- はじめに ~ 工場の「FA」と家庭の「血圧計」をつなぐもの
- オムロンの歴史 ~ 「ソーシャルニーズの創造」90年
- オムロンのビジネスモデル ~ 4つのコア事業
- 制御機器(FA)~ 工場の自動化を支える
- ヘルスケア(血圧計)と「ソーシャルニーズの創造」
- 業績の推移と構造改革「NEXT 2025」
- 弱点1:制御機器(FA)事業の業績変動
- 弱点2:特定業界・市場への依存(半導体・電池・中国)
- 弱点3:在庫・部品調達のリスク
- 弱点4:中国市場の停滞・競争
- 弱点5:構造改革の実行リスク
- 弱点6:米国関税の影響
- 弱点7:為替変動
- 弱点8:FA市場の競争
- 弱点9:ヘルスケアの競争・市場環境
- 弱点10:成長ドライバーの偏り
- まとめ ~ 「ソーシャルニーズの創造」を掲げる京都企業
- 参考資料
はじめに ~ 工場の「FA」と家庭の「血圧計」をつなぐもの
オムロンと聞いて、多くの人は「血圧計」や「体温計」を思い浮かべるでしょう。確かに、オムロンは家庭用血圧計で世界トップシェアを誇るヘルスケア企業です。しかし、オムロンのもう一つの顔は、工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)を支える制御機器のリーディングカンパニーであることです。
工場の生産ラインで使われるセンサー、リレー、コントローラー、ロボット――。オムロンの制御機器は、世界中の工場の自動化を支えています。家庭の血圧計と工場の制御機器、一見まったく異なる事業ですが、その根底にあるのは「センシング&コントロール+Think」というオムロンのコア技術。「測る」「制御する」「考える」という共通の技術が、両方の事業を支えているのです。
オムロンの企業理念の核心が、「ソーシャルニーズの創造」。社会の課題を、技術で解決する――創業者・立石一真が掲げたこの理念のもと、オムロンは「世界初」の製品(自動改札機、現金自動支払機等)を数多く生み出してきました。
オムロン株式会社(証券コード6645、東証プライム)の2024年度(2025年3月期)は、制御機器事業の停滞により厳しい状況。構造改革プログラム「NEXT 2025」のもと、収益基盤の再構築を進めています。2024年3月期は中国の設備投資需要の落ち込み等で純利益が前期比98%減という厳しい結果でした。
本記事では、オムロンの「制御機器(FA)×ヘルスケア」モデルを多角的に分析し、その独自の強さと弱点の両面に迫ります。
オムロンの歴史 ~ 「ソーシャルニーズの創造」90年
オムロンの起源は、1933年(昭和8年)、立石一真が大阪で創業した立石電機製作所です。
1933年、立石電機製作所を創業。レントゲン撮影用タイマーから。
社名・ブランドの「オムロン(OMRON)」は、創業地の京都・御室(おむろ)に由来。後に社名も「オムロン」に。
戦後、1950年代~1960年代、制御機器(リレー、スイッチ、センサー)へ。
立石一真の理念「ソーシャルニーズの創造」:社会の課題を技術で解決する。
1960年代~1970年代、「世界初」の製品を次々と生み出す:
- 世界初の無人駅システム・自動改札機
- 世界初の現金自動支払機(CD)
- 自動感応式信号機
- これらが社会のインフラに
1970年代~1990年代、制御機器(FA)、電子部品、ヘルスケア(血圧計、体温計)等へ多角化。
1990年、社名を「オムロン」に変更。
2000年代~2010年代、制御機器(FA)とヘルスケアが成長を牽引。中国市場の拡大。
2010年代~2020年代、長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」。制御機器・ヘルスケア・社会システム・電子部品の4事業。
2023年度、中国経済の鈍化、半導体・電池の設備投資減で業績悪化。
2024年2月、構造改革プログラム「NEXT 2025」を策定。
現在、オムロンは、辻永順太社長CEOのもと、制御機器事業の立て直しと収益基盤の再構築を進めています。
オムロンのビジネスモデル ~ 4つのコア事業
オムロンのビジネスモデルは、4つのコア事業から成り立っています。
第一に、「制御機器事業(IAB:インダストリアルオートメーション)」(最大の事業)。
