独身非正規の「税金カレンダー」完全ガイド——1月から12月まで毎月やるべきお金のこと

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はじめに——「お金のやるべきこと」は毎月ある

税金や社会保険の手続きは、「年末調整のときにやればいい」と思っている人が多い。だが実は、1月から12月まで、毎月のように「やるべきこと」「確認すべきこと」「申請すべきこと」がある。これらを知らずに放置すると、「もらえるはずのお金」をもらい損ね、「払わなくてもいい税金」を払い続ける。

このガイドでは、手取り16万円の独身非正規が「毎月やるべきお金のこと」を、カレンダー形式で月別にまとめる。このカレンダーを冷蔵庫に貼っておけば、1年間のお金のTODOを漏れなくこなせる。

1月——還付申告を始める

確定申告の受付は2月16日からだが、「還付申告」(税金を取り戻す申告)は1月1日から可能。医療費控除、セルフメディケーション税制、扶養控除の遡及申告。これらは1月に提出すれば、2〜3月に還付金が振り込まれる。早い者勝ちではないが、早く出せば早くもらえる。

やるべきこと。前年の医療費の領収書を集計する。前年のドラッグストアのレシート(セルフメディケーション対象品)を集計する。扶養控除の申告漏れがないか確認する(過去5年分遡及可能)。国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成する。e-Taxで提出するか、税務署に郵送する。

1月のもう一つのタスクは「今年の貯蓄・投資目標を設定する」こと。「今年はNISAの積立を月25000円にする」「生活防衛資金をあと10万円増やす」。年初に目標を設定しておけば、年間を通じて「何のためにお金を管理しているか」が明確になる。

2月——確定申告の準備を本格化する

2月16日から確定申告の受付が始まる。1月に還付申告を済ませた人は不要だが、済ませていない人はこの時期に行う。

やるべきこと。源泉徴収票を手元に用意する(派遣元から1月末までに届くはず。届かなければ催促する)。確定申告書を作成し、提出する。わからなければ税務署の無料相談を利用する(混雑するので予約推奨)。

2月はまた「ふるさと納税の返礼品が届く時期」でもある。1月〜2月に届いた返礼品(米、肉等)を受け取り、食費の節約に活用する。

3月——確定申告の期限(3月15日)

確定申告の提出期限は3月15日。この日までに提出しなければ、延滞税や無申告加算税がかかる場合がある。還付申告の場合は期限に関係なく5年間提出可能だが、「追加で納税が必要な場合」は3月15日が厳守。

やるべきこと。確定申告を済ませていなければ、3月15日までに提出する。還付金がある場合は、振込先口座を確認する(e-Taxなら2〜3週間で振込)。

3月は「年度末」でもある。派遣の契約更新が行われることが多い。契約が更新されない場合は、4月以降の失業保険・国民年金免除・国保の手続きが必要になる。別のエッセイ(マネー09、マネー26)を参照。

4月——新年度の変更を確認する

4月は新年度。社会保険料率の改定、最低賃金の改定(地域により10月の場合もある)、各種制度の変更が行われることがある。

やるべきこと。4月の給与明細で、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の額を確認する。前月と変わっていないか。変わっている場合は、料率改定によるもの。派遣元に確認。

4〜6月は「社会保険料の定時決定」の対象月。この3ヶ月の報酬の平均で、7月〜翌年6月の社会保険料が決まる。残業を控えめにすれば、標準報酬月額が下がり、社会保険料が安くなる(ただし将来の年金額も若干下がるトレードオフあり)。

5月——自動車税・固定資産税の納付

車を持っていれば自動車税の納付書が届く。持ち家なら固定資産税。独身の賃貸派にはどちらも関係ないが、「車を持っているが使っていない」場合は、手放すことで年間30000〜45000円の自動車税がゼロになる(車の維持費全体では年間50万円の節約)。

やるべきこと。車を持っている場合、「本当に必要か」を検討する。手放せるなら手放す。年間50万円の節約効果は絶大。カーシェアやレンタカーで代替可能か確認する。

5月はまた「住民税の通知書が届く時期」でもある(6月に届く自治体もある)。届いた通知書で、住民税の年額を確認する。扶養控除やiDeCoの所得控除が正しく反映されているか。反映されていなければ、市区町村の税務課に問い合わせる。

6月——住民税が新しい年度の額になる

住民税は6月から新年度の額が適用される。前年の所得に基づいて計算されるので、前年の所得が減っていれば住民税も減る。増えていれば増える。

やるべきこと。6月の給与明細で住民税の天引き額を確認する。前月と比べて増減があるはず。大幅に増えている場合は、前年の所得が想定外に高かったか、控除の申告漏れがある可能性がある。

6月は「ふるさと納税の控除が住民税に反映される」時期でもある。ふるさと納税をした人は、住民税通知書の「税額控除額」欄にふるさと納税の控除が記載されているか確認する。記載されていなければ、ワンストップ特例の申請が漏れている可能性がある。

