラックフォーマル)だけ持つ

結論から言えば「持っておくべきスーツは喪服1着だけ」で十分。なぜか。45歳独身男性が「スーツを着る場面」は、現実的には「葬儀」がほぼ唯一だ。結婚式に呼ばれることは年齢的に減っている(同世代はすでに結婚済み)。仕事の面接も、公務員試験の面接も、ビジネスカジュアルまたはユニクロの感動ジャケット+感動パンツ(約12000円)で対応可能。

葬儀だけは「喪服(ブラックフォーマル)」が必要。ビジネススーツ(ダークグレーやネイビー)で代用する人もいるが、厳密にはマナー違反とされる場合がある。「喪服1着」を持っていれば、「突然の葬儀」にも対応できる。

喪服を「最安で」手に入れる方法

方法1は「ユニクロの感動ジャケット+感動パンツ(黒)」で代用する。上下で約12000円。厳密な喪服ではないが、「黒のセットアップ」であれば通夜・告別式で「明らかにマナー違反」とは見なされないことが多い。特に通夜は「急な知らせで駆けつけた」体なので、完璧な喪服でなくても許容される。

方法2は「しまむら・イオンの喪服セット」。喪服のジャケット+パンツのセットが8000〜15000円で売っている。ネクタイ・靴は別途。合計15000〜20000円で「完全な喪服一式」が揃う。品質はブランドの喪服には劣るが、「年に1〜2回しか着ない」なら十分。

方法3は「レンタル」。喪服のレンタルサービスがある。ネットで注文すれば翌日届く。1泊2日で5000〜8000円。「買うほどではないが、すぐに必要」な場合に便利。ただし「翌日届く」なので「今日の通夜に間に合わない」場合は使えない。

方法4は「リサイクルショップで中古の喪服を買う」。セカンドストリート、ブックオフ(衣料品取扱店舗)、メルカリ。中古の喪服が1000〜5000円で手に入る場合がある。サイズが合えば最安の選択肢。

喪服と一緒に揃えるべき「5アイテム」

喪服本体だけでは不十分。以下の5アイテムを一緒に揃えておく。

アイテム1は「白いワイシャツ」。レギュラーカラー(襟がスタンダードな形)。ユニクロで1500〜2000円。アイテム2は「黒いネクタイ」。光沢のない無地の黒ネクタイ。100均で330円。またはユニクロで1500円。アイテム3は「黒い靴」。革靴が理想だが、黒いビジネスシューズ(ワークマン1900円)でも可。アイテム4は「黒い靴下」。無地の黒。100均で110円。アイテム5は「数珠」。仏式の葬儀で使う。100均で330円。または仏具店で1000〜3000円。

5アイテムの合計。100均で揃える場合:330円(ネクタイ)+110円(靴下)+330円(数珠)=770円。ワイシャツと靴を含めても約4670円。喪服本体(しまむら10000円)+5アイテム(4670円)=合計約14670円。15000円以下で「完全な葬儀セット」が完成する。

「喪服セット」の保管方法——虫食いとカビを防ぐ

喪服は「年に1〜2回しか着ない」ため、保管方法が重要。保管を間違えると、次に出したときに「虫食いの穴」「カビ」「強烈な防虫剤の匂い」で着られなくなる。

保管のコツ1は「ハンガーにかけて保管する」。畳むとしわになる。ハンガー(100均で110円)にかけてクローゼットに吊るす。コツ2は「不織布の衣類カバーをかける」。ホコリを防ぐ。100均で110円。コツ3は「防虫剤を入れる」。クローゼットに防虫剤を1個入れる。100均で110円。半年ごとに交換。コツ4は「年に1回、風通しをする」。クローゼットから出して、半日〜1日、室内に吊るして風を通す。カビの予防。

保管グッズの合計。ハンガー110円+カバー110円+防虫剤110円=330円。330円で「喪服の安全な保管」が完了する。

「結婚式に呼ばれた」場合——45歳で稀だが起きうる

45歳で結婚式に呼ばれることは稀だが、ゼロではない。後輩の結婚式、再婚する友人の結婚式。呼ばれた場合、喪服(ブラックフォーマル)では行けない(祝い事に「全身黒」はNG)。

対処法1は「ユニクロの感動ジャケット(ネイビー)+感動パンツ(グレー)」。ジャケットとパンツの色を変えて「カジュアルフォーマル」に。上下で約12000円。白シャツ+明るい色のネクタイ(100均330円)を合わせれば、結婚式の二次会レベルなら問題ない。

対処法2は「スーツのレンタル」。結婚式用のスーツレンタルが5000〜10000円。ネクタイ・ポケットチーフ込みのセットもある。「年に1回も着ないスーツ」を買うよりレンタルのほうが合理的。

「公務員試験の面接」で着る服

公務員試験の面接でスーツが必要な場合。喪服(黒)では「堅すぎる」「葬儀感が出る」。面接には「ダークネイビーまたはチャコールグレーのスーツ」が適している。だがこのためだけにスーツを買うのはもったいない。

最安対策は「ユニクロの感動ジャケット(ネイビー)+感動パンツ(ネイビー)」。セットアップで約12000円。見た目は「スーツ」と変わらない。しわになりにくく、自宅で洗える。面接後も「ジャケットだけカジュアルに使う」ことが可能。汎用性が高い。

まとめ——「1着の喪服」と「1セットのユニクロ」で人生のすべてに対応する

45歳独身男性が持つべき「フォーマル服」は2セットだけ。喪服1着(しまむら10000円+小物4670円=約15000円)。ユニクロのセットアップ1着(約12000円)。合計約27000円。この27000円で「葬儀」「結婚式」「面接」のすべてに対応できる。

27000円を「持っていない」人は、まず喪服だけ先に揃える。15000円。「葬儀は突然来る」からだ。結婚式と面接は「事前に日程がわかる」ので、その時にユニクロを買えばいい。「突然に備える」のが防災と同じ「喪服の備え」。15000円は「冠婚葬祭の保険」だ。

このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

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