- FA(ファクトリーオートメーション)用の制御機器
- センサー、リレー、コントローラー、ロボット、画像処理等
- 工場の自動化
- 半導体、二次電池、自動車等の大手顧客
- ソリューションビジネス
第二に、「ヘルスケア事業(HCB)」(安定成長)。
- 家庭用血圧計(世界トップシェア)
- 体温計、体重計、ネブライザー(吸入器)
- 遠隔診療(ルーシーヘルステック)
- 健康管理アプリ「OMRON connect」
- 循環器・呼吸器疾患の予防
第三に、「社会システム事業(SSB)」。
- 駅務機器(自動改札機)
- 交通管制(信号機)
- 決済システム
- 再生可能エネルギー(蓄電システム)
第四に、「電子部品事業(DMB)」。
- リレー、スイッチ、コネクタ、センサー
- 民生・産業用電子部品
加えて、「データソリューション事業」(ヘルスビッグデータ等)。
事業の特徴:
- 制御機器(FA)とヘルスケアが2大事業
- 「センシング&コントロール+Think」のコア技術
- 「ソーシャルニーズの創造」
- 世界約130か国以上で展開
オムロンは、制御機器(FA)とヘルスケアを2大事業に、社会システム、電子部品まで展開する、独自の技術企業です。
制御機器(FA)~ 工場の自動化を支える
オムロンの最大の事業が、制御機器(FA:ファクトリーオートメーション)です。
制御機器事業(IAB):
- 工場の生産ラインの自動化
- センサー、リレー、コントローラー、ロボット、画像処理、安全機器
- 「i-Automation!」(オムロンのFAコンセプト)
- 制御機器のフルラインアップ
主要顧客・市場:
- 半導体製造装置
- 二次電池(EV用電池等)
- 自動車
- 食品・包装
- デジタル機器
FAの強み:
- 制御機器のフルラインアップ
- ソリューション提案力(機器+アプリケーション)
- グローバルな販売・サポート網
- 「現場」のノウハウ
制御機器事業の課題:
- 中国経済の鈍化
- 半導体・二次電池の設備投資需要の変動
- 特定の業界・市場(半導体、電池、中国)への依存
- 業績の変動
FA市場の特性:
- 設備投資需要に連動(景気変動が大きい)
- 半導体・電池等の成長分野
- 自動化・省人化のニーズ(人手不足)
オムロンの制御機器(FA)は、世界中の工場の自動化を支えるリーディングカンパニー。しかし、設備投資需要に連動するため業績変動が大きく、近年は半導体・二次電池・中国市場の停滞で苦戦しています。
ヘルスケア(血圧計)と「ソーシャルニーズの創造」
オムロンのもう一つの柱が、ヘルスケア事業です。
ヘルスケア事業(HCB):
- 家庭用血圧計(世界トップシェア)
- 体温計、体重計、ネブライザー(吸入器)、低周波治療器
- 循環器・呼吸器疾患の予防
- 「ゼロイベント」(脳・心血管疾患の発症ゼロ)を目指す
血圧計の強み:
- 世界トップシェア
- グローバル展開(新興国の潜在市場、先進国の高齢化)
- 血圧計市場はグローバルで拡大基調
- ブランド力
ヘルスケアの進化:
- 遠隔診療(ルーシーヘルステック社、オランダの70%以上の病院)
- 健康管理アプリ「OMRON connect」
- ヘルスビッグデータ(JMDCとの連携、疾病リスク予測)
- 予防から治療までを包括する新たなヘルスケアモデル
「ソーシャルニーズの創造」:
- 創業者・立石一真の理念
- 社会の課題を技術で解決
- 世界初の製品(自動改札機、現金自動支払機等)
- 高血圧という社会課題への取り組み(血圧計)
「センシング&コントロール+Think」:
- オムロンのコア技術
- 「測る(センシング)」「制御する(コントロール)」「考える(Think)」
- 制御機器とヘルスケアの共通基盤
オムロンのヘルスケア事業は、家庭用血圧計で世界トップシェア。高血圧という社会課題に対し、血圧計から遠隔診療、ヘルスビッグデータまで、予防から治療を包括するモデルを構築。「ソーシャルニーズの創造」という理念を体現しています。
業績の推移と構造改革「NEXT 2025」
オムロンの近年の業績推移を整理しておきましょう。
2024年3月期(2023年度、業績悪化):
- 売上高 8,188億円(前年比-6.5%)
- 純利益 前期比98%減の15億円(下方修正)
