はじめに——「最近、スマホの文字が見えにくい」が始まった
45歳前後で「老眼」の症状が出始める。スマートフォンの文字を離さないと読めない。薬の説明書が見えない。レシートの数字がぼやける。「老眼なんて自分にはまだ早い」。残念ながら早くない。老眼は40代前半から始まり、45歳頃に「自覚症状」が出る人が多い。加齢による水晶体の弾力低下であり、避けられない。
近視の人は「近視+老眼」のダブルパンチ。遠くも近くも見えにくくなる。眼鏡を新調するか、遠近両用に変えるか、コンタクトを使うか。どの選択肢もコストがかかる。手取り16万円にとって、眼鏡代・コンタクト代は「見えるための税金」であり、削りたくても削れない固定費だ。だが「買い方」を工夫すれば、大幅にコストを下げられる。
「眼鏡」のコスト最適化——5000円で十分な眼鏡が手に入る
「眼鏡=3万円」のイメージは過去の話だ。JINS、Zoff、眼鏡市場。これらのチェーン店では、レンズ込み5000〜10000円で眼鏡が作れる。JINSなら5500円からレンズ込み。薄型レンズへの変更も追加料金なし(度数による)。「安い眼鏡は品質が悪い」は昔の話。現在の5000円の眼鏡は、10年前の3万円の眼鏡と品質がほぼ同等。
さらに安く手に入れる方法。方法1は「オンライン通販」。JINS、Zoffはオンラインでも購入可能。処方箋(眼科で発行。費用は保険適用で1000〜2000円)があれば、自宅からオンラインで注文できる。店舗で試着→気に入ったフレームの型番をメモ→オンラインで注文。セール時にはさらに安くなる。
方法2は「100均の老眼鏡」。老眼だけの対応なら、100均の老眼鏡(110円)で十分な場合がある。度数は+1.0〜+3.0まで揃っている。「自宅で本を読むとき専用」なら100均の老眼鏡で事足りる。110円。もやし炒め4食分。ただし長時間使用や外出時には「きちんとした眼鏡」が望ましい。100均の老眼鏡は「緊急用・自宅用」と割り切る。
「コンタクトレンズ」のコスト最適化——月1000〜2000円に抑える
コンタクトレンズは「眼科+コンタクト販売店」で買うと月3000〜5000円。だがネット通販なら月1000〜2000円に抑えられる。
最安の選択肢は「2週間交換タイプ」のネット通販。処方箋データ(度数、ベースカーブ、直径)がわかれば、ネットで注文できる。楽天やAmazonで「コンタクト 2week」と検索すれば、1箱(6枚入り。3ヶ月分)1500〜2500円。両目で3000〜5000円。月あたり1000〜1700円。
1日使い捨てタイプはさらにコストが高い(月2000〜4000円)。コスト重視なら2週間タイプ。ただし2週間タイプは「ケアが必要」(毎日の洗浄・保存液代が月300〜500円追加)。ケアが面倒な人は1日使い捨てを選ぶ。
「コンタクトと眼鏡の使い分け」が最もコスパが良い。仕事中はコンタクト。帰宅後は眼鏡。休日は眼鏡。コンタクトの使用を「仕事の日だけ」に限定すれば、月の使用量が約60%に減る。月のコンタクト代が1700円→1020円に。眼鏡は「一度買えば2〜3年使える」ので、月あたりのコストは200円以下。コンタクト1020円+眼鏡200円=月1220円。「見えるための費用」が月1220円で済む。
「眼科の定期検診」を年1回受ける——保険適用で1000〜2000円
45歳以降は「緑内障」「白内障」「加齢黄斑変性」などの眼疾患のリスクが上がる。これらは「早期発見すれば治療可能」だが「放置すると失明につながる」。年に1回の眼科検診(保険適用で1000〜2000円)で、眼疾患の早期発見ができる。
「眼鏡やコンタクトの処方箋を更新する」ついでに、眼科で「眼底検査」を受ける。眼底検査は眼の奥(網膜)を撮影する検査であり、緑内障や糖尿病性網膜症の発見に有効。追加料金はわずか数百円。「見える」ことは当たり前ではない。「見え続ける」ために年1回の投資をする。
「PC用ブルーライトカット眼鏡」は必要か
ブルーライトカット眼鏡は「目の疲れを軽減する」として人気だが、科学的な根拠は限定的。アメリカ眼科学会は「ブルーライトカット眼鏡が眼精疲労を軽減するエビデンスは不十分」としている。買うなら「あったら少し楽かも」程度の期待値で。100均で110円のブルーライトカット眼鏡もある。110円なら「試してみて、効果がなければ捨てる」のリスクが低い。
年間の「見えるためのコスト」まとめ
最安プラン。眼鏡1本(JINS 5500円。3年使用で年1833円)+100均老眼鏡(110円)+眼科検診年1回(1500円)=年間3443円。月287円。コンタクト併用プラン。上記+コンタクト(月1020円×12ヶ月=12240円)=年間15683円。月1307円。
月287〜1307円。発泡酒2〜10本分。「見える」ことの対価としては安い。「見えなくなる」コスト(仕事ができない、生活に支障が出る、事故のリスク)と比較すれば、月1307円は「最も合理的な固定費」だ。
まとめ——「見える」は当たり前ではない。投資して守る
視力は「失って初めて価値に気づく」もの。もやし炒めの色。発泡酒の泡。散歩中の桜。本の活字。スマートフォンの画面。これらすべてが「見える」から楽しめる。「見える」を維持するコストは月287〜1307円。このコストを惜しんで視力を失えば、「見える生活」のすべてが奪われる。
今週、眼科に行って検診を受けよう。ついでに眼鏡の度数を確認しよう。合わなければJINSで5500円の新しい眼鏡を作ろう。「見える自分」を月287円で守る。287円で守れる幸福は、287円以上の価値がある。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

