はじめに——「1日80分」が消えている
片道40分の通勤。往復80分。月20日で1600分=約27時間。年間で約320時間。320時間。公務員試験に合格できる勉強時間の1.5倍以上。この膨大な時間を「スマートフォンをダラダラ見る」だけで消費していないか。SNSのタイムラインをスクロールし、ニュースのタイトルだけ読み、ゲームを少しやって、到着。「80分何をしていたか」と聞かれたら「何も」。何もしていない80分が毎日繰り返される。
通勤時間は「奪われた時間」ではなく「与えられた時間」だ。80分の「自分だけの時間」。上司に話しかけられない。同僚に気を遣わなくていい。家事もしなくていい。「純粋に自分のためだけに使える80分」。この80分を「意味のある時間」に変える。年間320時間の革命が始まる。
通勤時間の「5つの使い方」——座れる場合と立っている場合
使い方1は「読書」。電車内の読書は「最も効率の良い読書法」だ。理由は「他にやることがない」から。自宅では「テレビ」「スマホ」「食事」「掃除」と、読書を妨げる誘惑が山ほどある。電車内には誘惑がない。本を開けば自然と集中できる。片道40分で20〜30ページ。往復で40〜60ページ。1週間で200〜300ページ。2週間で1冊。月に2冊。年間24冊。「年間24冊読む人」の知識量は「年間0冊の人」とは雲泥の差。
「満員電車で本が開けない」場合。文庫本なら片手で持てる。スマートフォンが持てるスペースがあれば文庫本も持てる。電子書籍(Kindle等)ならスマートフォンの画面で読める。図書館で借りれば0円。電子書籍も「Kindle Unlimited」(月980円)なら読み放題。または「青空文庫」(著作権切れの名作が無料で読めるサイト)を使えば完全0円。
使い方2は「オーディオブック・ポッドキャスト」。満員電車で本を開けない場合の代替手段。イヤホンで「聴く読書」。Audible(月1500円)やaudiobook.jp(月880円〜)でオーディオブックを聴く。ポッドキャスト(無料)なら、ニュース、教養、語学、エッセイ。片道40分で1冊分のオーディオブック(通常4〜8時間。倍速再生で半分)の一部が聴ける。「目を使わなくていい」ので、混雑した電車でも実行可能。
使い方3は「語学学習」。スマートフォンの語学アプリ(Duolingo等。無料)で英語や中国語を学ぶ。1日15〜20分の学習で、半年後には「基礎レベル」に到達する。片道40分のうち20分を語学に充てれば十分。「公務員試験の教養科目にも役立つ」し、「転職の武器にもなる」。0円で始められる語学学習は、通勤時間の最も合理的な使い方の一つ。
使い方4は「公務員試験・資格の勉強」。スマートフォンのアプリ(過去問アプリ等)で問題を解く。または参考書の暗記ページを読む。片道40分×月20日=月800分≒13.3時間。年間160時間。公務員試験の合格に必要な勉強時間(200〜500時間)の3分の1以上を通勤時間だけで確保できる計算。「通勤時間の勉強だけで合格した」人も実際にいる。
使い方5は「瞑想・マインドフルネス」。目を閉じて(閉じなくてもいい)、呼吸に集中する。周囲の雑音を「聞こえるが気にしない」状態にする。5〜10分の瞑想で、仕事前の「心の準備」が整う。帰りの電車では「仕事のストレスをリセットする」効果がある。0円。道具不要。場所不要。
「座れない電車」でもできること
満員電車で座れない場合。片手でつり革を持ち、もう片手でスマートフォンを操作する。この体勢でできること。電子書籍を読む(片手でスクロール)。ポッドキャストを聴く(イヤホン+ポケットにスマホ)。語学アプリの問題を解く(片手タップ)。瞑想する(目を閉じて呼吸に集中。道具不要)。
「つり革を持つ手すら空かない」ほどの超満員の場合。瞑想一択。目を閉じて呼吸に集中する。「何もできない」状態を「瞑想の時間」に変換する。「超満員で何もできない→イライラする」を「超満員だからこそ瞑想できる→リラックスする」に変換。認知の転換。
「通勤時間の革命」がもたらす年間の成果
読書に充てた場合。年間24冊。10年で240冊。240冊の知識は「教養」であり「会話のネタ」であり「人生の視野を広げる力」。
勉強に充てた場合。年間160時間。2年で320時間。公務員試験の合格ラインに到達可能。「通勤時間で公務員試験に受かった」は夢ではない。
語学に充てた場合。年間160時間。英語なら「日常会話レベル」に到達可能。「英語ができる45歳」は転職市場で「英語ができない45歳」より確実に有利。
瞑想に充てた場合。年間320時間の瞑想。メンタルの安定。ストレス耐性の向上。睡眠の質の改善。「通勤時間を瞑想に使っている」と言えば「意識高い系」に見えるが、やっていることは「電車の中で目を閉じている」だけ。
「通勤時間の革命」を始めるための3ステップ
ステップ1。明日の朝、カバンに文庫本を1冊入れる(図書館で借りる。0円)。ステップ2。電車に乗ったら、スマートフォンではなく文庫本を開く。ステップ3。降りる駅まで読む。
これだけ。明日から「通勤時間の革命」が始まる。80分が「消える時間」から「積み上がる時間」に変わる。積み上がった時間は「知識」「スキル」「資格」「メンタルの安定」として、5年後・10年後の自分を支える。
まとめ——「80分×20年」は途方もない資産になる
通勤時間80分×月20日×12ヶ月×20年=384000分=6400時間。6400時間。大学の授業4年分に匹敵する時間。この6400時間を「スマートフォンのスクロール」に使うか「読書・勉強・瞑想」に使うか。どちらを選んでも、20年後には65歳。だが「6400時間を積み上げた65歳」と「何もしなかった65歳」では、持っている「知識」「スキル」「心の豊かさ」がまるで違う。
明日の朝、電車に乗ったら、スマートフォンをポケットにしまう。カバンから本を取り出す。開く。読む。40分後、駅に着く。本をカバンにしまう。ホームに降りる。「今日もいい時間だった」。この感覚が、通勤時間の革命の始まり。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