- 中国経済の鈍化、半導体・二次電池の設備投資減
- 制御機器事業の停滞
- 在庫引当金約200億円を計上
2025年3月期(2024年度):
- 構造改革期間
- 上期は減収減益(純損失も)
- 制御機器事業(IAB):売上17.1%減
- ヘルスケア事業:堅調
- 社会システム事業:増収
- 構造改革は計画通り進捗、収益基盤の再構築
構造改革プログラム「NEXT 2025」(2024年2月策定):
- 制御機器事業の停滞を受けて
- 中期経営計画(SF 1st Stage)の目標を取り下げ
- 2024年4月〜2025年9月を「構造改革期間」
- 固定費の効率化、人員削減
- 収益基盤の再構築
長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」:
- 2030年に向けた長期ビジョン
- 制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品、データソリューション
業績悪化の要因:
- 特定の業界・市場(半導体、電池、中国)への依存
- 事業環境の急激な変化への対応の遅れ
オムロンは、中国・半導体・電池の停滞により業績が悪化し、構造改革「NEXT 2025」で収益基盤の再構築を進めています。制御機器事業の立て直しが最大の課題です。
弱点1:制御機器(FA)事業の業績変動
オムロンの最大の課題は、制御機器(FA)事業の業績変動です。
制御機器の業績変動:
- 設備投資需要に連動(景気変動が大きい)
- 半導体・二次電池の設備投資の変動
- 中国経済の鈍化
- 2023年度に大幅な業績悪化
リスク:
- 設備投資需要の変動
- 半導体・電池サイクル
- 中国市場の変動
- 受注の変動
オムロンの制御機器(FA)は、工場の設備投資需要に連動するため、業績変動が大きい。半導体・二次電池の設備投資の落ち込み、中国経済の鈍化により、2023年度は大幅な業績悪化。制御機器事業の業績変動が、オムロンの最大の構造的リスクです。
弱点2:特定業界・市場への依存(半導体・電池・中国)
オムロンは、特定の業界・市場への依存が課題です。
依存の構造:
- 半導体製造装置
- 二次電池(EV用電池)
- 中国市場
- これらに業績が依存
リスク:
- 半導体・電池の設備投資サイクル
- 中国市場の変動
- 特定業界への偏り
- 事業環境の急変への対応
オムロンは「半導体や電池、中国など特定の業界や市場に依存していた」(辻永社長)と認めています。これらの設備投資需要・市場の変動が、業績に直撃。事業環境の急激な変化に対応できず、業績悪化を招きました。特定業界・市場への依存が、構造的なリスクです。
弱点3:在庫・部品調達のリスク
オムロンは、在庫・部品調達のリスクを抱えています。
在庫リスク:
- サプライチェーン強化のため多めに調達した部品
- 部品の消化が進まない
- 在庫引当金約200億円を計上
- 部品の減損リスク
リスク:
- 過剰在庫
- 部品の減損
- 需要予測の難しさ
- サプライチェーン管理
オムロンは、コロナ禍のサプライチェーン混乱に備え多めに部品を調達しましたが、需要減で部品の消化が進まず、在庫引当金約200億円を計上。需要予測の難しさ、過剰在庫・部品減損のリスク。在庫・部品調達のリスクが、課題です。
弱点4:中国市場の停滞・競争
オムロンは、中国市場の停滞・競争に直面しています。
中国市場の課題:
- 中国経済の成長鈍化
- 制御機器・電子部品の需要減
- ヘルスケア(血圧計)の需要鈍化・競争激化
- 中国メーカーとの競争
リスク:
- 中国経済の減速
- 中国市場での競争
- 中国メーカーの台頭
- 米中対立・関税
オムロンは、中国市場が業績拡大に大きく貢献してきましたが、近年は中国経済の鈍化、需要減、競争激化に直面。制御機器・電子部品の需要減、ヘルスケアの中国での需要鈍化・競争激化。中国市場の停滞・競争が、課題です。
弱点5:構造改革の実行リスク
オムロンは、構造改革「NEXT 2025」を進めていますが、実行リスクがあります。
構造改革:
- 固定費の効率化
- 人員削減
- 制御機器事業の立て直し
- 収益基盤の再構築
リスク:
- 構造改革の実行の難しさ
- 人員削減の痛み