7月——社会保険料の「定時決定」結果が反映される

4〜6月の報酬をもとに計算された新しい標準報酬月額が、7月以降(9月分の保険料から適用されるケースが多い)の社会保険料に反映される。

やるべきこと。9月頃の給与明細で、社会保険料が変わっていないか確認する。4〜6月に残業が多かった場合は、社会保険料が上がっている可能性がある。上がっていても「仕方ない」が、「なぜ上がったか」を理解しておく。来年の4〜6月は残業を控えるという戦略が立てられる。

8月——夏の出費を管理する

8月は「お盆」がある。帰省する場合は交通費がかかる。帰省しなくても、夏場はエアコンの電気代が跳ね上がる。

やるべきこと。帰省の交通費を事前に確保しておく(月々の「冠婚葬祭・帰省積立」から充当)。エアコンの電気代を抑える工夫(設定温度28度、フィルター掃除、扇風機の併用)。8月の電気代明細を確認し、前年と比較する。

9月——ふるさと納税の「駆け込み」を計画する

ふるさと納税の期限は12月31日だが、人気の返礼品は年末に品切れになることがある。9月頃から「今年のふるさと納税計画」を立てる。

やるべきこと。今年の年収を概算し、ふるさと納税の控除上限額を計算する(「ふるさと納税 シミュレーション」で検索)。上限額の範囲内で、返礼品を選ぶ。米、肉、トイレットペーパーなど「生活必需品」の返礼品を選べば、食費・日用品費の節約になる。

10月——年末調整の準備を始める

10月から、保険会社やiDeCoの運営管理機関から「控除証明書」が届き始める。届いた証明書を「年末調整用」として1つのクリアファイルにまとめておく。

やるべきこと。届いた控除証明書を保管する。生命保険料控除証明書。地震保険料控除証明書(加入している場合)。iDeCoの小規模企業共済等掛金払込証明書。これらを紛失しないよう、クリアファイル1枚にまとめる。

10月は「最低賃金の改定」が行われる月でもある(地域による)。自分の時給が最低賃金を下回っていないか確認する。下回っている場合は違法。派遣元に是正を求める。

11月——年末調整の書類を記入・提出する

派遣元から年末調整の書類が配布される。「扶養控除等(異動)申告書」「保険料控除申告書」「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」。書類名が長くて面倒だが、中身は「名前と数字を書くだけ」だ。

やるべきこと。すべての書類に漏れなく記入する。控除証明書を添付する。扶養控除に親を記入する(該当する場合)。iDeCoの掛金を「小規模企業共済等掛金控除」欄に記入する。提出期限までに提出する(遅れると控除が受けられない可能性がある)。

12月——年末調整の結果を確認する

12月の給与明細に、年末調整の結果が反映される。多くの場合、12月の手取りが通常より多くなる(還付金が上乗せされるため)。還付金がいくらかを確認する。

やるべきこと。12月の給与明細で、年末調整による還付金(または追加徴収)を確認する。源泉徴収票を受け取る(1月末までに届く場合もある)。ふるさと納税の最終期限は12月31日。まだ枠が残っていれば、駆け込みで寄附する。

12月はまた「来年の家計計画」を立てる時期でもある。今年の家計を振り返り、「来年は月いくら貯蓄するか」「NISAの積立額を変えるか」「節約できる項目はないか」を検討する。

「毎月」やるべきこと——12ヶ月共通のルーティン

月別のタスクに加えて、毎月共通でやるべきことがある。

毎月タスク1は「給与明細を確認する」。手取り額だけでなく、控除項目(社会保険料、所得税、住民税)の金額を確認する。前月と比べて異常な変動がないか。異常があれば派遣元に問い合わせる。

毎月タスク2は「家計簿をつける(または確認する)」。収入と支出を記録する。アプリでもノートでもいい。「先月より食費が増えた」「今月はサブスクの引き落としが多い」。記録することで、問題点に気づける。

毎月タスク3は「先取り貯蓄を実行する」。給料日に自動振替で、NISA積立分と銀行貯蓄分を別口座に移す。残った金額で1ヶ月を過ごす。先取り貯蓄は「自動化」すれば意志力不要。

まとめ——「カレンダー通り」にやるだけで年間数万円得する

このカレンダーに書いてあることを、月ごとに淡々とこなすだけで、年間数万円〜十数万円のお金が「戻ってくる」「浮く」「得する」。逆に、カレンダーを無視して何もしなければ、その数万円〜十数万円は「消えていく」。同じ人間、同じ年収、同じ境遇でも、「カレンダー通りにやった人」と「何もしなかった人」で、年間の手取りに数万円の差がつく。

このカレンダーをプリントアウトして、冷蔵庫に貼ってほしい。毎月、冷蔵庫を開けるたびに「今月やるべきこと」が目に入る。目に入れば、忘れない。忘れなければ、やる。やれば、お金が増える。お金が増えれば、もやし炒めに卵が追加できる。

このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

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