はじめに——「大掃除」を何年もやっていない告白
「大掃除」。この言葉を聞くだけで憂鬱になる。実家にいた頃は母親が仕切ってくれた。だが一人暮らしでは「自分で」やらなければ誰もやらない。そして「やらなくても誰にも怒られない」。結果、大掃除を「何年もやっていない」。年末は「いつもの掃除すらサボって、もやし炒めを食べて発泡酒を飲んで寝る」。これが独身一人暮らしの年末。
だが「何年も大掃除をしていない部屋」は確実に汚れている。換気扇に油汚れが蓄積している。風呂の壁にカビが生えている。窓のサッシに黒い汚れがこびりついている。冷蔵庫の奥に正体不明の液体が溜まっている。これらの「蓄積した汚れ」は日常の掃除では落ちない。年に1回「まとめてやる」必要がある。
「大掃除=丸1日かかる」と思っている。だが6畳ワンルームの大掃除は「3時間」で十分だ。6畳。たった6畳。狭い。狭いからこそ3時間で終わる。このガイドでは「3時間の大掃除タイムテーブル」を分刻みで示す。
大掃除の「事前準備」——100均で500円分の掃除道具を買う
大掃除の前日に100均で以下を買う。重曹(110円)。クエン酸(110円)。メラミンスポンジ(110円。3個入り等)。スプレーボトル(110円。重曹水とクエン酸水を作るため)。使い捨てゴム手袋(110円)。合計550円。この550円が「3時間の大掃除」のすべてを支える。
重曹水の作り方。スプレーボトルに水200mlと重曹大さじ1を入れてよく振る。油汚れ、手垢、ヌメリに効く。クエン酸水の作り方。別のスプレーボトルに水200mlとクエン酸大さじ1を入れてよく振る。水垢、カルキ汚れ、鏡のくもりに効く。
「3時間の大掃除」タイムテーブル——分刻みで実行する
0:00〜0:10(10分)。キッチンの換気扇に重曹水をたっぷりスプレーする。油汚れに重曹が浸透するのを待つ間、他の場所を掃除する(重曹が「仕事をしている」間に自分は別の作業をする。並行処理の基本)。
0:10〜0:30(20分)。浴室の掃除。壁と床にカビ取り剤(持っていなければ重曹をカビ部分に振りかけて古い歯ブラシでこする)。鏡にクエン酸水をスプレーしてメラミンスポンジで磨く。排水口のゴミを取り除き、重曹を振りかけて酢をかける(シュワシュワ反応で汚れが浮く。15分放置後にシャワーで流す)。
0:30〜0:50(20分)。トイレの掃除。便器の中にトイレ用洗剤(持っていなければ重曹+クエン酸)を入れてブラシでこする。便座と床を重曹水で拭く。ウォシュレットのノズルも忘れずに。タンクの上や壁もさっと拭く。
0:50〜1:10(20分)。換気扇の掃除(10分前に重曹水を吹きかけた換気扇に戻る。重曹が油汚れを浮かせているので、メラミンスポンジで軽くこするだけで落ちる)。ガスコンロ周りの油汚れも重曹水+メラミンスポンジで拭く。シンクの中をクエン酸水で磨く(水垢が落ちてピカピカになる)。
1:10〜1:20(10分)。休憩。水を飲む。ストレッチする。疲れた。だがここで止めない。「あと半分」。
1:20〜1:40(20分)。窓と窓サッシの掃除。窓ガラスを濡れ雑巾で拭いた後、乾いた雑巾で拭く。新聞紙があれば新聞紙で拭くとピカピカになる(インクが汚れを吸着する)。窓サッシの溝は古い歯ブラシ+重曹水でこする。
1:40〜2:00(20分)。床の掃除。掃除機をかける(持っていなければクイックルワイパー。100均で110円)。掃除機の後、重曹水を固く絞った雑巾で床を拭く。フローリングがさっぱりする。
2:00〜2:20(20分)。冷蔵庫の中の掃除。中身を全部出す。期限切れの食品を捨てる。棚を重曹水で拭く。ドアポケットの汚れを拭く。中身を戻す(整理しながら)。
2:20〜2:40(20分)。「見えない場所」の掃除。家具の裏のホコリ。テレビ台の裏。本棚の上。ベッドの下。普段見えない場所にホコリが溜まっている。クイックルワイパーまたは雑巾で拭き取る。
2:40〜3:00(20分)。最終仕上げ。ゴミをまとめる。掃除道具を片付ける。部屋全体を見渡す。「きれいになった」。窓を開けて5分換気する。新鮮な空気が入る。大掃除完了。
合計3時間。休憩10分を含む。実質の掃除時間は2時間50分。6畳ワンルームの大掃除が3時間で完了。
「大掃除をやる気が起きない」ときの対処法
対処法1は「BGMをかける」。90年代のヒット曲をかけながら掃除する。音楽があると「作業のテンポ」が上がる。3時間の掃除が「3時間の音楽ライブ」に変わる。対処法2は「タイマーをセットする」。「あと20分でこのエリアを終わらせる」とタイマーをセットする。締め切り効果で集中力が上がる。対処法3は「ご褒美を決めておく」。「大掃除が終わったらプレミアムビールを飲む」。ご褒美があれば、3時間の掃除を「ご褒美までのカウントダウン」として乗り越えられる。
「年末大掃除」の代替——「月1回の15分掃除」
「年末に3時間」がどうしても嫌なら「月1回15分」に分散する方法もある。1月は換気扇。2月は浴室。3月はトイレ。4月は窓。5月は冷蔵庫。6月は床。7月は家具裏。8月は靴箱。9月はクローゼット。10月は洗濯機。11月は玄関。12月は全体の確認。月1回、1箇所だけ15分。15分×12ヶ月=年間180分=3時間。合計時間は同じだが「年末にまとめてやるストレス」がゼロ。
まとめ——「3時間で1年分の汚れを落とす」
大掃除は「1年分の汚れとの決算」だ。1年間溜め込んだ汚れを、3時間で清算する。清算後の部屋は「別の部屋」のように感じる。窓がピカピカ。床がさっぱり。冷蔵庫がきれい。浴室のカビがない。「きれいな部屋」で新年を迎える。新年の朝、きれいな部屋で目覚める。「今年は良い年になりそうだ」。この「良い予感」が大掃除の最大の報酬。550円の掃除道具と3時間で「良い予感」が手に入る。
このエッセイは、就職氷河期世代のひとりの個人的な記憶と感想に基づいています。