- 制御機器事業の回復の不確実性
- 改革の成果
オムロンは、業績悪化を受け「NEXT 2025」で構造改革(固定費効率化、人員削減)を進めていますが、これは痛みを伴う改革。制御機器事業の回復、収益基盤の再構築が計画通り進むかは不確実。構造改革の実行リスクが、課題です。
弱点6:米国関税の影響
オムロンは、トランプ政権の米国関税政策の影響を受けます。
関税リスク:
- 制御機器、ヘルスケア、電子部品への関税
- 中国・北米を中心とした個人消費の減退リスク
- 新規投資の一時的減速リスク
- 価格転嫁
リスク:
- 米国関税によるコスト増
- 需要への影響
- 新規投資の減速
- サプライチェーンへの影響
オムロンは、制御機器・ヘルスケア・電子部品で米国関税の影響を受けます。関税により、中国・北米を中心とした個人消費の減退、新規投資の一時的減速のリスク。オムロンは価格転嫁で吸収する方針ですが、需要への影響を精査中。米国関税の影響が、リスクです。
弱点7:為替変動
オムロンは、グローバルに事業を展開しており、為替変動の影響を受けます。
為替リスク:
- ドル、ユーロ、人民元、各通貨
- 世界約130か国以上で展開
- 円安:海外利益の円換算額増加(プラス効果)
- 円高:円換算額減少
オムロンは、世界約130か国以上で事業を展開し、為替変動の影響を受けます。円安は海外利益の円換算額を増やしますが、円高転換すれば円換算業績にネガティブ影響。為替変動が、グローバル企業・オムロンの業績に影響します。
弱点8:FA市場の競争
オムロンの制御機器(FA)事業は、競争に直面しています。
主要競合:
- キーエンス(センサー、高収益)
- 三菱電機(FA)
- シーメンス、ロックウェル(欧米)
- SMC、ファナック(FA関連)
競争のポイント:
- 制御機器のラインアップ
- ソリューション提案力
- 価格・収益性
- グローバル展開
リスク:
- キーエンス(高収益)との競争
- 三菱電機等との競争
- 欧米・中国メーカーとの競争
- FA市場の競争
オムロンの制御機器(FA)は、キーエンス(高収益で知られる)、三菱電機、シーメンス、ロックウェル等と競争。特にキーエンスは高い収益性を誇り、オムロンとの差が指摘されることも。FA市場の競争が、課題です。
弱点9:ヘルスケアの競争・市場環境
オムロンのヘルスケア事業も、競争・市場環境の影響を受けます。
ヘルスケアの課題:
- 血圧計の競争(中国メーカー等)
- 中国市場の需要鈍化
- 新たなヘルスケアモデル(遠隔診療、データ)の収益化
- デジタルヘルスの競争
リスク:
- 血圧計市場の競争
- 中国の需要鈍化・競争激化
- 新規ヘルスケア事業の収益化
- デジタルヘルスの不確実性
オムロンのヘルスケア(血圧計)は世界トップシェアですが、中国メーカー等との競争、中国市場の需要鈍化・競争激化に直面。遠隔診療・ヘルスビッグデータ等の新たなヘルスケアモデルの収益化も課題。ヘルスケアの競争・市場環境が、リスクです。
弱点10:成長ドライバーの偏り
オムロンは、成長をけん引する事業・エリアの偏りが課題です。
成長の偏り:
- 制御機器とヘルスケアが成長をけん引
- 中華圏が業績拡大に貢献
- 成長事業・エリアが一部に偏っていた
- 急激な変化への対応力
リスク:
- 成長ドライバーの偏り
- 事業・エリアの分散不足
- 環境変化への脆弱性
- 新たな成長領域
オムロンは、長期ビジョン期間(2011〜2020年度)に制御機器・ヘルスケア、中華圏が成長をけん引しましたが、「全社の成長をけん引する事業やエリアが一部に偏っていた」ため、事業環境の急変に対応できませんでした。成長ドライバーの偏り、事業・エリアの分散不足が、構造的な課題です。
まとめ ~ 「ソーシャルニーズの創造」を掲げる京都企業
オムロンの制御機器(FA)×ヘルスケアモデルを、改めて整理しましょう。
強みとしては、1933年創業の歴史、「ソーシャルニーズの創造」という理念(立石一真)、世界初の製品(自動改札機、現金自動支払機等)、制御機器事業(FA、工場の自動化)、ヘルスケア事業(家庭用血圧計で世界トップシェア)、「センシング&コントロール+Think」のコア技術、社会システム(駅務、交通管制、再エネ)、電子部品、4つのコア事業、遠隔診療・ヘルスビッグデータ、世界約130か国以上での展開、長期ビジョン「SF2030」、辻永社長CEOの経営。
ただし弱点も多数あります。制御機器(FA)事業の業績変動、特定業界・市場への依存(半導体・電池・中国)、在庫・部品調達のリスク、中国市場の停滞・競争、構造改革の実行リスク、米国関税の影響、為替変動、FA市場の競争(キーエンス等)、ヘルスケアの競争・市場環境、成長ドライバーの偏り。
オムロンの本質的な強さは、「『ソーシャルニーズの創造』という理念のもと、『センシング&コントロール+Think』という共通のコア技術を、工場の自動化(FA)と家庭の健康(ヘルスケア)という異なる分野で活かしている」点にあります。
オムロンは、創業者・立石一真が掲げた「ソーシャルニーズの創造」(社会の課題を技術で解決する)という理念のもと、世界初の自動改札機・現金自動支払機など、社会のインフラとなる製品を数多く生み出してきました。
工場の自動化を支える制御機器(FA)と、家庭の健康を支えるヘルスケア(血圧計)――一見異なる2つの事業の根底には、「測る・制御する・考える」という共通のコア技術があります。特に血圧計は世界トップシェアで、高血圧という社会課題に取り組み、遠隔診療・ヘルスビッグデータへと進化しています。
一方で、近年は制御機器事業が、半導体・二次電池・中国市場の停滞により大幅に悪化。特定業界・市場への依存、成長ドライバーの偏りという課題が露呈しました。オムロンは構造改革「NEXT 2025」で、収益基盤の再構築を進めています。
私たちが使う家庭の血圧計、駅の自動改札機、工場を動かす制御機器――これらすべての背後に、オムロンの90年の歴史、「ソーシャルニーズの創造」、センシング&コントロールの技術――これらが結晶しています。
ビジネスを設計する人にとって、オムロンの事例は「理念(ソーシャルニーズの創造)に基づく経営」「コア技術の異分野展開(FAとヘルスケア)」「世界初の製品による市場創造」「設備投資依存(FA)の業績変動」「特定市場(中国・半導体)への依存リスク」「構造改革による立て直し」――多面的な教訓を提供してくれます。
10年後、オムロンは制御機器事業を立て直しているでしょうか。特定業界・市場への依存から脱却しているでしょうか。ヘルスケアの新モデル(遠隔診療・データ)を育てているでしょうか――。それは、現代日本の電機・ヘルスケア産業における興味深いテーマの一つです。
参考資料
- オムロン株式会社 公式IRサイト https://www.omron.com/jp/ja/ir/
- オムロン株式会社「2025年3月期 決算(2025年5月8日)」https://www.omron.com/jp/ja/ir/irlib/pdfs/20250508_presentation_script_j.pdf
- オムロン株式会社「構造改革プログラム『NEXT 2025』に関するお知らせ」https://www.omron.com/jp/ja/news/2024/02/c0226.html
- オムロン株式会社「ヘルスケア事業(HCB)|統合レポート2025」https://www.omron.com/jp/ja/integrated_report/strategybusiness/hcb/
- オートメーション新聞「オムロン、2025年3月期第2四半期決算 減収減益だが計画は上回る」https://www.automation-news.jp/2024/11/86609/
- 日本経済新聞「オムロン純利益98%減 24年3月期下ぶれ、中国減速影響」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF054M70V00C24A2000000/
- MONOist「制御機器事業は減収を計画、2024年度も本格回復見込まず慎重に策定」https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2405/09/news085_2.html
- キーエンス、三菱電機、シーメンス、ファナック、SMC等競合企業の公式情報
- 立石一真・オムロンの企業史関連書籍
- 日本経済新聞、東洋経済オンライン、MONOist等のオムロン関連報道
